調査捕鯨を行う財団法人・日本鯨類研究所(東京都中央区)と共同船舶(同)は9日、米国の反捕鯨団体シー・シェパード(SS)とポール・ワトソン代表を相手取り、南極海での調査捕鯨への妨害活動の差し止めを求める訴訟を米ワシントン州の連邦地裁に起こした、と発表した。
SSは2005年から妨害活動を本格化させ、調査船団への接近や発煙筒の投げ込みなどを繰り返した。妨害行為は年々エスカレートし、昨年度は乗組員に危険が及ぶとして調査中断に追い込まれた。
鯨類研究所などは、過去に繰り返された妨害活動は航海の安全を確保する国際条約に違反すると主張。今年度の調査捕鯨への妨害差し止めと調査船団への接近禁止を求めている。妨害については、仮処分による差し止め命令も求めた。
鯨類研究所の藤瀬良弘理事長は「SSの本部がある米国の訴訟で差し止めが認められれば拘束力が強い。妨害阻止に効果があると期待している」と話した。