■ 動物園とは?  (今後内容を増やしていくつもりですが、順次改編や加筆・修正も行っていきます)

1. 日本の動物園ができたのは、いつごろからか?

2. 世界で初めてできた動物園は?

3. 現代の動物園の機能と役割とは?




1. 日本の動物園ができたのは、いつごろからか?   (古い順番に挙げてあります)
   (現在までに調査したデータですが、記載間違いや記載もれの施設があるかもしれません。ご了承下さい。
     なお、既に「閉園」されてしまった動物園、または現在存在している動物園の前身となった施設も含んでいます。)


順番 開園年月日 動物園名(都道府県名) 備考
1 1882年3月20日 東京都恩賜上野動物園(東京都) 1924年皇太子(昭和天皇)ご成婚を期に宮内庁から東京市に下賜された
2 1890年 今泉動物園(浪越教育動物園、浪越動植物苑)
(愛知県)
動物商今泉七五郎氏の私設動物園(名古屋市中区)。1910年10月に大須門前町に移転。1917年2月に名古屋市に全てを寄付し、翌1918年4月に名古屋市立鶴舞公園附属動物園(後の、名古屋市東山動物園)として開園
3 1899年 安藤動物園(愛知県) 安藤政次郎(小政)の私設動物園。1912年花田町の市有地に移転。1931年ご子息から豊橋市に寄付され、豊橋市立動物園(1931〜1945年)となり、1934年向山町に移転。1945年閉園。その後、豊橋総合動植物公園(1954年〜)として再興
4 1903年4月1日 京都市動物園(京都府) 1900年5月10日東宮殿下御慶事奉祝会が組織され、有志者の醵出金を「京都記念動物園」の建設費として市に寄付した。この寄付金に加え市費を支出し、2年間(1901-1902年度)の工事を経て開園した(「京都市財政要覧 大正7年度」(京都市編、1918年)を参考)
5 1910年11月1日 箕面動物園(大阪府) 箕面電車の小林一三氏開園。1916年3月31日閉園。動物は1924年宝塚動物園設立とともに移動した
6 1915年1月1日 大阪市天王寺動物園(大阪府) 1884年府立博物場附属動物檻設置。1909年大阪大火災後、大阪府から大阪市に移譲
7 1915年4月7日 和歌山公園動物園(和歌山県) 1970年5月5日リニューアルオープン
8 1916年 鴨池動物園(鹿児島県) 鹿児島電気軌道の私設動物園。 1972年10月14日鴨池動物園を移転して、鹿児島市平川動物公園としてリニューアルオープン
9 1918年4月1日 鶴舞公園附属動物園(愛知県) 1929年名古屋市立動物園と改称。1937年3月24日東山公園に移転し、名古屋市東山動物園開園
10 1919年4月 甲府市(遊亀公園附属)動物園(山梨県) 遊亀公園内に住民が持ち寄った小動物をまとめて甲府市が動物園を開設(開園当時の施設名称不明)。1957年12月26日に、都市公園の指定を受け、甲府市遊亀公園附属動物園として新しく発足 
11 1924年 宝塚動物園(兵庫県) 宝塚ルナパークとして創立。1955年に博物館法に基づき「宝塚動植物園」として博物館相当施設に認定。2003年4月7日閉園
12 1926年4月20日 懐古園動物園(長野県) ニホンザルの保護施設として開園。後の小諸市動物園
13 1929年7月26日 熊本動物園(水前寺動物園)(熊本県) 1969年7月に移転して熊本水辺動物園が開園。1991年4月熊本市動植物園が開園
14 1930年1月1日 栗林公園動物園(香川県) 1907年頃公園内遊園地に県営の小動物園が設置されたという記録がある。その後経営が困難となったため、個人に譲渡され、1930年に個人経営の動物園として開園。1951年8月に財団法人に組織変更。2002年9月閉園。
15 1937年 諏訪山動物園(兵庫県) 1951年日本貿易産業神戸博覧会の会場跡地に移転し、神戸市立王子動物園が開園

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2.世界で初めてできた動物園は?

  オーストリアのシェーンブルン動物園と言われています。設立年は、1752年で、マリア・テレジアの夫である ドイツ皇帝フランツ一世(フランツ・シュテファン・フォン・ロートリンゲン)が、シェーンブルンの庭園内に作ったものとされています。  (シェーンブルン動物園のHP: http://www.zoovienna.at)
  ちなみに、ロンドン動物園は、1828年に研究施設として設立され、その後1847年に一般公開されています。アメリカでは、フィラデルフィア動物園が1859年にアメリカで最初の動物園として開園しています。また、世界で初めてパノラマ展示をしたのはドイツのハーゲンベック動物園で、1907年に開園しています。その後、この方式は、いわゆる「ハーゲンベック方式」として数多くのヨーロッパの動物園に広まり、日本の多くの動物園も、明治以降ハーゲンベック動物園の影響を大きく受けています。

 「パノラマ展示」 : モート(堀)形式を多く用いて、柵のない運動場で別の動物種を一緒に放し飼いをしているかのように来園者に見せようという意図をもった飼育展示方式。ハーゲンベック動物園の創始者であるカール・ハーゲンベックは、1896年に特許を取得しています。

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3.現代の動物園の機能と役割とは?

  現代の動物園の機能や役割について明確に述べられたのは、Lawrence Curtis氏によって書かれた"Zoological Park Fundamentals(American Association of Zoological Parks and Aquariums. National Recreation and Park Association. Washington, D.C., 1968)"が最初であろうと言われています。その後、日本でも上野動物園の元園長である中川志郎氏が、『動物園学ことはじめ』(玉川大学出版部, 1975)の中に4つに分けて明記しておられます。
  現在、(社)日本動物園水族館協会のHPでは、「(社)日本動物園水族館協会はなにをするところ?」というページに、「私たちが目標としている4つの目的」として、以下のように分かりやすく具体的に述べられています。

  4つの目的
    命に触れる憩いの場〜レクリエーション
    楽しく学ぶ〜教育・環境教育
    動物を絶滅させない〜種の保存
    動物のことを調べる〜調査・研究

 (http://www.jazga.or.jp/info/index.htmlに掲載されている文章の一部を、改編して掲載させていただきました)

  なお、2005年にWAZA(世界動物園水族館協会)が発刊した"Understanding Animals and Protecting Them About the World Zoo and Aquarium Strategy (動物を理解しよう 動物を守っていこう  世界動物園水族館戦略について)"には、現代の動物園・水族館の役割について、以下のように3つに分けて書かれています。

    動物園・水族館はリクリエーションの場である
    動物園・水族館は保全の場である
    動物園・水族館は教育・研究の場である

 (http://jdbv3.jazga.or.jp/siryo/WZACS_short_jpn.pdfに掲載されている文章の一部を、改編して掲載させていただきました)

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4.以下は、順次内容を考えて増やしていく予定です。 (文責: 土井)