誰でもわかるデジタルシニア
約3年半前に、このブログで「デジタルネイティブ」について紹介した。子供の頃からインターネットが存在し、使ってきた年代・世代のことだ。「デジタルネイティブは、ネットでコミュニティを作り、年齢や性別・地位などを意識しないなどの特性を身につけた“新人類”である。数年後、彼らが成人し社会で本格的に活躍しはじめるのであるが、実世界がベースの“旧人類”とうまくやっていけるのであろうか?」と、心配を投げかけた。どうやら心配ご無用の様である。最近「デジタルシニア」が急増し活動が活発化しているからである。
メールをはじめSNSやネットショッピングなど、インターネットをアクティブに使いこなしているシニア層を「デジタルシニア」と呼ぶようになったそうだ。電通と東京大学は共同で「デジタルシニアラボ」を設立した。その調査研究によると、メールを除いて1日に30分以上ネットを利用するそうで、朝起きたら、一番にテレビではなくパソコンのスイッチを入れるシニアもいるという。6割がネットショッピングで商品やサービスを購入しているそうだ。その他、チケット予約やオークションも利用率は高いそうだ。
特に最近テレビ等で注目されているのが、デジタルシニアのコミュニティだ。TwitterやFaceBookを使いこなし、家族はもとよりネット上で知り合った友人とメッセージや写真を交換している。「コンピューターおばあちゃんの会」という組織があって、なんと平成9年から活動しているそうだ。もともとはパソコン教室的な存在であったが、ネットの発達とともに、今ではメーリングリストでの交流やSNSでの写真投稿等が主になってきたそうだ。ただ、年2回の全国オフ会もやっているそうで、この辺はさすが“おばあちゃん”らしくアナログなところもある。
「デジタルシニアパートナーズ」という組織も活動している。中高年からシニアの方を対象に、WEBサイトの紹介や使い方をわかりやすく教えている任意団体で、セミナー開催や、SNSサークル、WEBコンテンツ教室、ECコンサルティング事業などを行っている。モバゲーで有名なDeNAは、趣味人倶楽部(しゅみーとくらぶ)というシニア向けのSNSを運営している。会員は50~60歳台の男女中心に28万人いると言う。このコミュニティも、ネットで知り合った者同士が実際に会えるオフ会開催がウリのようだが、DeNAとしては、広告やゲームでの課金でビジネスとして成り立たせたいようである。
2020年には60歳台の4人に3人がデジタルシニアになると言われている。デジタルネイティブと違って(?)、デジタルシニアはお金も持っていそうだ。ネットビジネスの“巣鴨駅前商店街”は賑わいそうである。