首相指名選挙:維新は石原氏投票 橋下氏、「安倍氏」撤回 「独自野党」アピール空回り
毎日新聞 2012年12月18日 東京朝刊
日本維新の会は17日、26日に召集される特別国会の首相指名選挙で、石原慎太郎代表に投票する方針を決めた。橋下徹代表代行は16日夜、自民党の安倍晋三総裁に投票する意向を示していたが撤回した。橋下氏らは「反対ばかりの野党の立場は取らない」と独自姿勢のアピールを狙ったが空回りした形で、東京と大阪の「二元体制」の不安定さを印象づけた。
橋下氏の発言に石原氏は「論外だ」と反発。このため、国会議員団の松野頼久、藤井孝男両氏が大阪市の党本部を訪問して、松井一郎幹事長と対応を協議した。協議後、松井氏は記者団に「自民党とすべて政策が一致しているわけではない」として石原氏に投票する考えを示した。
首相指名選挙は政党の立ち位置を示す重要な機会だが、橋下氏は事前に石原氏と協議していなかった。今後もこうした食い違いが起こる可能性があり、不安を残した。
石原代表と橋下代表代行、松井幹事長ら主要な執行部体制は維持する。ただ、当選者54人のうち旧太陽の党側に近いとみられる当選者は少なくとも14人いる。今後は旧太陽側が発言力を増す可能性もあり、党運営の火種にもなりそうだ。【平野光芳、林由紀子】