「夜の訪問者」

written by 畔田ケンイチ





「……ぁぁあああ。だめだぁぁ」

 ヤバイ、マジヤバだよ。
 このままじゃ留年しちゃうよぉ……

 この前の期末試験、思ってた通りに結果はひどかった。と言うか、思ってた以上にひどかった。
 つーわけで、当然のようにあたしは追試を受けることになったんだけど、机の上に友達連中から借りたノートやら、出題予想やら広げてみたものの、全然はかどんない。
 いったい何が書いてるのかさえ分かんないし。

 ああ! どうしたらいいの〜。

「ダレカ、タスケテー!」

 とりあえず助けを呼んでみたり。
 ……あははっ、あたしって馬鹿だぁ。

「はぁい! 呼んだ?」

 ……誰!?
 ポンッと目の前が弾けて、いきなり露出過多の衣装を身に纏った女現れた。

 えっ!? 何!? 何……なの?

「んふっ、貴方ね。今、すっごい念で叫んだのは」

「……ドナタデスカ?」

「うふっ、人に名前を尋ねる時は自分から名乗るものじゃなくて?」

「そ、そですね、あたしは金森妙子って言います……で、お姉さんのお名前は?」

「私はグラジナ。サキュバスよ」

 サキュバスって、なんだ?
 ……よく分かんないけど、とりあえず空中にふわふわ浮いてるとこを見ると、神様っぽい存在なのカナ?

「あのぉ、つかぬことを聞きますが……あなた、あたしを助けてくれる人?」

「う〜ん、ちょっと違うんだけど、今日は特別に貴方の願いを叶えてあげる。
 一応、ただ働きってわけにはいかないから、それ相応のことはしてもらうけど」

 おおう!
 胸とかお尻とかはみ出した露出狂みたいな人だけど、あたしを助けてくれるなら、もう、なんでもいいよー。

「……今、失礼なこと考えてただろ?」

「いえいえ。ぜーんぜん、そんなことないデスヨー。
 それよりか、ええっと、願い事を聞いてもらうには何あげたらいいのかな?」

 お金以外だといいんだけど。
 月末なんで、ちょっぴりお財布がピンチなのよねー。

「それはね……ちょっと待ってね。
 出ておいで、マー君。まーくん!!」

 グラジナが部屋の隅に向かって呼びかけると、さっきと同じく空間がポンッと弾けた。
 もわもわっと煙が上がって、中から現れたのはちっちゃな男の子。見た目は小学校低学年って感じ。
 柔らかそうな髪が小さくクルクルッとカールしていて、なんだかとっても可愛い。

 恥ずかしがり屋なのかな?
 手をモジモジさせながら、あたしを盗み見るようにしている。

「んと、この子は私の弟で、インキュバスのマー君。
 今日はちょっと事情があって、妙子ちゃんにマー君の初体験の相手になって貰おうと思って……」

「ハァ? ……あたしに、そこの男の子とエッチしろだって?」

「そう」

「……エッチしたら、追試で良い点取らしてくれるワケ?」

「追試で良い点って無理だけど、貴方に恋人がいるならその男を貴方の虜にしてあげる。恋人がいないんだったら、好きな男を貴方の虜にしてあげるわ。ま、いつもなら一方的に精を頂くところなんだけど、今日はサービスしちゃう」

 グラジナはパチっとウィンクしながら言った。

「えへへ、お願いしますぅ」

 マー君とやらはペコリとお辞儀。

「帰れ」

「「ええっ!?」」

「帰れっ!!
 あたしは今、留年するかどうかの瀬戸際に居るの!
 そんなふざけたことに付き合ってられるかッッ!!!」

「ちょ、ちょっと待ってよ!?
 男共が貴方の虜になるのよ? モテモテなのよ?」

「うっさい! 今はそういう場合じゃないんだ!
 追試をうまくクリアさせてくれるのかと思って優しくしてりゃ、何? エッチさせろ? 舐めてんのか、コラー!」

 もう、キレまくり。
 当たり前だ。折角の勉強時間を無駄に過ごさせて、まったく。
 ……勉強なんかしてなかった気もするけど、そんなことは関係無いわ。

「……お姉ちゃん……だ、だから僕言ったのにぃ。この人はイヤだって」

「今更、そんなこと言っても仕方ないでしょ? この辺で簡単に股開いてくれそうなの、この子しかいなかったんだし」

 あ、なんか失礼なこと言われてる。
 簡単に股開くだとぉ〜。

「ウガァーーーッ!!」

「「ひぃぃ……」」

 ギロッと睨んで、吼えてやった。
 二人はササーッと部屋の隅に後退り。
 ガタガタ震えてる気がしなくもない。

「正座」

「「へっ!?」」

「正座しろつってんだ! 正座しろ、説教してやる」

 一言、言ってやらなくては気が済まない。
 二人を部屋の真ん中に座らせ、あたしは机の上にデンと座る。ノートをくるっと丸めて手のひらをパシッと叩き、

「いい? ちゃんと聞いてろよ」

 あたしは、お馬鹿の姉弟に説教を始めた。





「と言うわけで、あたしはホントにピンチなのよ? これを落とすと留年しちゃうんだから」

 説教開始から約一時間。
 二人は正座した足が痺れるのかもぞもぞとお尻の位置を変えながらも、あたしのお小言をしっかり聞いてた。

「分かってる? 留年よ? も一回、2年生をやり直しなのよ? 分かる?」

「「……はい」」

「本当にぃ?」

「はい、分かりましたから。お願いですから、もう勘弁してください」

 グラジナは泣きそうな顔をし、マー君に至ってはすでに泣いてたりする。
 二人とも反省したみたいだし、まあ許してやるかぁ。

「じゃ、足崩してよーし」

 途端に足を伸ばしてへた〜っとなる二人。

「まったく、エッチしろだなんて……あんた達、よくもそんな無茶言えたわね。そんなの誰もOKしないって」

「「……はい」」

 う〜ん、きつく言い過ぎちゃったかなぁ……

 あたしの説教が効いたのか、二人はしょぼーんとうな垂れて、ちょっぴり可哀相な感じ。現れた時の勢いはすっかりなくなって、おもいっきり意気消沈してしまっている。
 なんとなく罪悪感に襲われるあたし。

「ま、色々事情がありそうだし、良かったらその辺のこと聞かしてくれる? あたしには聞く権利があると思うんだけど」

 あまりに大人しくなってしまった二人が見ていられなくて、話を振ってみた。
 考えてみれば、たぶん人間じゃないこの二人には、あたしには分からないようなスンゴイ理由があって、あんなことを言ったのかも知れないし。
 ……出来ることなら手伝ってあげると、こう追試を良い感じにクリアさせてくれそうな神様っぽいのを紹介してくれたりしてね、えへへ。

「あ、あのですね。私、サキュバスなんですけど」

「ちょっと待って。サキュバスって何? つーか、あんた達、何者? 人間じゃないよね」

 神様っぽいんだとは思うんだけどねー。
 何にも無いところからポンと出てきたし、ふわふわ空中に浮いてたりするし。
 それに、人間とは思えないくらいの、すっごい美人と美少年だもの。

「えっ? 分かってなかったんですか?」

「なによ、文句ある!?」

「いえいえ、そんなことないです。
 えっと、サキュバスというのは『淫魔』と呼ばれる悪魔の一種です。
 人間の男性に淫らな夢を見させて精を吸い取ったりするんですよ。マー君はインキュバスと言ってサキュバスの男版です。男性じゃなくて女性からというところがサキュバスとの違いです」

 へー、悪魔なんだー。

 ……悪魔っ!?
 って、神様と真逆じゃん!

「あ、あ、アクマさん、なの?」

「はい、そうです」

 そう言われると悪魔っぽい気が……
 目はなんか真っ赤だし、背中に真っ黒なちっちゃい羽生えてるし、露出度高いな〜って思ってた服は良く見るとボンデージファンションだし、耳は何だかえらく長いし。
 何と言っても……履いてる靴の先、尖がってる。

 困ったのが来ちゃったなぁ……

「……そ、それはそうと、なんであたしがマー君とエッチしなくちゃなんないわけ?
 普通ならさ、エッチな夢を見させるだけなんでしょ?」

「それは、そのですね。あの、マー君はインキュバスの中じゃ“落ちこぼれ”なんです……
 人間に夢をみさせることも出来なくて……それで一度でも人間の女性を抱けたら自信になるのではと思って……」

「そ、そうなんです。僕が、落ちこぼれだから……だから、お姉ちゃんは何とかしてくれようとしただけなんです……」

 ずっと俯いたままだったマー君が、姉を庇うように身を乗り出して言う。
 悪いのは姉じゃなく自分なんだと、つぶらな瞳が訴えていた。

 半分ほどしか理解できなかったけど、大体分かった。
 二人は人間とエッチするのが仕事の悪魔で、だけど弟は全然エッチ出来なくて、見かねた姉が弟のエッチの相手を探してやって来たってことでしょ。

 なるほど〜、なんとも泣かせる話じゃないの。
 弟思いの姉に、姉思いの弟か……良い姉弟だねぇ〜。

 それに“落ちこぼれ”ってのは聞き逃せない。
 たぶんマー君も色々と辛い思いをしてるんだろう。親にガミガミ言われたり、先生にグチグチ言われたり、それはもう大変なはずだ。

 そう思うと、なんだか他人事じゃないような気がする……

「う〜ん、何とかしてあげたいのは山々なんだけどねぇ……」

「なんとかしてくれるんですか?」

 あたしの一言に、グラジナは悪魔とも思えない純真な瞳を向けてきた。
 うっ……そんな目で見ないでよぉ〜。

 こうして面と向かってグラジナに見つめられると、変な気分になってきちゃいそう。
 なにしろスッゴイ美人なんだもん。
 潤んだ真紅の瞳と目を合わせると、吸い込まれそうな錯覚に囚われる。

「だ、ダメだかんね。エッチはしないわよ!」

「そうですか……
 ごめんね、マー君。お姉ちゃんが不甲斐ないから……」

「ううん、お姉ちゃんは悪くないよ……」

 参ったなぁ……
 こういう辛気臭いのは苦手なのよねぇ。
 かと言って、エッチするのはイヤだし。

 う〜ん、どうしたらいいんだろ。
 正直言って、明日の追試のことを考えれば、この二人に関わってる場合じゃないんだけど、“落ちこぼれ”のマー君を助けてあげたいのも、また事実なのよ。

 うう〜ん、なんか良いアイデアがないかなぁ……
 ……う〜ん。

 エッチの相手さえいりゃいいんだよねぇ……

 あ!
 凄い良い案を思いついちゃった。
 悪魔の二人を目の前にして言うのもなんだけど、それこそ悪魔のような考えが、こうキュピーンと閃いちゃったわ。

 んふふ。これなら誰も困ることなく、マー君の望みを叶えてあげられるわね。

「あ、あのぉ〜、そ、どうかされたんですか?」

 急に一人含み笑いを始めたあたしにビックリしたのか、マー君が心配そうに聞いてくる。

 うふっ、どうもしないわよ。
 あんた達の為に、すっごい良い案考えてあげたんだから。

「ねぇ、マー君はエッチして自信を付けたいんだったよねぇ?」

「は、はい! そです! エッチしたいです。
 ……僕と、してくれるんですか?」

「早とちりしないの。あたしとしなくても、マー君がエッチできる良いこと思いついたのよ」

「「ほ、ホントに!?」」

 仲良くハモるグラジナとマー君。
 その表情は期待に満ち溢れ、あたしの言葉を待っている。



「簡単なことよ。マー君とグラジナがエッチすりゃいいのよ」



 どうよ、妙子様のこのアイデア。
 自分で言うのもアレだけど、完璧じゃない?
 あたしはエッチしなくていいし、マー君はお望み通りにエッチできるしね。

 あたしの提案が素晴らし過ぎて、二人はグウの音も出ない様子。
 あたしを見ながら微動だにしなかった。

 ふふん、あたしを褒めていいのよ。
 と、一人悦に入ってたんだけど――、

「ダ、ダ、ダメですよ! そんなのっ!」

 グラジナは大慌てであたしの提案に拒否を示す。
 マー君はポカーンと口を開けて呆然としていた。

 なによ、どこが悪いって言うのよ。

「姉弟でするなんて、そんなの許されません!」

「はぁ!? なんでよ? あんた達、悪魔なんでしょ? 近親相姦なんて固いこと言ってんじゃないわよ」

 言って、あたしはグラジナの背後に廻り込み、一気にビキニみたいな衣装を擦り下げた。
 ボリューム感たっぷりの胸が、ぽよよ〜んと柔らかそうに揺れる。

 うっ、デカイ……どう見たって、あたしの倍はあるぞ。いや、倍以上あるかも……

「この大きな胸、マー君の為に使ってあげなさいよぉ」

 ホントに大きな胸を両脇からすくうように包み込む。
 ――って包み込めないじゃない! マジでデカイわ、この胸。

 手のひらに余りあるグラジナの胸は、圧倒的な質量感であたしの手に乗りかかっている。
 そのまま持ち上げるように力を込めてると、あまりの柔らかさに指が沈み込んでしまいそうだった。なのに、パッと手をから胸を解放してあげると、ぷるんと弾けるように揺れて元に戻る。

 ……ナニ、コレ?
 めちゃくちゃ柔らかいのに、スゴイ張りだわ。
 悪魔のなかじゃ、こんな胸がまかり通るワケ?

「イタイ! 痛いですっ! 離してっ」

 おっと、いつの間にか思いっきり掴んじゃってたわ……
 この胸の凄さに、憬れるやら羨ましいやら腹が立つやらでちょっとの思考が飛んじゃってたみたい。だって、本当に触り心地良いんだもん。こういうの触りたくなっちゃうのは男も女も関係無いわね。

「ごめんね〜、今から優しく触ったげるから許して。ほら、こんな感じにさ」

 薄く血管の見える胸の表面に、触れるか触れないか微妙なタッチでさわさわと触れた。胸の先っぽには触らないように、周囲だけをなぞって行くとグラジナは感じるのか時々ピクッと跳ねた。

 これって、けっこう来ちゃうのよねぇ。あたしも、コレされると弱いんだ。
 悪魔だなんだって言っても女は女。あたしが感じる所はグラジナも同じように感じちゃうらしい。

「マー君、見て見て! お姉ちゃん、エッチな顔になってきたわよ〜。うっとりしちゃって、可愛いんだぁ〜」

 呆然となりゆきを見守っていたマー君が、あたしの呼びかけにビクッと反応し、あたしとグラジナに視線をさ迷わせる。
 もちろんと言うか、やっぱりと言うか、その視線は自然とあたしが触っているこの大きな胸へと移って行く。

「ふふ〜ん。やっぱりこの胸、気になっちゃうでしょ。おっきくて、柔らかそうで、気持ち良さそうだもんねぇ」

 グラジナの胸を掴んだり離したりを繰り返し揉んでると、ぽよんぽよんと音が聞こえてきそうな感じに揺れる。
 もう、マー君は姉の胸に釘付けだ。
 そのくりくりっとした瞳が『触りたい、揉んでみたい、舐めてみたい、吸ってみたい』って訴えてる。

 グラジナの方はマー君の視線に晒されるのが恥ずかしいのか、身を捩ってあたしから逃げようとしている。もちろん、素直に逃がしてあげたりなんかしない。余計に胸をせり出すようにしてやった。

「いや……マー君、見ちゃダメ……」

「まぁまぁ、そう言わずに。マー君に自信付けてあげたいんでしょ? だったら、こんなくらいでグチャグチャ言わないの!」

「でも……姉弟でなんて……」

 あーもー、うっさいな。ここまで来たら、肚括りなさいよねー。
 このままじゃいつまで経ってもその気になってくんなさそう。

 焦れたあたしはグラジナの胸の先端をギュッと摘まんで引っ張りあげた。

「あ、ああっ……胸ぇ、ダメですっ」

「何がダメなのよぉ〜。乳首、勃っちゃっててるじゃない。
 ホントはマー君に見られるの嬉しいんでしょ? このヤラシイ胸を見て欲しくてしかたないんでしょ?」

 おっ、何よ。いきなり顔真っ赤にして……こいつ言葉で責められるのに弱いのかぁ?

 あたし、女同士での経験はないけど、こうやってグラジナが恥じらったり、気持ち良さそうにうっとりした顔見せられると、けっこうくるもんがあるわね。
 レズの娘の気持ちがなんとなく分かるような気がするわ。

 ……これでハマって変な性癖が付いちゃったりしないよねぇ。

「マー君、おいで。このエッチな胸、触ってみたいよね?」

「……う、うん」

 へへ、姉に比べてマー君は素直だなぁ。
 逆にその姉は、マー君が頷くの見て凄く驚いちゃってる。目なんかまん丸に見開いちゃって、まあ。

「ほらほら、マー君、じっとしてないで。
 おいで〜。お姉ちゃんのおっぱい、柔らかいよ〜」

 あたしの声に誘われ、マー君はふらふらっと姉の胸に近付いてくる。
 グラジナの大きな胸以外、彼の目には何も入ってないみたい。

「マー君、ダメ。来ちゃダメよ、ね」

「お、お姉ちゃん……ぼく……」

 グラジナの拒む様子に、マー君は一瞬悲しそうな顔を見せたものの、そろそろと近付く動きは溜まらなかった。
 吸い寄せられるかのように、柔らかな二つの丸みへ小さな手のひらを着地させた。

「うぁ……やわらかい……」

「まーくん、んっ……」

 うひゃあ〜、マー君ったら大胆ねぇ。
 紅葉みたいなちっちゃな手をいっぱいに広げて、実の姉の胸をもみもみ。まるで餅を捏ねるみたく掴むような手つきをみせてる。

「どう? おんなのこの胸って気持ちいいでしょう?」

「う、うん。すっごく柔らかくて、ぽにゃぽにゃだよぅ」

「でしょう。お姉ちゃんもマー君に胸揉まれて気持ちいいんだって」

「えっ!? 違う。
 マー君。お願い、やめてっ……お姉ちゃんの胸、揉んじゃダメ……」

 嫌だ何だとごねるグラジナだけど、ちっちゃな手に胸を揉みくちゃにされるのが本当はとっても良いらしい。血管の青筋がうっすらと肌の下に見えていた胸が桜色に染まって、彼女の興奮が伝わってくる。
 マー君の手が触れてから、ギュッと目を瞑ってしまったグラジナは、ふうふうと徐々に息が荒くなって来た。

「グラジナってば顔真っ赤にしちゃって、可愛いっ。マー君、もっといっぱい揉んであげて。
 あ、そうだっ! この固くなっちゃってる乳首、摘まんであげて」

「ここ、摘まむの?」

「そうそう。そしたらお姉ちゃんすっごく悦んでくれるからね」

「そうなの?」

 あたしの『お姉ちゃんがよろこんでくれる』という言葉を確かめるように、マー君はグラジナに尋ねる。けれど、グラジナは朱に染まった表情を隠すように俯いて答えない。

 あれ〜? 嫌がんなくなっちゃたぞ?

「ねぇ、お姉ちゃん。触っても……いい?」

「…………」

「マー君が聞いてるんだから、答えてあげなさいよぅ」

「……そんなこと言われて、あっアアァアッ!!」

 マー君に答えるように促しながら、彼の代わりにグラジナの胸の頂点を突ついてやると、途端に彼女の口から嬌声が洩れる。
 ころころとしたグミみたいな感触のソコが、あたしの指の先で双丘の上を転がされる。

「あっ、ん……んん、いやぁ……」

「ほらね。グラジナったら気持ち良さそうにして。
 マー君もしてみて、やらしい乳首摘まんであげて、お姉ちゃんにエッチな声ださせてあげよ」

「……うん」

 グラジナの様子を伺うように、マー君はそっと手を伸ばす。
 小さな手が興奮しきったオンナの頂きを摘まむ。
 ううん、摘まむなんてもんじゃない。掴むって言ったほうが正しいわ、こりゃ。

「マ、マー君ッ! あ、ああぁぅ……ん、んぅ……」

 こりこりになってるグラジナの乳首がマー君の指に挟まれ、きゅっきゅと潰される度に、彼女の背中が小さく跳ねる。小学生のようなナリをしているマー君だけど、自分の手で女の肉体が面白いように反応する様に、すっごく満足げ。

「んっ、んぅ……あっ、マー君いやぁ……あっ、あふっ……」

「ねぇ、お姉ちゃん……気持ち、いいの?」

「あっ……し、知らないっ……そんなこと聞く、マー君なんて嫌いになっちゃうんだからぁ……」

「でも、僕の手でおっぱい触られるの、気持ちいいんだよね? ね?」

「あぅっ……ん、ふぁ……あっ、あっ、んんっ……ふぅっ……」

 子供がお気に入りの玩具で手遊びするみたく、マー君はグラジナの胸を弄び続ける。
 グラジナはマー君に翻弄されっぱなし。奇麗な眉をキュッと寄せて、小さく早い吐息を吐くばかり。ちょっぴり尖った長い耳は先端まで真っ赤に染まっちゃってる。

 あー、あたしヤバイわ。
 “お姉さん”って雰囲気バリバリだったグラジナが、いつの間にかすっごく甘えた顔して可愛いったらない。

 ……ちゅっ、ちゅぴっ……れるぅっ

「ひゃあぁんっ! あっ、妙子ちゃんダメ! 耳舐めないでぇっ……」

 気付いたら、あたしは目の前をヒクヒク動いてたグラジナの耳を舐めていた。
 人間のソレよりずっと長い耳がマー君の指の動きに合わせてヒクンと跳ねてたのは覚えてるんだけど、どうして舐めちゃったんだろ?

 なんて、自分自身の行動に疑問を持ちつつも、舐める舌は止まらない。
 耳の根元に軽く口付けて、そのままべろ〜っと先端まで舐め上げる。

「あっ、あふぅ……う、ふぅ……だめっ、胸も耳もだめぇ……」

「いいなぁ……僕もお姉ちゃんの耳、舐めたい……」

「だめぇ〜、ぺろっ……耳はあたしのものなのっ。
 マー君にはおっぱいがあるじゃない。摘まむだけじゃなくって、抓ったり、引っ張ったり、いろいろすることあるでしょうが」

 あたしはそう言ってまた耳に舌を這わせる。
 んで、そのまま耳を飲み込むみたいに先から口に含んだり。
 根元から先までたっぷり時間をかけてしゃぶり尽くす。唇で耳のコリコリした感触を味わいながら、口の中じゃ舌で耳の窪んだ所をべろべろ舐めてあげた。

 あっ、これってちょっとフェラっぽくない?
 男の人のとじゃ太さが全然違うけど、今あたしのやってることって、まんまフェラじゃん。

「んっ、あふっ……耳、くすぐったい。……あふっ、あぁあ、あぅっ……マー君、いやぁ!」

 あたしの口から逃げようとイヤイヤするグラジナが急に顎を大きく仰け反らした。
 よく見ると、マー君の手の動きがすっごいことになっていたのだ。

「んっ、抓らないでぇっ……ぁうっ、あ、あアアッ! 引っ張っちゃヤァ……あふぅ、んっ」

「凄い、お姉ちゃん、えっちだよぉ……おっぱいの先っちょ、こりこりだよぉ……」

 ぷにぷにのちっちゃな指が、グラジナの豊満な胸を好きなようにしている。
 乳首をボリュームを回すように捻ったかと思うと、指先で“おはじき”をする時みたく弾いたり。いつそんな技覚えたの?って位に乳首を玩具にしちゃっていた。

「やぁ、やめてぇ……お姉ちゃんのおっぱいで遊ばないでっ! あふっ、ぅあ……あ、あんっ……あふっ! 引っ張っちゃ、イヤッ!」

「うわぁ〜、おっぱいってこんなになっちゃうんだぁ……まん丸だったのに、三角になっちゃったよぉ……」

 乳首を摘ままれたまま、ぎゅう〜っと引っ張り上げられたグラジナの胸は、マー君の言う通りに歪められとってもエッチな形になってしまってる。
 マー君は引っ張るだけじゃ飽き足らず、先っぽを摘まんだまま、おっきな乳房をプルプルを揺さぶっていた。

「ちょっと、マー君。幾らなんでもやり過ぎでなくない? おんなのこの胸って敏感だから、もちっと優しくしてあげたら?」

「え〜。……でも、お姉ちゃん気持ち良さそうなんだもん」

 まあ、そうなんだけどさ……
 同じ女として、胸がこんなになってるのは見逃せないって言うか、なんか可哀相じゃん。

「お姉ちゃん……やめて、ほしい?」

 ……コクン。
 残念そうに尋ねるマー君に対し、グラジナは目の端に涙を浮かべながら小さく首を縦に振る。

 うわっ、メチャメチャ可愛いぞ。
 なんて言うんだろ? いじめたくなっちゃう顔っていうんだろうか。

 あたしのそんな想いとは別に、マー君は優しそうな顔して更に責めを加えようとしていた。もっとも、マー君にしてみれば責めるつもりなんて更々ないんだろうけど。
 パッと指を離してグラジナの胸を解放したかと思うと、

「お姉ちゃん……ごめんね。痛かった? ここ、痛かったんだよね」

「……うん」

「もうしないから、許してね…………あむっ」

 グラジナが、自分を気遣うマー君の言葉にほっとしたのもつかの間、さっきまで摘ままれ引っ張られていた胸の頂きに、マー君が吸い付いた。

「ふぁっ、ひゃあんっ! やっ、マー君止めなさい……お姉ちゃんのおっぱい吸っちゃだめぇ……」

「ちゅっ……ぺろぉ〜、ぺちゅぅ……吸ってなんかないよ、僕。
 お姉ちゃん、痛いって言ったから、舐めてあげてるの……あむっ」

 す、すごい成長。
 ほんの数分前まで、胸に触るのを躊躇していた子だとは思えない流れるような責めを見せるマー君。

 マー君のちっちゃなお口が、傍目に見てもコリコリに勃っちゃってる乳首をパクッと咥え込んでいる。スベスベのほっぺが時折膨らんだりするのは、お口の中でマー君の舌が縦横無尽に動き回ってるせいなんだろう。
 ぴちゃぴちゃと唾液の爆ぜる音がとってもエッチくさい。

「んむぅ、ぺろっ……あぁ、お姉ちゃんのおっぱい、おいしい……」

「そんなこと言っちゃだめよ……あっ、マ、マー君の舌……あ、あ、あぅ……あんっ」

 あ、あたしも負けてられない。

 敏感な胸から来る快感に見を竦めて耐えるグラジナ。そんな彼女のきゅっと引いてる顎を、あたしは指先でゆっくりと撫で上げる。加えて耳の稜線をちろちろと舐めるのも再開した。
 途端に跳ね上がる彼女の躰。

「ひあっ!! あ、あっ……あふっ、ん、んんンンッ……あんっ、ああぁっ!!」

「ぺろっ、ちゅぷっ、れろっ……うあぁ……お口の中でおっぱいの先っちょぷりぷりしてるぅ……あむっ、ちゅるっ……」

「んふ〜、耳もピクピク動いちゃって可愛いわよ〜……ぬちゅっ、じゅるるぅ〜」

「あふっ、あアアァッ!! ……も、もう、やだぁ……こんなのやだよぉ……」

「何言ってんの? あんた、エッチな悪魔なんでしょ? このくらい、いつもやってんでしょ?」

 そうよ、まったく。
 男の人とやらしいことするのが仕事のクセに、なにカマトトぶってんだか……

「れろっ……そうだよ。お姉ちゃんいつも言ってたもん。
 今日はおっぱいでしてあげたとか、キスするだけで精を全部吸い取っちゃえるとか……」

「んふっ……あっ、うあぁ…………だって、だってぇ……」

「だって何なのよぉ〜? 蕩けそうな顔してるくせに〜」

 グラジナが何を言おうと、あたしとマー君の責めは止まらない。
 ぷくっと膨らんだ乳首をマー君が舐めれば、真っ赤に染まったほっぺをあたしが擽る。

「だっ、だぁってぇ……だって、こんなことするのっ! あふっ……初めて、なんだもんッ!!」

 …………へ!?
 なに?
 初めて、って……何? うそ……

「……お姉ちゃんも……したことないの?」

 あたしだけでなくマー君も『嘘でしょ?』って表情で呆気に取られていた。
 マー君にとっちゃグラジナは経験豊富な姉だったんだろう。信じられない気持ちでいっぱいのはず。ポカーンとした顔を見れば、そう思ってたんだと簡単に予想がつく。

 ――ってことは。
 ここで二人して経験しちゃえばいいんじゃん!

 おおう、またまた閃いてしまったわ。
 なんてゆーか、完璧じゃん。……って結局することは最初に閃いたのは同じだ。

「んじゃ、二人で経験しちゃいなさい! ここで! 今すぐに!」

 ぽけっとしたままのマー君と、グスンと涙ぐむグラジナに言ってやった。

 んふふ、二人ってば幸せ者っ、このこのぉ〜っ。
 マー君はこんなエッチな体のお姉ちゃんとエッチできるし、グラジナはこんなに可愛い少年と初エッチだなんて、これを幸せと言わずして何を幸せと言うの!?

「……やぁ。もう、やだっ、帰るぅ〜。帰るのぉ……」

 あらっ!? なんてこと言い出すのよ、この姉は?
 あたしの胸に背中を預けて、首だけ左右に振ってイヤイヤする姿は、まるで小さな駄々ッコみたい。
 そんな甘えた声で言っても無駄なんだから。つーか、その声があたしに苛めて欲しそうに聞こえるんだって。

「ねぇ、まーくん。帰ろ、もう帰ろうよ……」

 おっぱい丸出しで、とろとろに蕩けちゃったような顔して、よくそんなことが言えるわね。
 乳首もさっきからずっと勃ったまんまだっていうのにさ。

 なんか腹立ってきたわ……
 お仕置き代わりにおっきなおっぱいを掴んで、ぎゅう!

「あアアァァァーーッ!! い、痛い、痛いですぅ……」

 ジュースの缶を持つみたいに握ると、手のひらに納まり切らずに余った乳房があたしの指の先にプクッと飛び出る。めちゃくちゃ大きくて、めちゃくちゃ柔らかいこの胸だからこそ、こんなになっちゃうのね。
 しかも肌に張りがあるから、ぷっくり飛び出たおっぱいが今にも弾けちゃいそうになってる。その真ん中には朱みを増した乳首が、痛そうなくらいに尖っている。

「んンンっ……痛い……やだよぅ。妙子さん、お願いだから止めてぇ……」

「ふふ〜ん、どうしよっかなぁ〜。
 ねぇ、マー君。どうしたら良いと思う?」

「えっ!? ……ぼく、僕は……」

 んふふ〜、ヤバイ。
 なんかすっごい楽しくなってきた。
 エッチなことして苛めるのって、こんなに良いもんだとは思わなかったわ。

「マー君はどうするのかなぁ?
 あはっ、その手は何? どこを隠してるのかなぁ〜?」

 マー君は両腕を太股で挟み込むようにして、あそこを隠してる。
 たぶん、と言うか、間違いなくマー君のハーフパンツの下では、可愛らしいオチンチンが固ぁくなっちゃてるんだろう。
 姉のオンナの部分に反応してしまったことを、恥じるようにもじもじするマー君。……もう、なんて言えばいいんだろう? 食べちゃいくらい可愛いってのが本当ピッタリって感じだわ。

「どうしよっかぁ〜。
 う〜ん、オチンチンがムズムズして溜まらないんでしょう?」

「あふっ、あ、ダメ……マー君それだけはダメ。お願い、許して……」

「ぼ、僕……ぼく、ぼく……おちんちん……おねえちゃぁん」

 マー君は、もうその気になっちゃったみたい。
 くりくりっとした瞳が熱っぽく潤んでいて、モジモジと膝を擦り合わせ続けている。

「ほらぁ、マー君はヤル気満々だよぉ〜。お姉ちゃんは、どうするのかなぁ〜?」

「……そんなこと、言われてもぉ、ふぁっ……摘まんじゃやだ……」

 もう、何でその気にならないのよっ!
 こんななんじゃ、いつまで経っても埒が開かないじゃない。
 乳首はビンビンに勃っていて、胸もこんなに張りが増してるって言うのに。顔どころか全身真っ赤にして、めちゃくちゃ興奮してるはずなのに。

 ――もういいや、こうなったら強行手段よ。

 あたしはグラジナの背中に張り付いたまま、彼女の両膝の後に手を回し、拒むようにぴったり閉じている膝を開かせようと力を込める。マー君とあたしの手によって解れ切ったグラジナの体は、抵抗の欠片もなく簡単に開いてしまった。

「お姉ちゃん……えっちだよぉ……」

 言って、マー君はゴクリと唾を飲み込み、ゆっくりと、おぼつかない足取りで、グラジナへと向かってくる。
 くりっとした幼なかった瞳が、オンナの匂いを嗅ぎつけたオトコのものになっていた。――ううん、違う。あれは、雌に襲いかかろうとする雄の目だ……

 マー君はもどかしそうにハーフパンツを脱ぎ捨てると、さっきまで恥ずかしそうに隠していた股間が露にした。

 うわっ、かわいいっ!
 ちっちゃくって……なんて言うか、肌色じゃないの。
 まだ皮かぶっちゃったままなんだぁ〜……へへっ、何か剥いてあげたくなっちゃうわ。

「マー君早く来て。お姉ちゃんがお待ちかねだよぉ。
 そそ、そのままお姉ちゃんのパンツ下ろしちゃえ――って、これは下ろさなくっても大丈夫そうね」

 もちろんパンツ脱がないと出来ないわけだけど、グラジナの履いてるモノがモノだけに、脱がさなくってもいけそう。
 なんて言ったらいいのか、グラジナの服装にはかなりボンデージ入ってるらしく、少しばかりの面積しかないビキニの真ん中にはチャックみたいなのが付いてて、それが前から後までずっと繋がってるのだ。つまりチャックを全部開いちゃうと、何もかも丸見えになっちゃうって寸法。
 何一つこういうことの経験がないとか言っといて、格好だけは一人前なんだから。

「……だめ、ソコ開けちゃダメ……」

 虚しく紡ぎ出される抵抗の言葉。
 そんなものがマー君に届くはずもない。
 グラジナの怯える視線の先で、徐々にマー君の手が近付く。

 あたしの胸にぴったりくっついたグラジナの背中から、熱っぽい鼓動が伝わってくる。

 小さな震える指が、ビキニの中央にあるシルバーの金具に、触れた。

「だめ、よ……」

 一呼吸置いて、マー君の手がそろりと降り始める。

 ――チチッ……チ、チ、チ、チッ……チチチチチッ

「ふふっ、見えてきたよぉ〜。グラジナのアソコの毛……ふ〜ん、けっこう濃いんだぁ〜」

「はぁ……はぁ……お、おねえちゃん……」

 真っ黒な皮のビキニが、裂けるように開いていく。
 隙間から彼女の性毛が銀色の金具に縁取られて現れると、マー君の手がだんだんと早くなってきた。

 マー君ってば、鼻息荒くしちゃって、まあ。
 そんなに焦らなくったって、グラジナは逃げやしないって……

「お、お姉ちゃん! 僕、もうっ!」

 ――チチッ、チッ、ジーーーッッ!!

 あ〜、一気に開けちゃった。
 こういうのは焦らして、ナンボなのに……
 とは言え、焦らさなくてもグラジナはおもいっきり興奮しちゃってるから、別にいいんだど。

「……ぁ、あぁ……、見ないでぇ……」

 見るなと言ったところで、今のマー君には無理な話。発情しきった瞳でグラジナのそこを穴が開くほど見つめている。
 初めて見るオンナのソコに、今にもむしゃぶりついてしまいそうな勢いだ。

 ぎゅっと目を閉じ、マー君の視線に耐えるグラジナ。
 きつく瞑った瞼の端には羞恥の涙が零れていた。

 マー君にアソコ見られるの、泣いちゃうほど恥ずかしいんだ。
 ――って、んなコトより、グラジナのアソコ、すっごく濡れてない!?

 真横にあるグラジナの横顔とマー君の動きに気を取られて、今まで気付かなかったけど、パックリ開いたビキニの下では、蛍光灯の灯かりに照らされキラリと光るものが……
 カーペットの上で煌くソレは、間違いなくグラジナの愛液だ。
 彼女にはそのことが分かってるんだろう。だからこその涙だと思う。

 その涙がダメね。だって、この状況じゃ苛めたくなるだけだっつーの。

「ほ〜ら、マー君。これが、お姉ちゃんのおまんこですよ〜
 見てるだけじゃもったいないわ。触ったり、弄ったり、舐めたり、色々しなきゃ」

「でも……僕、ぼく……」

「ん、どしたの?」

「僕、ぼく、もう我慢できない……。お姉ちゃんとしたい……」

 グラジナはハッと身を固くする。頑なに閉じられていた瞳が大きく見開かれ、真紅の瞳が揺れていた。
 たぶん、マー君の剥き出しのオチンチンに怯えているんだろう。ちっちゃくて男臭さの欠片ないオチンチンだけど、でもそれはオトコの器官には違いないのだから。

「だめっ! マー君、それだけはしちゃダメなの!」

「でも! 僕、我慢できないよッ!!」

「きゃっ! イヤ、やめてぇ……」

 ずっとモジモジしっぱなしだったマー君が、大きな声で叫ぶのと同時に、グラジナに飛びかかった。

 ――マー君もやっぱりオトコなんだぁ……

 なんだか少し感心してしまった。
 だって、マー君がこんなに力強く行動を起こしたのはこれが初めてなんだもん。グラジナの胸に吸いついた時に、ちょっぴりだけど強引なところを見せてはいたんだけど、それは甘えるのがエスカレートしたって感じだったし。

「はぁ、はぁ……お姉ちゃん、やわらかいよぉ……」

 マー君はちっちゃなオチンチンを支え持って、目の前にあるオンナの割れ目にくにゅくにゅと擦りつけてる。先っちょからほんの少しだけ顔を覗かせてる亀頭が、トロリと蜜が絡んだグラジナの襞を割るように上下していた。

「ん、んんぁ……やぁ……まー君のオチンチン、当たってるぅ……」

「お姉ちゃんのおまんこ、すごく柔らかくって……むにむにしてる……うっ、気持ち良いよぉ……」

 あ〜、なんかすっごい……

 なんて言うか、マー君ってばエッチのやり方がいまいち分かってなさそうなんだけど、だからなのか手の動きが純粋に自分が気持ちよくなるために動いてるって感じ。
 自分本意って意味じゃエッチを覚えたてのオトコと一緒なんだけど、マー君の方が余計な知識がない分、すっごく無邪気で、すっごく本能的で、すっごくいやらしい。

 でも、やらしいんだけど、めちゃくちゃ可愛い〜。
 あ〜、こんなの見せられちゃうとたまんないわ。

「んあぁ……、ひゃんっ! マー君、そこ触っちゃダメ。そこ一番感じちゃうところなのっ!」

「ここ? お姉ちゃん、ここがいいの? ……このポチッてしたところ、気持ち良いの?
 うっ、あぁぁ……僕も気持ちいい。お姉ちゃんのポチッてしたところ……コリコリして僕も気持ちいい……」

「いやぁっ、あ、あ、あアアッ……だ、だめって言ってるのにぃ……ふぁんっ……」

 マー君にはエッチの才能があるみたい。
 偶々なのか、本能で察したのか、グラジナのクリトリスを見付けだし、反応が良いとみると、執拗に責めだした。

 パッと見じゃ、マー君がグラジナの足元で一人エッチしてるようにも見えなくもない。
 いや、あたし実際見たことあるわけじゃないからよく分かんないけど、男の子のオナニーって自分で扱くんでしょ? そう言う感じにマー君の手が素早く上下してるの。

「うぁ……お姉ちゃんのおまんこ、僕のおちんちんにチュッてキスするみたいに吸いついて……あっ、あ……お姉ちゃんも、僕のおちんちん好きになってくれたんだね? あっ、いい……」

「違う……うっ、違うのぉ……そんなんじゃないからぁ……あ、ひゃあっ!」

「何、言ってんの?
 乳首もたったまんまだし、涎零しちゃうほど、オチンチンが気持ち良いくせに、素直になんなさいって」

 ぼーっと見てるだけじゃツマラナイから、乳首をきゅっと摘まんでマー君に加勢してあげた。
 手のひらに、汗ばんだうえにすっごく熱いグラジナの肌がピタッと吸いつく。

 あ〜あ、こんなになるまで発情しちゃって……
 ホントは今すぐにでも、マー君のオチンチンを挿れて欲しいって体が求めちゃってるのがよく分かる。

「ひゃ、あ、あアアアァァッ!! だめ、それしちゃダメ!」

 おおっ!
 なんかすごい反応……どうしたんだろ?

 あたしが疑問に思っていると、意外にもマー君がその答えを言ってくれた。

「んぅ……お姉ちゃんのポチッてしたとこ、なんかぺろっと捲れちゃったよぅ……
 あっ、中にあるのがコリっとしてるっ……ここに擦りつけてぇ……ああっ、いいよぉ……」

 ってことらしい。
 マー君がオチンチンを擦りつけまくったおかげで、グラジナのクリトリスを覆っているフードを捲り上げてしまったんだろう。

 グラジナの躰が、ガクン、ガクン、と震え続ける。
 敏感なクリへの執拗な愛撫を受け止め切れずに、躰が勝手に反応してしまっている。

 こうなるとどうにもならなくなっちゃうのよねぇ……あたしもそうだもん。
 後はイッちゃうまで、ワケ分かんないまま。
 グラジナもそうなんだろう。しかも彼女にとって初めての経験だから、ホントにどうしていいか分からないはず。

「あ、あ、ぅあっ……んふぅッ! んあアアッ、あっ、あっ……もうっ、もうヤメテッ! 死んじゃうっ……そんなにしたら死んじゃうっ!」

「あっ、ぼくもっ……ぼくも、気持ち良すぎて死んじゃいそうだよぅ!
 う、んん……ほんとに、気持ちいい……おちんちん、くにゅくにゅ擦れてっ……良すぎるぅ」

 二人して死んじゃってどうすんのよ……それに、悪魔って死ぬものなの?
 まぁ、そんなことはどうでもいいんだけど。

 それにしても、マー君もグラジナも凄い乱れようだわ。
 グラジナはガクンガクン顎を仰け反らして感じまくってるし、マー君は一心不乱にオチンチンを擦り続けてる。

 ちっちゃなオチンチンを握り締めて恍惚とした表情で姉のオンナの部分を責めるマー君。
 その動きが激しくなるにつれ、プルプルっと背筋を震わせ始めた。
 ――もうすぐイッちゃうんだ。

「マー君、気持ちイイ? ねぇ、イッちゃいそう?
 お姉ちゃんの中に入んないままイッちゃうのはもったいないよぉ〜」

「でもぉ、でもぉ……
 うふっ……気持ちいんだもん。やめられないよぉ……」

 ああ、幼いオチンチンを握ったまま、涙目でこっち見ないでよぉ……めちゃくちゃ可愛くって、あたし、どうにかなっちゃいそ。

「あ、あふっ……うんンンッ!! だめ、何かっ、なんか来ちゃう……マー君がいっぱい擦るから、なんか来ちゃうっ!!」

 あ〜あ〜、グラジナもイッちゃいそう。

「ん、んんンンンッ!! おちんちん、凄い……なんか出そうッ!! ぼくぅ……出ちゃうよォッッ!!」

「だめ、だめぇ……出しちゃダメだからねっ。
 マー君、そっ……あっ、ああ、そんなことしちゃダメッ!! いやぁっ、ああ、あアアアッ!! あぁぁぁアアアァァーーーッ!!」

「んっ!! あっ! 出るぅッ……出ちゃうぅぅぅゥゥゥーーーッ!!!」

 ぶびゅびゅぅぅぅぅぅっっっ!!! びゅるるるるぅぅっ!! びゅぶぅぅぅ!! びゅるぅぅぅーーっ! びゅるるるぅぅぅ……びゅぶぅぅぅぅーーーーっ! びゅるるるぅぅぅぅぅ……

 うわっ!!
 何、コレッ?!
 すっごい量、まだ止まんない……

 マー君は後にひっくり返っちゃうんじゃないかと思うくらい仰け反りながら、ドロドロの精液を噴水みたいに吹き出させて、イッてしまった。

 ホントにビックリしちゃうほどのザーメンの量。あたしが知ってる量とは桁が違うわ。
 なんて言うか、バケツをひっくり返したような量?

 とにかく、とんでもないザーメンの量で、ぶちまけられた粘液でグラジナの躰が真っ白になってしまった。
 いや、大げさでも何でもないんだってば。グラジナのおっきな胸は言うに及ばず、スベスベのお腹も、こんもりとしたアソコの毛も、それに顔までドロドロになっちゃてんだから。

「う、うぅ……すごぉい、おちんちん、メチャクチャ気持ちいい……」

 小学生みたいな可愛い顔で、うっとりと快楽の余韻に浸ってるマー君だけど、このザーメンのを出しちゃったのかと思うと、やっぱり人間じゃないんだって思える。

「ぁう……マー君に射精されちゃった……はふぅ」

 グラジナは瞳をとろんとさせ、すっごく甘ったるい息を吐いた。
 時折ピクンとひくつくように痙攣している。まだまだイッたときの感覚が体中を支配しているんだろう。
 ――それにしてもたっぷり射精されちゃって、まあ。
 顔中ドロドロになってるグラジナが、呼吸する度にマー君の濃ゆいザーメンがとろりと口の中に落ちていってる。

「あぁ……あ、お姉ちゃん、僕の出したので真っ白だ……なんかとてもエッチだぁ……」

「……マー君がそうしたんじゃない。
 あふっ……こんなにいっぱい射精しちゃって、こんなのダメなのにぃ……」

 なんてグラジナは言ってるけど、その表情はすっごく満足そう。
 案外、マー君に射精されるのが気に入ったのかもしれないわ、こりゃ。




 マー君とグラジナはうっとりと目を細めて、絶頂の瞬間の体勢のままで息を整えている。もちろんマー君の精液もそのまま。

「お姉ちゃん……ごめんね。
 僕、気持ち良くって……止められなかったんだよぅ……」

「……んふ、バカ。
 こんなに射精しておいて……お姉ちゃん、許さないからね……」

「ごめんね……」

 なんかよく分かんないけど、二人はイイ感じに見詰め合っちゃってる……
 謝ってるマー君も、彼を責めてるグラジナも、口調はすっごく柔らかい。なんて言うか、イタズラした無邪気な弟と、それを怒る姉って感じ。グラジナなんか「もう、しょうがないわね」って表情を見せてる。

 もう! 挿れてもないのに、何満足しきってるの!?
 ここまでしたんだから、二人ともガーッと行っちゃいなさいよ。

「ねぇ、マー君。お姉ちゃんとしちゃわないの?
 ここまでしたんだから、最後まで行っちゃわないと損だよ〜」

「えっ? ……でも、だって僕……」

「何、言ってるの!
 こんだけタップリ射精したのに、今でもオチンチンは元気なくせに。
 ほらほら、その精液まみれのオチンチン、お姉ちゃんのオマンコに挿れちゃいなさいよぉ」

 そうなのだ。
 グラジナの肌を、全身パックするみたいに覆い尽すまで射精したのに、マー君のオチンチンは真っ直ぐ上を向いてカッチカチに勃ったまんま。
 中出しされたら、絶対お腹が破けちゃうに違いないほどの精液ってのも驚くけど、そんだけ射精しても勃起したままのオチンチンってのもスゴイ。

「ヤダッ!! ダメ、もう……もう、いいでしょう……? もう、私達を帰らさせてぇッ!」

「ああっ! うっさい!!
 あたしの貴重な勉強時間を奪っといて、こんなので許すわけにはいかないのッ!!」

 グチャグチャとうるさいグラジナを羽交い締めにして、無理矢理体を押さえ付ける。
 自分でもめちゃくちゃ言ってるのは分かってるけど、どうでもいいわ。こうなったら絶対に最後までしてもらうんだから。

「マー君! そのオチンチンを、いますぐここに挿れなさい!!」

「えっ!? でも……お姉ちゃん、嫌がってるし……」

「四の五の言わないのッ!
 ホントはお姉ちゃんも、マー君としたいって、思ってんだから」

「そうなの……?」

 マー君はグラジナの様子を伺ってる。自分が出した白い樹液がトロリとかかってるグラジナのオマンコと顔を交互に眺めながら。

 うふふ、またマー君の目がオトコの目に戻ってきたわ……

 濃ゆいのをたっぷりと出した余韻にトロンとなってた目があたしの言葉に反応し、ギラギラとした雌を求めるものに変わった。
 サッとグラジナの体が強張る。だけど、あたしに拘束された彼女は身動き一つ取れない。

「…………お姉ちゃん」

「早くしなさいよぅ」

「…………」

「このオマンコとろとろになってて気持ちいいわよぅ〜。
 オマンコの中は、さっきみたいに擦ったりするより、ずっと気持ちいいんだから」

「……うっ」

「さぁ、マー君ッ! 挿れちゃいなさい!!」

「……お、お姉ちゃんッ!!」

 バッと飛びかかるように、マー君がグラジナの脚の間に割り込んだ。
 ツルッとしたオチンチンの先っぽが、柔らかそうなグラジナの襞の隙間に埋められた。

「マー君! マーく……ぅあ、あ……ああぁぁぁぁっっ!!!」

 ググッとマー君の腰がせり出す。
 そんなに長くないオチンチンが、ゆっくりと力強く入っていく。

「あぅっ……あ、あったかぁい。お姉ちゃんの中、とってもあったかいよぅ……」

 マー君は、初めての挿入に目を閉じ、ぷるぷるっと身を震わせた。
 合わせてグラジナも、ぴくぴくっ、と震える。

 う〜ん、いくらマー君みたいにちっちゃなオチンチンでも、初めてオトコを受け入れるのっていたいのかな?
 ――なんて思ってたんだけど……

「あっ、マー君、だめぇ……お姉ちゃんの中を擦らないでっ! あっ、あ、ああ……いやぁ、感じちゃう……」

 グラジナは気持ち良さげに眉根を寄せて、可愛く身悶えた。

 あたしが初めての時なんて、すっごく痛くって、血もいっぱい出ちゃったってのに。
 グラジナは最初っから、こんなにめちゃくちゃ感じまくって……なんか腹立つわ。

「なによぉ……なんだかんだ言いながら、えらく感じまくってんじゃない。
 あんたもしたくって溜まらなかったんでしょ? こんなにエッチな肉体してんだもん、そりゃそうよねぇ」

「ち、違うのぉ……あ、ふぁっ! やぁ……あぅ、マー君そんなに動いちゃ、イヤァ……んンンッ、胸も舐めないでぇ……」

 マー君はグラジナの腰にギュッとしがみ付き、可愛いお尻を健気に上下させ続ける。姉の胸に顔を埋めて抱きつく姿は甘える弟そのものだけど、洩れる声がすごくイヤらしい。
 グラジナの胸が、マー君の可愛い顔でグリグリと弄られてる。ぽよんぽよんの大きな乳房が左右に揺れると、マー君の唾液の跡がチラリと見えた。

「き、気持ちイイッ! あっ、んぅっ……さっきよりずっと気持ちいい……
 お姉ちゃんが、ぼくのおちんちん、ギュゥって抑えてるぅ……お姉ちゃんも、ぼくのおちんちんに悦んでるよぅっ……」

「そんなの言っちゃだめぇ……お姉ちゃん、おかしくなっちゃうっ! マー君のオチンチンのせいで、おかしくなっちゃうっ……」

 んふぅ〜、ようやくグラジナもその気になったわ。
 この調子でどんどんいってみよっか〜。

「マー君がこんなに一生懸命あんたを気持ち良くしてくれてんだから、協力しなさいよっ」

「あうっ、耳はダメェッ!! うぅ……ふぁ、舌入れないでぇ……」

「あっ!? お姉ちゃんの中、また、ギュッてなった! ぼくのおちんちん、ぎゅぅって、ぎゅうってされてるゥッ!!」

 あたしがグラジナの耳に舌を差し込んだ瞬間、マー君が気持ち良さそうな声を上げた。グラジナの腰を鯖折るように抱き締めながら小さな腰を押しつけて、襲い来る快感に震えながら耐えている。
 二人とも、マー君のぶちまけた真っ白な粘液に塗れながら、淫らに躰をくねらせ続ける。

「ぅうん、すごぃ……マー君、マー君ッ!!」

「おねえちゃぁんっ! おねえちゃぁんっ! うっ、あうっ……」

 互いの腰をぶつけるようにエッチな動きで擦り合う二人。その動きのせいで、グラジナを抑え付けるために伸ばしていたあたしの手が離れてしまった。

 ま、今更抑える必要はないけどね。
 だって、グラジナもマー君に合わせて腰を振りまくってんだから。

 あたしは空いた手で、グラジナの肉体を弄った。大きな胸はもちろん、舐めてベトベトになった耳や、涎を零しちゃってる口の中まで指を這わせる。

「あぅ……ふぁ……あ。ああぁぁっ……う、んんンンンーーーッ!!」

「おねぇちゃん……僕、ぼくぅ……また、出ちゃいそぅッ! さっきみたいに、あっ……エッチなの、いっぱい出ちゃうぅぅーーっ!!」

「うんっ、射精してぇ。マー君の精液、お姉ちゃんのお腹にいっぱい出してェッ!! あっ、あんっ……お姉ちゃんのアソコ、溢れるくらいっ、いっぱいだしてっ!!」

 あーあー、エッチなこと言っちゃって。
 さっきまで、あんなに拒んでたって言うのに、今のグラジナはとんでもないことを平気で言っちゃえるようになってる。
 でも、女のあたしでも変になっちゃいそうなくらいにイヤらしいグラジナ。

「あンッ……あ、あ、うあっ……は、あうっ、マーくんっ! マーく、うむぅっ!! あむっ……ちゅるぅ……れるっ、あむぅ……」

 ヤバイ。
 あたしもおかしくなっちゃったみたい……
 いつの間にか、あたしはグラジナにキスをしていた。

 頬擦りしながら喘ぐ彼女の唇を貪る。
 マー君の精液や、彼女の涎や涙が、あたしの顔に付いてくるけど関係ない。――ううん、それが気持ちいい。
 いつもの彼とするキスより、ずっとねちっこいキス。
 唇を舐め合うだけで、躰の芯からぼぅっと熱が湧き出してくる。

 あたしがそんな変な気持ちになっちゃってる時も、マー君の動きはどんどん激しさを増していく。互いに嬌声を発しながら、エッチな部分をぶちゅぶちゅと擦りつけ合う二人。
 グラジナの長い脚がマー君の腰を絡め、マー君の手はグラジナの胸を鷲掴む。

「あっ、やぁ……ぼく、射精るぅ……。僕のおちんちん、エッチな液、出そうとしてるぅッ!! あ、ふぁ……あ、お姉ちゃんのおまんこも、ひゅくひゅく動いてっ……んっ、んふぅ……ぼくのおちんちんから吸い取ろうとしてるぅーーッ!!」

「ん、んふぅっ……ん、んんンンーーッ! あふっ、あ、やぁ……は、うんっ、ダメェッ!! わたし、だめっ! ま、また変になるっ!! マー君のおちんちんのせいで、変になるゥッ……あ、あ、ああぁぁァァァッ、もうっ、だめぇぇぇーーーっっっ!!」

 びゅぶぶりゅゅぅぅーーーーっっ!! ぶびゅぶぅぅぅーー−っ!! びゅぶぶぶぅぅぅっ!! びゅるるぅぅぅ……びゅぶぅぅ…………びゅるるるぅぅぅぅぅ……

 オチンチンをグッと押し込んだまま、マー君が爆ぜた。
 一度目のより長い射精に、見る見るうちにグラジナの下腹部が膨らんで行く。
 そりゃそうだ。さっきだって、あんなにたっぷり出したんだもん。今だって相当な量のザーメンが、グラジナのオマンコに入っちゃってるはず。

 ――お腹が破けちゃったりしないでしょうねぇ。

「ん、んンンフぅ……うぁ……お姉ちゃんの中に出ちゃったぁ……」

 グラジナのお腹がとんでもないことになってるって言うのに、マー君はとっても満足そうな顔で快感に打ち震えている。

 グラジナの胸を握った指が快感の余韻でピクピクと動いているのが、なんていうか可愛い……

「あぅっ、あ、あぁ……マー君、射精しすぎだよぉ……あ、あぁぁ……
 おねえちゃんのお腹、マー君のでいっぱいになって……あぅ、あ、気持ちいい……」

 ポコッとこぶし大に膨らんだ下腹部を摩りながら、うっとりと気持ち良さそうな声を上げるグラジナ。
 彼女は痛がる素振り見せないので、あたしは一安心。
 良かったぁ〜。一瞬、死んじゃうんじゃないかと思ったんだもん。

「マー君……どうだった? 気持ち良かった?」

「……うん。すごいよぅ……ぼく、お姉ちゃんの中がこんなに気持ち良いとは思ってもみなかったよぉ」

 ホントに嬉しそうな顔のマー君に、あたしは大満足。
 苦労してエッチまでこぎつけた甲斐もあったというもんね。

 しっかし、まあ、マー君の可愛さと言ったらとんでもない破壊力だわ。
 あたしったら我慢し切れず、マー君の唇を奪った。

「ん、んむぅ……」

 瞬間ビックリしたようなマー君だったけど、すぐに目を閉じてあたしのキスを受け入れた。
 ぷにぷにの唇をたっぷり舐って、小さな口の中に舌を差し込む。

 うわっ、舌までちっちゃいよぅ〜。

「あむぅ……ちゅぷっ、ちゅるぅ、ぺちゅっ……あぅ、妙子お姉ちゃぁん……」

 あぁ……マー君の唾液、すっごく甘い……
 なんて言うんだろ? 蕩けちゃいそうなキスっていうのが、ホントにあるんだって思えるキスだ。
 こんな気持ちいいキスは初めて……

「ああん、ダメェ……マー君とキスしちゃだめっ……」

 グラジナの言葉にヤキモチみたいなのが混じってる。
 それが姉としてのものなのか、オンナとしてのもなのか、あたしには分からない。
 ――いや、ホントは分かってる。これはオンナの独占欲だ。

「なによ? マー君はあんたのものだって言いたいワケ!? 違うよねぇ〜、マー君?」

「あのっ……ぼ、ぼくは……」

「マー君は、あたしとだってキスもしたいし、エッチだってしたいよねぇ?」

「……う、うん」

 マー君はモジモジっとしながらも、コクンと頷いた。
 自分でも、どうしてそう言ったのか分からない。
 たぶん、あたしのオンナの部分が、グラジナへの対抗心を燃やしちゃったんだろう。
 もしかしたら、マー君とのキスのせいかもしれない。だって、キスしてから胸がドキドキしちゃって止まらないんだもん。

「どうしよっか? あたしともエッチしてみる?」

「……マー君とそんなことしないで」

「お姉ちゃんはこんなこと言ってるけど、どうする?」

 あたしとグラジナの二人の言葉の間で、マー君の気持ちが揺れ動いているのが分かる。

「ぼ、ぼくは…………したいっ!
 妙子お姉ちゃんともエッチしたいっ!! 妙子お姉ちゃんのなかにもいっぱい出したいよォッ!!」

 グラジナの中からズルッとオチンチンを抜き出して、マー君は叫んだ。
 瞬間、グラジナのアソコからマー君の精液がブビュッと飛び出す。まるでオトコのモノみたいに精液を吹き出す感覚に、グラジナは震えていた……



「じゃあ、マー君。そこに寝転んで……そうそう。
 ……んふぅ、マー君のオチンチンったら、二回も射精しちゃったのに、こんなに元気」

 マー君がコロンと寝そべった所に、あたしはゆっくりと跨っていった。
 あたしは、もう服を全部脱いじゃって、胸もアソコも何もかもを曝け出していた。脱いじゃうまで気付かなかったけど、あたしの太股には透明な恥ずかしいお汁が流れ出してしまっている。

 マー君とキスしてからというもの、あたしの体はどうにかなっちゃたみたいだ。
 心臓はバクバクしっぱなしだし、お腹の奥が普通じゃないほどジンジンしちゃっている……

「あぅ……妙子お姉ちゃんの体、きれいだよぅ……」

 嬉しいこと言ってくれるじゃない。
 グラジナと比べると、あたしの体は少し子供っぽいけど、マー君にそう言われると、そんな劣等感はどうでもよくなっちゃう。

 あたしとマー君を余所に、グラジナはイッちゃったまんまの姿でマー君の隣に寝転がってる。
 ふぅふぅと熱っぽい息を吐き出しながら、虚ろな瞳であたし達の様子を眺めるだけで、さっきみたいに邪魔しようとはしてこない。
 考えてみれば、ココに来たのだって、マー君とあたしをエッチさせるのが目的だったんだし、邪魔するなんておかしいもんね。

「んふ〜、それじゃ、挿れちゃうね……
 あっ、マー君、オチンチン上に向けてて…………あ、んぅ……んふぅ……」

 マー君が支えるように両手で持ったちっちゃなオチンチンに、ゆっくりあたしは近付いてく。
 アソコを自分で開く、なんていう恥ずかしい格好に顔から火が出ちゃいそうな気分。けれど、いつの間にかヌルヌルになっちゃってるあたしは、はやくマー君と繋がりたくってしょうがない。

「……あぁ、妙子お姉ちゃんの……僕からもよく見えるよぅ……
 うわぁ……とってもエッチだ。僕、僕の……早く挿れたいよォ!」

「ば、ばかぁ……そゆこと言わないの。ガツガツしたオトコは嫌われちゃうよ……あっ、ああん」

 オチンチンの先っちょがあたしに触れた瞬間、ゾクゾクッと背筋が痺れた。

 何!? どうなってんの?
 キスした時もそうだったけど、マー君に触れるだけで、あたしの体は異常なくらいに反応しちゃう……

「あ、妙子お姉ちゃぁん……僕、あっ……んンンーーッッ!」

「あ、ああぁァァッ!! マ、マーくぅんっ!」

 あたしがおかしな体の感覚に酔ってると、マー君は我慢しきれなくなったのか、細い腰を持ち上げてあたしの中に侵入してきた。

 スゴイ……こんなにちっちゃなオチンチンなのに、挿って来た時の充足感ったらメチャクチャだよっ。まるでペットボトルを挿入されたみたい。

「あっ、何コレッ!? マー君、あたしになにしたのぉ……」

 もう、ホントあたしどうしちゃったんだろう?
 変な体の感覚もそうだけど、そんな感覚に悦んじゃってるのもおかしいよ。勝手に体が動いちゃうってのは、今まで経験したことあるけど、自分の肉体が自分のモノじゃないような今の状態は初めて。
 そんな中でもマー君のオチンチンを呑みこんじゃおうと、あたしのアソコはウネウネと蠢いて、腰はゆっくりと降りて行く。

「……妙子ちゃん、体おかしいでしょう……?
 私達と交わった人間は、普通じゃいられなくなるんです……だから……」

「だから、だからこんなに感じちゃうのッ? あうっ……あ、イイ……マー君、いいよぉっ……」

 やっぱり、あたしおかしくなっちゃってたんだ……
 マー君とキスした時から、変になっちゃってたんだ……

 グラジナの説明に納得。
 彼女はアソコからマー君の精液を垂れ流しながら、あたしを心配するようにこちらを伺っている。

 やだ、そんなに見られると恥ずかしいじゃんかぁ……

 って、恥ずかしがっていても、あたしの体は勝手に動きまくってる。
 マー君のオチンチンの先っぽが、あたしの中の気持ちいい部分に当たるように腰がくねくね。マー君に負担を掛けないように膝立ちのまま、腰から下だけが別の生き物みたいに激しく動いちゃってる。

 うわぁ……すごい……あたし、自分の肉体がこんなにエッチに動けるなんて知らなかったよぉ。胸もヤらしく揺れちゃってるし……そりゃ、グラジナほどは大きくないけど、これでも友達の中じゃ結構大きい方なんだから。

「うぅ……うあ……おちんちん、イイよぉ……妙子お姉ちゃんのココ、なんかとってもプリプリしてて……オチンチンがプリプリするぅ……」

「マー君も、マー君もさっきみたいにズンッってしてぇ……ズンッて、あたしのオマンコ苛めてぇ……」

「うん、うんっ! 妙子お姉ちゃんのおまんこ、いっぱい、いっぱい、苛めるからねっ……ぼくのオチンチンで、いっぱいいじめちゃうんだぁっ……」

 ずぬんっ! ……ぶちゅちゅぅぅ……

 あっ、あ……マー君のが、なんか奥に当たったぁ……なんでぇ? 届くわけないのにぃ……
 うわっ、アレッ!? 何、コレェッ!! お腹、膨らんじゃってるッ!?

 マー君のが入って来た時からおかしいと思ってたんだ。だって、ペットボトルを挿れられたみたいな気がしたんだもん。
 オチンチンが入っているだろう部分が、棒状にボコッと膨らんでるってことは、マジでマー君のが大きくなっちゃったの!?

「マーくぅん……ど、どうして、オチンチン、こんなになってんのぉ〜? あ、あぅっ……あああぁぁぁっ……なんか、ゴリゴリ擦れちゃうくらいっ……ぅあっ、太くなっちゃってるぅ……」

 腰をちょっと前に動かしたたけで、オチンチンのくびれた部分があたしの中を削ちゃったような木がする。

「ああんっ……すご過ぎるぅ……あ、うぅ……ん、だめぇ、大きいよぉ〜」

「あっ、ホントだぁ……オチンチン、大きくなっちゃったぁ……すっごく大きくなっちゃったぁ……僕どうしちゃったのぉ……? お姉ちゃぁん……ぼく、どうしたらいいのぉ……」

 あたしもビックリしたけれど、マー君自身も自分の体の変化に戸惑ってる。オチンチンを激しく出し入れしながら、グラジナに助けを求めるマー君は泣きそうな顔になっていた。
 あたしとするまでは、大人の人差し指くらいの大きさだったモノが、いきなりペットボトルの大きさになっちゃったんだもん。
 そりゃ、誰だって驚くわ。

「お姉ちゃぁん……ぼく、変だよぅ。おちんちんは大きくなっちゃうし……んンンッ、腰も止まらないよぅ……」

「あ、大丈夫だから……心配しないでいいからぁ……
 マー君、インキュバスだから、女を悦ばせれるように、色んなことが出来ちゃうようになってるの」

「じゃ、じゃあこれは、おかしいことじゃないんだねっ?」

「うん、おかしくないの……マー君が一人前になった証拠だから……」

 グラジナが嬉しそうに微笑みながら、マー君にチュッとキスした。

 あ〜、なるほどね。すっかり忘れちゃいそうだったけど、マー君って人間じゃなかったんだよね。
 って、あんっ! そんなに突いちゃ壊れちゃうよぅ……

 嬉々としてオチンチンを突き上げ始めるマー君。さっきまでの倍くらいのスピードで、あたしのアソコに出入りしちゃってる。
 下腹部が、マー君の大きくなったオチンチンの形に膨らんだりへっこんだりする様は、グロテスクな感じがするけど、そんなになっちゃってるのを見てるだけでも興奮しちゃう。

「マー君、妙子ちゃんのアソコ、お姉ちゃんにしたみたいに、いっぱい苛めてあげて……
 さっき出したみたいに、マー君のエッチな精液をココにたっぷり出してあげてね」

 グラジナの手が、あたしのお腹に優しく触れる。まるでマー君のオチンチンの形を外側から確かめるような指の動き。
 その指がつつーっと上がって、お臍をクリクリ。またまた上がってきて乳首をキュッ。

「きゃぅ……あぁ……イイ、アソコも胸も、何もかも気持ちイイッ!!」

「んふっ、もっと感じて下さい……マー君が一人前になれたのは、貴方のおかげなんですから」

「妙子お姉ちゃんっ、気持ちいい? 僕のおちんちん、感じてくれてるゥ?」

「あっ、あんっ……ん、ふぁ……あ、あ、ああ、あっ……ひゃうんっ……ん、んンンンーーッッ」

 こんなのないよぉ〜……
 オチンチンと、二人の四つの手が、あたしの躰をメチャクチャにしていく。
 マー君のがずっぽり入っちゃってるところは、信じられないくらいに濡れちゃってるし。グチャグチャと音を立ててるそれは、もう愛液だかオシッコだか分かんない。

「あンッ! あっ、何!? いっぱい、いっぱいスゴイのぉっ……あたしのオマンコ、おかしくなっちゃったみたいっ……あ、ふぁああアアッ!!」

「いいよぉ……おちんちんの先っちょ、一番奥に、ゴツンッって当たって……気持ちいいっ!!」

「マー君、可愛い……もっと突いてあげて、描き回してあげて、妙子ちゃんの奥突き破っちゃうくらいにしてあげてっ」

 ばかぁ、なんてこと言うのよぉ〜。
 そんなのされたら、あたし死んじゃうでしょう……

 あ、あアアッ! ホントに入って来ちゃったッ!!

 マー君のオチンチンが子宮の入口をグーッと押しつけたかと思うと、そのままズプンッて感じに入って来ちゃった。
 お腹の中のあり得ない感覚に、あたしは体をキュッと縮めて耐える。
 けれど、マー君はそんなことお構いなし。あたしの子宮に入ったり出たりを、ズンズン繰り返してる。

「アッ……アッ!? スゴイッ!! 子宮まで届いちゃってるっ……オマンコ突き抜けてぇ……あうぅ……あっ、子宮の中まで犯されちゃってるっ!!」

「うんっ! うんっ! ぼく、妙子お姉ちゃんのお腹の中、犯してるッ……おまんこのずっと奥まで犯してるよォッ!!」

「ひゃ、あ、んンンッ! あぅっ……あ、犯されてるっ、ぶっといちんぽで犯されてるっ! ああぁあ……マー君みたいなちっちゃな男の子に、オマンコいっぱい犯されて……あ、あたしぃ、気持ち良くなってるぅ……だめぇ、イきそうッ!!」

 腰がガクンガクン震えちゃってる。マー君のオチンチン咥え込んだアソコが、ビクゥッビクゥッて何度も痙攣して、潮吹いてるみたいに愛液が洩れてるよ……。

 それでももっと気持ち良くなりたがってる肉体は、勝手に腰を振り乱させて、貪欲にマー君のオチンチンを頬張り続ける。ぶちゅぅぶちゅぅって、あたしの愛液とマー君のカウパーが、音を立てて混ざり合ってた。

「マー君、もう射精しそう? さっきお姉ちゃんの体にぶちまけたみたいに、いっぱい射精しそう?」

「うん、出そうっ……あうっ……おちんちん、いっぱい出そうとして、ビクビク震えてるゥッ!!」

 ホントだ。マー君のオチンチン、すっごく震えてる。あたしは、自分のアソコだけが震えてるのかと思ってたけど、オマンコの入口から子宮の一番奥まで激しくピストンしてるオチンチンも、同じように震えていた。

「あっ、もうイくぅぅっ……あたしのおまんこイッちゃうっ……大きなちんぽで、いっぱいズンズンされるから、あたしのおまんこ、すぐにイッちゃうよぉーーっ!!」

「あっ、あ、イかせてあげるッ!! ぼ、僕のおちんちんで、妙子お姉ちゃんのオマンコ、いっぱいイかせてあげるぅぅ……うあ、出るッ!! 出ちゃうッ!! 僕、いっぱい、出しちゃうよぉぉぉっっ!!!」

 ぶびゅりゅりゅゅぅぅゥゥゥッッッ!!! びゅぶぶぅぅぅーっ!! びゅぶぶぶぅぅぅっ!! びゅぶぶるぅぅぅ……ぶびゅぅぅ…………びゅるるるぅぅぅぅっっ!! ぶびゅるるぅぅぅ……ぶりゅうぅぅぅっ!!

 あっ、スゴイッ!!
 熱湯みたいに熱いザーメンが、子宮にどんどん送りこまれてるっ!

「あ、アツイよぉーーっ!! あっ、い、イくぅっ……オマンコ、子宮も全部っ、めちゃくちゃッ!! あ、あぁ……ぅあアアアァァァァァーーーーッ!! あたしのおまんこ、マー君のザーメンで、アァァッ、破けちゃうっ!!」

「あ……あっ、止まんない! おちんちんからバカみたいに溢れて、止まらないよォ〜!!」

 びゅるるぅぅぅ……ぶびゅびゅぅぅ…………びゅぶぶるるるぅぅぅっっ!!

 マジで止まんないっ!

 マー君の精液が、子宮を満たしてオマンコへと流れ出してるのが分かる。オマンコとオチンチンの隙間から、ぶちゅぶちゅ溢れているけど、そんなのじゃ追いつかないくらい、マー君は出し続けてる。

「あ、抜いてっ……マー君、オチンチン抜いてぇ……あ、あうっ、ああアアアァァッ!! 早く抜いてぇっ……抜いてくれないと、あたし死んじゃウッ!!!」

 もう、頭の中は真っ白。
 マー君の精液が、あたしの子宮を突き破っていっぱいにしていってる気がする。
 まるで、体中が精液に満たされチャったみたい。

 精液が背骨を通って頭の中まで侵入して来ちゃったよぅ……

 ――あ、だから頭の中が真っ白なのかな……?


 真っ白な精液の海に、放り出されたような感覚とともに、あたしの意識はそこで途絶えてしまった。





「妙子っ! 早く起きなさい!
 いつまで寝てたら気が済むの? 遅刻しちゃうわよ……」

 ん!?
 あれっ? おかーさんだ。
 う〜ん、もうちょっと寝かせてよ〜。

 ――って、ヤバイッ!
 マー君とグラジナ、どうしようっ!?

 焦ったあたしはワタワタと周りを見まわす。
 けれど……

 居ないわねぇ。
 あれれ、どうなってんだ?
 確か、マー君とエッチして……お腹破れちゃうくらいに、いっぱい出されちゃって……んで、あたし気ぃ失っちゃったんだっけ……?

「何? 変な顔して……妙子、早くしなさいよ。もう、八時前なんだから…バス来ちゃっても、お母さん知らないからねッ!」

 パタンとドアを閉めて、お母さんは部屋から出て行っちゃった……

 なんだか一気に時間が進んだような感覚。
 ほんの先刻まではマー君とエッチしてたはずなのに、お母さんの声で目覚めたあたしはきちんとベットの上に居た。
 いつもの朝と同じように、お気に入りの淡いオレンジの布団の中でパジャマを着た姿なんだけど、それが昨夜の記憶と全然繋がらない。

 とりあえず部屋の中を見回して昨夜の痕跡を探してみたけど、マー君とグラジナの居た形跡は一つも無い。
 それどころか、床にもカーペットにもエッチした跡さえ残っていなかった。

 ……もしかして、あれって夢だったの?
 テスト勉強に飽きちゃったあたしが、いつの間にか寝ちゃってあんな夢をみたってこと……なのかな?

 ……そうよねぇ。
 あんな非現実的なことあるわけないもんねぇ。

 あー、最近シてなかったから、欲求不満だったんだろう。
 うん、そうだ。そうに違いない!

 そうよ、あんなバカなことがあって堪るもんですかっ!

「妙子ー! 本当に遅刻しちゃうわよぉー」

 一階の方から、急かすお母さんの声。
 あ、やばい。バス着ちゃうじゃない……ああん、髪ボサボサだよ〜。
 どうしよ、このままじゃ、学校にいけないわっ!!





「ただいまー」

 ガチャリと鍵を開けて、誰も居ない無人の我が家に帰宅の挨拶。お母さんはパートの仕事に出かけちゃっていないんだ。

 それはともかく。
 ふぅ……今日は何だか疲れちゃったなぁ〜。


 朝は危うくバスに乗り遅れちゃうところだったけど、無事に学校に着いた。

 でも、問題はその後だったの。
 放課後に受けた追試は全滅。はっきり言って、この前の期末より出来が悪かった。

 これじゃ留年かなって思ってると、試験終了後に先生が――、

『この試験の結果が悪くても心配するな。
 きっちり補習に出さえすれば、留年だけはしなくてすむからな』

 なんて言ってたので一安心。
 補習受けなくちゃなんないのは嫌だけど、留年するよりはまだマシかなぁ……


 あたしは自室でコートを脱ぎながら、そんなことを思う。
 後で、お母さんに言わなくちゃならないのかと考えると、すんごい憂鬱な気分になっちゃうけどね。

「あんな夢見ちゃったせいよ。
 だから、試験であたしの実力が発揮できなかったんだ」

「あんな夢って、どんな夢だったんですか?」

「どんなって聞かれても……すっごい変な夢よ」

 んもう、そんなこと聞かないでよぅ……。
 マー君にたっぷり責められちゃったのを思い出して、なんとなく顔が火照ってきちゃうじゃない。

 ――って、あたしと会話してるのは、誰!?

 パッと振り向き、あたしの背後に居るであろう、声の主を確かめた。

「あっ!? あ、あ、アンタ達ッ! ……ゆ、夢じゃなかったのぉ……?」

「はい……? 何のことですか?」

 部屋の真ん中には、いつの間にかグラジナとマー君が突っ立っていた。
 どうしてか分からないけど、二人ともやたらとニコニコした表情。

 ……えっ、じゃあ、昨夜の出来事は本当にあったコト?
 マー君のおっきなオチンチンでいっぱい責められ続けて、信じられないくらいの精液流し込まれたのも、現実なワケ?

「な、何しに来たのよぉ!?」

「あのですね……
 昨夜は妙子さんにお礼の一つも言わずに帰ってしまったので、それじゃ失礼だって、マー君が言い出したものですから。
 あ、もちろん私も、お礼はしなくちゃいけないと思いまして……」

「えへへ……妙子お姉ちゃん。昨日はありがとね。
 僕、とっても気持ち良かった……妙子お姉ちゃん、気を失っちゃって、何にも言えずに帰っちゃったから……」

「妙子さんのおかげで、私達姉弟、淫魔としての自信が持てたような気がします……本当にありがとうございました」

 言って、姉弟はニコッと微笑み合ってる。

 ……何が嬉しいのよぅ。
 こっちは昨夜のコトのせいで、補習決定なのにさ……

「と言うことで、お礼をさせて頂きたいと思うんですけど……妙子さん、何かご希望はありますか?」

「……補習……どうにかしてよ」

「はぁ?」

「これからあたしはツマンナイ補習を受けなくちゃならないのよッ!!
 それもこれも、昨日あんた達が来たおかげで、ちっとも勉強できなかったからなのッ……どうにかしなさいよぅ……」

 理不尽な気がするけど、ポケポケッとしたお馬鹿姉弟を見てるとムカムカするんだもん。
 それに昨夜したことを考えると、補習くらいどうにかしてくれちゃってもいいじゃない!

「ええと……それはちょっと……」

「……グラジナは出来ないって言うの。
 んじゃ、マー君がどうにかしてよ……あたしの補習、どうにかして……」

「あ、あのぉ……僕もそういうのは……」

 ……使えない悪魔姉弟。
 なんで、こんなのがウチに来ちゃったのかなぁ……

 ま、いいかぁ。
 昨夜は気持ち良かったし。
 補習のことは一先ず置いといて、もう一度、マー君とエッチでもしようかな。





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