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【芸能・社会】

黒沢映画「野良犬」 江口洋介主演で初ドラマ化

2012年12月18日 紙面から

主人公の刑事・村上を演じる江口洋介(右)とヒロイン・アキ役の広末涼子

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 俳優の江口洋介(44)がテレビ朝日開局55周年記念「黒沢明ドラマスペシャル 野良犬」(来年1月19日午後9時)で主演する。女優の広末涼子(32)、歌舞伎俳優の中村獅童(40)、柄本佑(26)らも共演。刑事ドラマの原点としても知られる黒沢映画の名作が現代によみがえる。

 映画「野良犬」(1949年)は、拳銃をすられてしまった新人刑事を故・三船敏郎さんが熱演。終戦直後の東京を舞台に、同じ復員兵でありながら刑事と犯人という対照的な人生を歩んだ青年2人の姿を描いた。73年には渡哲也(70)主演で再び映画化されている。

 初のドラマ化となる今回は鶴橋康夫氏が監督、池端俊策氏が脚本を担当。共に紫綬褒章の名匠コンビが、現代の闇に直面しながら懸命に生きる“野良犬たち”の重厚な人間ドラマとしてリメークした。

 江口が演じるのは拳銃をすられ、失態を隠蔽(いんぺい)しようとする警察組織にも苦悩しながら捜査を続ける刑事・村上。やがて捜査は少年時代の苦い記憶へとさかのぼっていく…。

 09年に同局系で放送されたドラマ「警官の血」に続く刑事役となる江口。黒沢作品も02年にフジテレビ系放送の「赤ひげ」で主人公の医師を演じている。

 このほど撮影を終えた江口は「黒沢監督の映画は、戦争体験からすさまじいトラウマを抱えた男たちのストーリーで、終戦直後の日本を物語っている感じがした。今回のドラマは閉塞(へいそく)感に包まれた今、もう一度家族や友情などの原点を見直そうというメッセージがある。本当に何が大事なのか。リメークというより新しいものを作っていると実感しながら演じた」と話す。

 広末は村上に恋心を抱く幼なじみのジャズシンガー・アキを演じる。芸能界デビュー後、しばらく歌手活動もしていた広末。レッスンを重ね「なるべく低い声で大人っぽく歌うよう心がけました」という久々の歌唱シーンも必見だ。

 村上の同級生・重山を演じた中村は「お金持ちのドラ息子で、なかなかのイヤなやつ。何で引き受けたのか分かんない(笑)。イヤなやつなんですけど、どこか人間味あふれるところも出せるように演じた」と話す。同じく同級生・柳下役の柄本は「とにかく登場人物たちがよくしゃべる。メールとか文字ではない“生身”のシーンがあふれている作品」と見どころを強調した。

 

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