中国:世界人権デーで8000人以上が陳情 公安は拘束も
毎日新聞 2012年12月10日 19時32分
【北京・工藤哲】香港の人権団体「中国人権民主化運動情報センター」は「世界人権デー」の10日、各地で8000人以上が陳情のため当局の窓口を訪れたと伝えた。土地を奪われたことへの抗議や司法手続きの不正、当局の腐敗を訴えることが目的で、公安当局の車が多数出動し、陳情者を監視・拘束した。
北京市内の官庁や大使館、国際機関にも多くの陳情者が訪れた。陳情を受け付ける同市西城区の国家信訪局周辺では、制服や私服の警官が通行人に目を光らせた。江西省から訪れた60代女性は「今回で10回目になる。地元警察の腐敗を訴えるために来た」と語った。朝陽区の国連施設周辺では、建物に入ろうとした若者が次々に公安当局者に連行された。
同センターによると、広西チワン族自治区東興市で7日、住民が密輸した車にはねられた事故の対応を巡り、税関職員の態度に不満を持った市民1万人が暴動を起こし、少なくとも当局の車両20台が破壊されたと伝えた。