米議会重鎮 D.イノウエ議員死去12月18日 11時45分
アメリカ議会の重鎮で、日本とアメリカの親善に尽くした日系のダニエル・イノウエ上院議員が17日、呼吸器系の疾患のために亡くなりました。
88歳でした。
ダニエル・イノウエ議員はハワイ生まれの日系2世で、1962年に初めて当選して以来、50年にわたって上院議員を務め、歳出委員会や通商科学運輸委員会の委員長を歴任したほか、大統領の継承順位で副大統領と下院議長に次ぐ第3位に当たる議会上院の仮議長も務める与党・民主党の重鎮でした。
日系議員として日米の政界をつなぐ重要なパイプ役を務め、最近では東日本大震災からの復興を支援するために被災地を訪れるなど、日米関係を強化する取り組みを続けていました。
こうした功績がたたえられ、去年の春の叙勲で「桐花大綬章」を受章し、首都ワシントンの日本大使公邸で行われた伝達式にはバイデン副大統領をはじめ、オバマ政権の要人も出席しました。
イノウエ議員はまた、第二次世界大戦中に日系二世の志願兵を中心とした陸軍部隊に入隊し、ヨーロッパ戦線で右腕を失う大けがをしながら勇敢に戦ったことで知られ、およそ半世紀を経た2000年にアメリカ政府からその功績が認められ、最高位の勲章である「名誉勲章」を贈られました。
イノウエ議員はこのところ体調を崩して入退院を繰り返していましたが、17日、ワシントン郊外の病院で呼吸器系の疾患のため死去しました。
“アメリカは真の英雄失った”
アメリカ議会のダニエル・イノウエ上院議員が死去したことを受けて、オバマ大統領は声明を発表し、「アメリカは真の英雄を失った。
イノウエ氏は議会では党派を超えた合意を促し、政府関係者には責任ある行動を取るよう働きかけてくれた。
第二次世界大戦でイノウエ氏は腕を失ったが、その驚くべき勇敢さから、彼はわれわれにとって特別な存在だった」と述べ、イノウエ議員の死を悼みました。
“奉仕の大切さを残した”
アメリカ議会のダニエル・イノウエ上院議員が死去したことを受けて、イノウエ議員の地元のハワイ州のアバクロンビー知事は声明を発表し、「イノウエ議員は誇りを持つことと人々に奉仕することの大切さを遺産として残してくれた。
私たちはこうした思いを受け継いでいかなければならない」と述べ、イノウエ議員の死を悼みました。
“功績ことばで言い表せない”
玄葉外務大臣は、閣議のあと、記者団に対し、「ダニエル・イノウエ上院議員は、アメリカの議会で初めての日系の議員であり、50年以上にわたって、日米関係の発展・強化に力を尽くした。
その功績はことばでは言い表せない。
深い悲しみに接しており、心から哀悼の意を表したい」と述べました。
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