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ロシアの代表的専門家が50年後の「北方4島返還論」

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 ロシアを代表する国際関係の専門家である、カーネギー財団モスクワ・センターのドミトリー・トレーニン所長が、北方領土問題に関する論文を発表し、50年後に北方4島を日本に返還し、日本の協力で極東シベリア開発を進め、アジア太平洋の安全保障を強化する――との未来志向を前面に出す提案を行なった。領土で譲歩することで、日本の極東経済進出を図り、日本を「アジアのドイツ」にするとの認識を示している。民族愛国主義が主流のロシアで、4島返還論が登場するのは異例。改善基調にある日露関係に波紋を投じそうだ。ドイツとの関係を参考に 「ロシア太平洋地域の将来-南クリール紛争の解決」と題する英文の論文は、同財団のサイトで見ることができる。(http://carnegie.ru/publications/?fa=50325) 論文は「北方領土問題は低調な2国間関係のシンボルになっており、それを解決することで、障害を取り除き、双方が互いに貢献し合うことが可能になる」とし、日露両国は相互に認め合う国境を画定する戦略的アプローチに着手すべきだと強調。関係を再構成することで、アジア太平洋での両国の立場が強化されると訴えた。 論文は北方領土問題の過…

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執筆者:名越健郎

1953年岡山県生れ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長を歴任。2011年、同社退社。現在、拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学東アジア調査研究センター特任教授。著書に『クレムリン秘密文書は語る―闇の日ソ関係史』(中公新書)、『独裁者たちへ!!―ひと口レジスタンス459』(講談社)、『ジョークで読む国際政治』(新潮新書)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。

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