Updated: Tokyo  2012/12/18 17:08  |  New York  2012/12/18 03:08  |  London  2012/12/18 08:08
 

安倍政権に沸く日本市場、円は昨年4月来安値、株価1万円も視野(1)

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  12月17日(ブルームバーグ):安倍晋三総裁の率いる自民党が圧勝した第46回衆院選の結果に、週明けの金融市場は円安・株高・債券安という形で反応した。円は対ドルで2011年4月以来の安値を更新。株式市場では日経平均株価が1万円まであと100円程度と、4月以来の大台回復が視野に入った。予想以上の自民圧勝を受け、相場は新政権による金融緩和の強化や財政出動からの影響を一段と織り込み始めている。

外国為替市場では、ドル・円相場が朝方に1ドル=84円48銭と、1年8カ月ぶりの水準まで円安が進行した。円は主要16通貨に対しても全面安の展開となった。株式市場では円安メリットを受けやすい輸送用機器など輸出関連株が上昇。日経平均 は一時9903円35銭を付けた。脱デフレ政策への期待も相まって、不動産株や証券など金融株も上昇した。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作シニア為替・債券ストラテジストは、26日には安倍氏が首相に就任する見通しとなる中で日銀が今週の金融政策決定会合で不十分と認識されるような金融政策を打ち出して結果的に円高が進めば、政治的圧力をあおりかねないと指摘した。今回の会合で緩和が見送られたとしても先行きの緩和観測は強まる可能性があり、「円安期待の地合いは変化しない」と言う。

また、しんきんアセットマネジメント投信運用部の藤原直樹副部長は、衆院選での自民党の選挙結果について「想定よりもだいぶ議席が多かったため、今まで主張してきた日本銀行の金融緩和などを実現する期待感が強まるだろう」との見方を示した。

半面、債券相場は、円安進行や財政悪化を懸念した売りが優勢となり、超長期債の下落(金利は上昇)が目立った。20年物140回債は利回りは一時1.715%と4月27日以来の高水準を記録。長期金利の指標となる新発10年物国債の326回債利回りは同1ベーシスポイント(bp)高い0.735%と、11月26日以来の高水準を付けた。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥債券運用部長は、自民党と公明党の圧勝は織り込んでいたとしながらも、「日銀の金融政策は緩和方向との見方から、短い年限はしっかりだが、超長期債は安い」と言う。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 野沢茂樹 snozawa1@bloomberg.net;東京 崎浜秀磨 ksakihama@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Rocky Swift rswift5@bloomberg.net;大久保義人 yokubo1@bloomberg.net

更新日時: 2012/12/17 17:02 JST

 
 
 
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