とある魔王の魔法戦記 (WARA)
次の話 >> しおりを挟む/しおりを解除
どうもWARAです。
コードギアスとネギまのクロスオーバー作品です。
基本的に携帯電話からの投稿なので短い文で終わります。
至らない点やご要望・意見・感想をお待ちしております。
暇潰しに読んで下さると幸いです。



TURN00   魔神 が 転生した 日

 

 一筋の光明を輝かせた、鋭い剣が迫る。

 しかし、その剣先にいる人物は 逃げようとしない。

 逆に――笑みさえ浮かべていた。

 死を恐れないのか、と問われればそうではない。

 だが、それは自分に課せられた業であり、罰。

 死ぬ事によって、その業が、罰が晴れるなら安いものだ。

 元々、この計画は男と目の前にいる仮面の下にいる人物、そして“魔女”と呼ばれし不老不死の少女の三人で編み出した計画でもある。

 神聖ブリタニア帝国、第99代唯一皇帝であるルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。

 彼が即位した事によって、世界は大きく変わった。

 貴族制度の廃止、各エリアの開放、歴代皇帝陵の破壊、財閥解体など―――歴代皇帝が行ってきたものと全く反対の政治を敢行した。

 各エリア――すなわち、ブリタニア帝国に植民地として従わされていた人々は、ルルーシュを正義の皇帝として崇めた。

 逆に、ブリタニアの人々からは今まで築いてきた歴史や文化、更に当たり前と信じていたものを次々と壊され、非道な皇帝として歴史に名を刻み、憎まれた。

 そんな彼は旧皇帝派やかつて日本開放という志を元に戦っていた黒の騎士団と対峙。

 兄であるシュナイゼルを従わせ、妹であるナナリーの意図を酌んだ上で彼らを従わせ、世界征服を完成させた。

 その真意は、世界の憎しみを全て自分に向けさせ、あえてその憎しみの現況を『ゼロ』という英雄に討たれる事によって完遂する計画、『ゼロレクイエム』というもので実現する。

 かつては剣先の青年――ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア…いや、ルルーシュ・ランペルージともいうべきか。

 その仮面を被り、世界に対して反逆を開始した。

 『ギアス』という力を受け取った事で、彼は“ゼロ”として立った。

 始めは妹が安全に暮らせる世界を作り出す事と並行し、母の死の真相を究明する為に戦った。

 その為には人は愚か、例え肉親であろうと、自分の忠実な駒として扱った。

 数々の犠牲を踏んだ上で、ルルーシュはここまで来た。

 親友とも対峙した。

 友の父を間接的に殺した原因ともなった。

 一度は挫折しかけたが、妹の為だけに戦っている訳ではないと教えられた――

 全てを受け入れた矢先での『ゼロレクイエム』――彼にしか、いや、彼らにしか出来ない計画でもあった。

 そんな記憶が、ルルーシュの脳裏にフラッシュバックされ、鮮明に思い出される。

 全ては『ギアス』という力から、不老不死の少女と出会った時から始まった。

 それと同時に、あの時から全てが決まっていたのかもしれない。

 世界を壊し、世界を作る。

 心残りは、もうない。

 後は自分がゼロ――その仮面の下は、友である枢木スザクなのであるが――によって殺されるのを待つのみ。

 そして―――

 

     ●

 

 俺の名は、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアまたの名をルルーシュ・ランペルージ。

 イレブンと呼ばれた島国・日本で身分を偽り生きていたルルーシュ=ランペルージ。

 正確にはその世界全てを支配しようとしていた、神聖ブリタニア帝国の第十七皇位継承者ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。

 母を奪い、妹の自由を奪った祖国に復讐したくて始めた反逆の使徒ゼロ。

 それが最後にはブリタニアという古い国の体制を消し、新たな世界を作るための戦いに変わり、俺は世界に根付いたブリタニアという圧政の象徴を一身に背負い討たれたのである。

 自身を討ってくれた親友には酷い役回りを押し付けてしまったと思うが、俺は後悔などしていない。

 死んで、そして終わると思っていたのだ。

 邪悪なる暴君の役を演じ終えた自分は、盤上から消え去ったはずだった。

 それが自分への罰だった……だったのだが?

 この状況は何なのだろうな…………?

 

     ●

 

 気付いてみると俺が転生したという現実だった。

 どうも俺は今……赤ん坊らしい。

 これは一体全体、どう言う訳だ?

 有り得ない?

 何の冗談だ、これは?

 確か・・俺は、享年18歳という若さで死んだ筈だ。

 何かの呪いか?

 大体・・赤ん坊に戻ったという事は、もう一度人生を遣り直せというつもりか?

 人生を遣り直すにしても何故前世の記憶が残ったままなんだ?

 これはあれか、神(=無意識集合体)の仕業か?

 Cの世界のせいか?

 確かに俺は、神に向かって【明日がほしい】と命令したが、これは神が俺に明日をくれたと解釈したらいいのか?

 もう一つ。

 本当に奇妙な事に、前世の記憶と言えばいいのか、他にも様々な世界の記憶がある。

 自分が一昔前の侍のような姿をした世界。

 ナイトメアがない世界。

 スザクが強化服で戦う世界。

 ナナリーがナイトメアに乗って戦う世界(そこでは自分は魔王C.Cとなり人々にギアス与え…世界に混沌を生み出していた)

 最初は何なんだ、この記憶は、と思ったものだ。

 自分の中にある数多の記憶。

 情報。

 想い。

 その中で体験した記憶が自分の中にある。

 【IF】

 もしもの世界。

 ここで、俺の脳裏にパラレルワールドと言う言葉が浮かぶ。

 パラレルワールド。

 並行して存在する世界。

 漫画やSFなどで使われる用語であり、自分自身知識として持っている。

 奇妙だと思ったが、理由はわからない。

 本当にわからない事ばかりだ。

 まあいい・・何故、こうなってしまったのかなんて判らないが、現実なってしまったのだから仕方がない。

 しかし前世の記憶を持ったまま・・新しい人生か。

 まあ、それも思えばこの状況も一興かも知れない。

 だが、また同じ人生じゃ詰まらないな。

 これからどうなるにしろ、悔いの残る生き方だけは前世の様にしたくないな。

 この時の俺は知らなかった。

 此処が違う世界だという事を【魔法】という名の不可思議な出来事に出会う事を此処から波乱万丈な人生ライフを迎える事を、この時の俺はまだ知るよしもなかった。

 

 



後書き
此処のルルーシュは複数の世界の記憶を引き継いでいます。
一番の基本知識はコードギアス反逆のルルーシュ(アニメ版)です。
ルルーシュのギアスが変質した為、自然の摂理を捩じ曲げる力(ナナナ世界)になっています。
かなりの反則キャラになっています。
というか紅き翼のメンバーってナナナ世界にいっても生身で戦えそうだ(´Д`)

次の話 >> 目次 感想へのリンク しおりを挟む/しおりを解除 ページの一番上に飛ぶ