Paperwhiteから一歩遅れて、ついに発売ですね。これは地味に日本社会を変えるデバイスになると僕は思っています。なにせうちの母親も買ったぐらいですから。
1. シニア層のインターネット利用が進む
Kindleをはじめとする安価なタブレットが浸透することで、今までキーボードやマウスの操作が苦手だったようなシニア層が、かなりインターネット化されるのではないかと予測します。
Online Publishers Associationの調査では、45歳以上でも、タブレット端末が積極的に購入されていることが報告されています。年代問わず、幅広く使われているわけですね。
余談ですが、昨日ちょうどシニアの方々向けに講義をしてきたのですが、Nexus7の音声入力の精度の高さのみなさん驚いていました。音声入力はシニア層にとって一般的な入力インターフェイスになるのかも。
2. 電子書籍の時代が訪れる
Kindleプラットフォームが与える最大のインパクトは、なんといっても電子書籍の普及でしょう。僕もすっかりハマっております。早く蔵書を1,000冊ぐらいに増やしたい欲求に駆られています。
紙の本は今のレコードのように、趣味性の強いものになっていくはずです。価格や利便性を重視する読者は、こぞって電子書籍に流れ込むでしょう。
著者としては、書籍制作のあり方が変わっていくことに期待したいです。電子書籍は利益率が高いので、これまでだったら1万部刷らないと採算が合わなかった書籍も、その数分の一の部数でも、同じ利益が著者にもたらされるようになります。
端的に言えば、電子書籍の普及は、「紙では出せなかった」ニッチで深みのある書籍を出版できる土壌をつくる可能性があります。かなりの希望的観測なのはわかっているのですが…、個人的にはそういう未来を創っていきたいと考えています。
3. Windows覇権の終焉
上図のとおり、すでに顕著なトレンドが見えていますが、タブレットの普及はWindowsの市場(上の図でいう「WinTel(青)」ですね)を一気に溶かしていくでしょう。
マイクロソフトももちろんタブレット市場を闘おうとしていますが、正直、製品はそれほど魅力的ではありません。米国の調査を見ても、Surfaceは消費者に支持されているとはいえない感じです。
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短期的に見ると、WindowsからAndroid/iOSへのシフトへ、ビジネスシーンは対応できないでしょう。普段の生活で使っているプライベートなデバイスを会社でも使おうという動き、いわゆる「BYOD(個人デバイスの職場利用)」は日本の会社の文化を考えると、なかなか進んでいかないと思われます。
話を大きくすれば、普段の生活=Android/iOS、職場=Windowsという使い分けは、仕事の生産性にも関わってくると思われます。現に僕のまわりでは「自宅で使ってるMacを職場でも使いたいけど許可されないんですよねー。仕事のスピードかなり落ちるんだけど…」と漏らすエンジニアやデザイナーがちらほらいらっしゃいます。一回Appleデバイスに慣れてしまうと、Windowsってホント使いにくくなりますからね…。
というわけで、Kindleをはじめとするタブレット端末の普及は、職場のコンピュータ環境や仕事の生産性にも影響を与えると予想されます。ここら辺の変化は大きなビジネスチャンスにもなるのでしょう。
というわけで、みなさんもぜひタブレット端末の購入をご検討ください。特に本をたくさん読む方には激しくおすすめですよ。