ZUKI樹『モテる犬の生きざま』
OVERKILLの『The Electric Age』(輸入盤)を買いました。前作『Ironbound』に引き続き、パワーメタルの要素を強めつつ小気味良くリフを重ねていくスラッシュメタルで首が振れる好盤となっていますな。
ボビーの啖呵をまくしたてる様な迫力のあるボーカルも痛快。リズム隊もタイトな演奏を見せていますし、キャリア相応のヘビィネスがここのところかなり目立っている印象ですよねぇ。
さて本日は、ZUKI樹先生の『モテる犬の生きざま』(ティーアイネット)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『犬の生活』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
犬の特大ち○こが猛威を振るうハードな獣姦エロをお気楽寄りのハーレム展開の中で描き出すことの化学反応がユニークな1冊となっています。
収録作は、医療ミスで意識を保ったまま大型犬の体に脳を移植されてしまった元・少年が幼馴染の女の子との共同生活を送りつつ、他の女の子達とも関係を持つウハウハ生活に!?な長編「犬の生活」第4話~最終第9話(←参照 こんな姿になったおかげでラブラブな二人 長編第8話より)+フルカラーのプロローグ4P、および読み切り短編「姉と弟」。
なお、前単行本に収録されている長編の第1~3話を読んでおいた方が、主人公と幼馴染の関係性がよく理解できるため、該当単行本の読了を推奨します。
フルカラー作品である長編のエピローグを除き、1話・作当りのページ数は20~34P(平均30P弱)と十二分のボリューム感を有します。長編作として相応の読み応えを持ちつつ、過激にハードに突っ走るエロの強烈な存在感が構成上の揺るがぬ美点となっています。
【ドタバタ感と程良い誠実さのあるラブコメディな長編作】
幼馴染であり、体を間借りしている大型犬の飼い主でもある少女・さやかちゃんとのラブラブ獣姦ライフを楽しむ長編作の主人公は、彼女との生活を過ごす内に他の女の子とも関係を持つことになり、主人公が犬であることさえ除けば割合にオーソドックスな学園ハーレム系ラブコメとも言えます。
やはり幼馴染であるスケバン(死語)少女のピンチを救ったり、国民的アイドルと知り合いになって、トンデモな意味で彼女の武道館ライブを獣ファックで伝説にしたりと、前単行本の3話に引き続いてある種棚ボタ的にヒロイン達とのつながりが広がっていくのは、読みの楽しさに貢献。
なし崩し的に浮気をしていることになる上、なにせ体は犬なので一度性欲のスイッチが入ると正しく獣の様な激しいセックスを行う主人公ですが(←参照 こうなるともう止まらない 長編第4話より)、最愛の人・さやかへの人間時代から一途で誠実な恋愛感情が揺らぐこともなく、二人の絆の確かさを人と犬という奇異の組み合わせでありながら、感情表現や台詞回しでしっかり表現しているのはなかなかに素敵な特長と評し得ます。
作品終盤では、この入れ替わりを起こした医療事故からトンズラしていた医師が戻ってくることで、犬の脳が入った状態の元の体に戻るのか、それともこのウハウハお犬様ライフを守るのかという選択肢が主人公の前に示されており、さやかの想いと、このトンデモ医師の奇想天外な代替案によって人間へと戻ることを決意します。
そのままなら綺麗に終わったのでしょうが、最終盤でドンデン返し的にもう一波乱を起こしており、更なる混沌を示唆してのギャフンオチ。この辺り、多少好みが分かれると思いますが、ハーレム展開のご都合主義感や、主人公の“正体”の扱いの軽さなど、コメディタッチの軽快さをラストまで貫いたとも言える方法論であり、エロが非常に攻撃的な分、対比的にシナリオの快活さも引き立っています。
この長編作に対し、短編「姉と弟」は、大好きな姉が軽薄な男に騙されて性愛関係になり、自分も彼女と関係を持つものの、あくまで“弟として”しか愛されない主人公の無力感を重く鋭い筆致で描き出す寝取られ作品。この作家さんの既存の作風であれば描かれたであろう誠実さを持つ弟側の“逆転”がなく、その痛烈な悲しみが非常に新鮮に感じられた1作でした。
【肉感ボディでありつつ健康的な色香を持つ美少女ヒロインズ】
エロ要員としてサブキャラクターが数名投入されるものの、長編作は幼馴染で飼い主のさやかを正ヒロインとしつつ、やはり幼馴染で現在は学園の総番な美少女と、実はアイドルとして活躍しているクラスメイト(主人公の嗅覚で判明)を加えた3名がメインのヒロイン陣。なお、前単行本で登場したピアノの先生は今回登場せず。
短編作のお姉さんも含めて女子高生級の年齢層で固められており、絵柄やキャラクターデザインの性質もあって健康的な色香の美少女さんとして描かれている印象です。なお、黒髪の登場頻度がかなり高い傾向にある作家さんですが、今回は黒髪ロングな女の子が計3名登場しているので、属性持ちの方には嬉しいところ。
男勝りでありつつ心根は優しいスケバン少女や、アイドルとして活躍しつつ実は“見られる”ことに興奮する変態願望を持つ少女、優し過ぎる性格を持つ姉など、キャラクターの性格面での描き分けはしっかりしていますが、キャッチーな属性付けとはあまり縁のないタイプ。といっても、キャラクター描写が軽いわけでもなく、優しさの明暗を共に描く短編作の姉や、それぞれの願望とその充足を描き出す長編作のヒロイン達の様に、一定の掘り下げが為されているのは確か。
並乳スレンダーボディの持ち主も存在しつつ、基本的には程良い肉感の体幹に巨乳&桃尻を備える女体のヒロイン達が登場しています。十分にセックスアピールを有しつつ、エロさにクドさがなく、さっぱりと健康的なエロティシズムを感じさせるのがこの作家さんの特徴とも言えるでしょう(←参照 話せなくても伝わる心 長編第7話より).
その一方で、黒い茂みの下で愛液を漏らす女性器の描写などは、ストレートに淫猥さを持たせるスタイルであり、後述する様なエロの攻撃性も含め、爽やかさと程良い下品さがいい意味でのギャップを保ちつつブレンドされた肢体描写は大きな魅力。
表紙絵と同一のクオリティで単行本通して安定する絵柄は、萌えっぽさや現代的なキャッチーネスとやや縁遠くはありますが、適度な濃さや密度を維持させつつ、くっきりとした描線が素朴な親しみやすさを生む絵柄の訴求層は十分に広いと思われます。
【強烈なエロ演出で押しまくるハードな獣姦エロ】
犬の脳味噌が入っている主人公の人間時のボディが(性的な意味で)活躍するシチュエーションもありますし、短編「姉と弟」は切ない近親エロですが、基本的には獣姦エロがメインであるので好みはおそらくはっきりと分かれるでしょう。
アブノーマルエロに特化したBUSTERらしく、獣姦エロとして生ぬるさは全くなく、大型犬がその膂力と特大のペニスを以て“ドスドス”“ゴチュゴチュ”と鈍い音を奏でる激しい抽送を(犬だけに)ドッグスタイルで繰り出す描写は非常にパワフル。
その肉棒のサイズと、主人公の犬としての変な性癖もあって、子宮口を貫いて本当の最奥まで抽送を叩きつけており、その強烈な感覚に美少女達は、涙や涎がダダ漏れの陶酔フェイスになったり、獣じみた絶叫を上げたりと、これまた激しい反応を示すことでエロの過激性を更に押し上げています(←参照 犬との騎乗位という特殊性もあるシーン 長編第9話より)。このため、必然的に透過図・断面図を多用しており、単体で見れば粘膜描写の質があまり高くない一方、迫力ある画作りには大きく貢献しています。
焦点を失った瞳の表情や、切れ切れに叫び出されるエロ台詞なども加え、元々エロ演出では一種禍々しさを備える程の強烈さ・派手さを売りとするスタイルでしたが、長編作ではそのエロシチュエーションの特殊性もあってか更にその点が強調されている感があり、極端な例ではアヘ顔ダブルピース的な描写や、大量の白濁液注入で擬似腹ボテ化なども投入。
十分なページ数があることもあってエロシーンは概ね多回戦仕様となっており、犬ザーメンを大量に口内射精する前戯パートに加え、いわゆる“コブ(亀頭球)”の描写を交えつつの最奥膣内射精(頻繁に子宮内射精)を強烈な攻撃性を以て描くことでフィニッシュシーンとしています。
2P見開きを意識するフィニッシュシーンに加え、十分なページ数を生かして大ゴマを頻度高く用いることで視覚的なインパクトの強さを保っているのは美点です。その一方で、結合部描写も含め、性器関連の表現で押しまくる印象も強いため、読み手の嗜好によってはネガティブなクドさとして映る可能性はあるでしょう。
人と犬の交換という発想の勝利であると同時に、過激で変態的なエロのインパクトと、お気楽さとちょっとした甘さもあるラブコメ展開との組み合わせもまた非常にユニークであり、確かに読み手を選ぶニッチな趣向なのですが、両者のケミストリーの面白さは意外に訴求層が広いのではと感じるところ。
短編作の意外性にも感心しつつ、長く楽しませて頂いた長編作がやはり最愛でございます。
ボビーの啖呵をまくしたてる様な迫力のあるボーカルも痛快。リズム隊もタイトな演奏を見せていますし、キャリア相応のヘビィネスがここのところかなり目立っている印象ですよねぇ。
さて本日は、ZUKI樹先生の『モテる犬の生きざま』(ティーアイネット)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『犬の生活』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
犬の特大ち○こが猛威を振るうハードな獣姦エロをお気楽寄りのハーレム展開の中で描き出すことの化学反応がユニークな1冊となっています。
収録作は、医療ミスで意識を保ったまま大型犬の体に脳を移植されてしまった元・少年が幼馴染の女の子との共同生活を送りつつ、他の女の子達とも関係を持つウハウハ生活に!?な長編「犬の生活」第4話~最終第9話(←参照 こんな姿になったおかげでラブラブな二人 長編第8話より)+フルカラーのプロローグ4P、および読み切り短編「姉と弟」。
なお、前単行本に収録されている長編の第1~3話を読んでおいた方が、主人公と幼馴染の関係性がよく理解できるため、該当単行本の読了を推奨します。
フルカラー作品である長編のエピローグを除き、1話・作当りのページ数は20~34P(平均30P弱)と十二分のボリューム感を有します。長編作として相応の読み応えを持ちつつ、過激にハードに突っ走るエロの強烈な存在感が構成上の揺るがぬ美点となっています。
【ドタバタ感と程良い誠実さのあるラブコメディな長編作】
幼馴染であり、体を間借りしている大型犬の飼い主でもある少女・さやかちゃんとのラブラブ獣姦ライフを楽しむ長編作の主人公は、彼女との生活を過ごす内に他の女の子とも関係を持つことになり、主人公が犬であることさえ除けば割合にオーソドックスな学園ハーレム系ラブコメとも言えます。
やはり幼馴染であるスケバン(死語)少女のピンチを救ったり、国民的アイドルと知り合いになって、トンデモな意味で彼女の武道館ライブを獣ファックで伝説にしたりと、前単行本の3話に引き続いてある種棚ボタ的にヒロイン達とのつながりが広がっていくのは、読みの楽しさに貢献。
なし崩し的に浮気をしていることになる上、なにせ体は犬なので一度性欲のスイッチが入ると正しく獣の様な激しいセックスを行う主人公ですが(←参照 こうなるともう止まらない 長編第4話より)、最愛の人・さやかへの人間時代から一途で誠実な恋愛感情が揺らぐこともなく、二人の絆の確かさを人と犬という奇異の組み合わせでありながら、感情表現や台詞回しでしっかり表現しているのはなかなかに素敵な特長と評し得ます。
作品終盤では、この入れ替わりを起こした医療事故からトンズラしていた医師が戻ってくることで、犬の脳が入った状態の元の体に戻るのか、それともこのウハウハお犬様ライフを守るのかという選択肢が主人公の前に示されており、さやかの想いと、このトンデモ医師の奇想天外な代替案によって人間へと戻ることを決意します。
そのままなら綺麗に終わったのでしょうが、最終盤でドンデン返し的にもう一波乱を起こしており、更なる混沌を示唆してのギャフンオチ。この辺り、多少好みが分かれると思いますが、ハーレム展開のご都合主義感や、主人公の“正体”の扱いの軽さなど、コメディタッチの軽快さをラストまで貫いたとも言える方法論であり、エロが非常に攻撃的な分、対比的にシナリオの快活さも引き立っています。
この長編作に対し、短編「姉と弟」は、大好きな姉が軽薄な男に騙されて性愛関係になり、自分も彼女と関係を持つものの、あくまで“弟として”しか愛されない主人公の無力感を重く鋭い筆致で描き出す寝取られ作品。この作家さんの既存の作風であれば描かれたであろう誠実さを持つ弟側の“逆転”がなく、その痛烈な悲しみが非常に新鮮に感じられた1作でした。
【肉感ボディでありつつ健康的な色香を持つ美少女ヒロインズ】
エロ要員としてサブキャラクターが数名投入されるものの、長編作は幼馴染で飼い主のさやかを正ヒロインとしつつ、やはり幼馴染で現在は学園の総番な美少女と、実はアイドルとして活躍しているクラスメイト(主人公の嗅覚で判明)を加えた3名がメインのヒロイン陣。なお、前単行本で登場したピアノの先生は今回登場せず。
短編作のお姉さんも含めて女子高生級の年齢層で固められており、絵柄やキャラクターデザインの性質もあって健康的な色香の美少女さんとして描かれている印象です。なお、黒髪の登場頻度がかなり高い傾向にある作家さんですが、今回は黒髪ロングな女の子が計3名登場しているので、属性持ちの方には嬉しいところ。
男勝りでありつつ心根は優しいスケバン少女や、アイドルとして活躍しつつ実は“見られる”ことに興奮する変態願望を持つ少女、優し過ぎる性格を持つ姉など、キャラクターの性格面での描き分けはしっかりしていますが、キャッチーな属性付けとはあまり縁のないタイプ。といっても、キャラクター描写が軽いわけでもなく、優しさの明暗を共に描く短編作の姉や、それぞれの願望とその充足を描き出す長編作のヒロイン達の様に、一定の掘り下げが為されているのは確か。
並乳スレンダーボディの持ち主も存在しつつ、基本的には程良い肉感の体幹に巨乳&桃尻を備える女体のヒロイン達が登場しています。十分にセックスアピールを有しつつ、エロさにクドさがなく、さっぱりと健康的なエロティシズムを感じさせるのがこの作家さんの特徴とも言えるでしょう(←参照 話せなくても伝わる心 長編第7話より).
その一方で、黒い茂みの下で愛液を漏らす女性器の描写などは、ストレートに淫猥さを持たせるスタイルであり、後述する様なエロの攻撃性も含め、爽やかさと程良い下品さがいい意味でのギャップを保ちつつブレンドされた肢体描写は大きな魅力。
表紙絵と同一のクオリティで単行本通して安定する絵柄は、萌えっぽさや現代的なキャッチーネスとやや縁遠くはありますが、適度な濃さや密度を維持させつつ、くっきりとした描線が素朴な親しみやすさを生む絵柄の訴求層は十分に広いと思われます。
【強烈なエロ演出で押しまくるハードな獣姦エロ】
犬の脳味噌が入っている主人公の人間時のボディが(性的な意味で)活躍するシチュエーションもありますし、短編「姉と弟」は切ない近親エロですが、基本的には獣姦エロがメインであるので好みはおそらくはっきりと分かれるでしょう。
アブノーマルエロに特化したBUSTERらしく、獣姦エロとして生ぬるさは全くなく、大型犬がその膂力と特大のペニスを以て“ドスドス”“ゴチュゴチュ”と鈍い音を奏でる激しい抽送を(犬だけに)ドッグスタイルで繰り出す描写は非常にパワフル。
その肉棒のサイズと、主人公の犬としての変な性癖もあって、子宮口を貫いて本当の最奥まで抽送を叩きつけており、その強烈な感覚に美少女達は、涙や涎がダダ漏れの陶酔フェイスになったり、獣じみた絶叫を上げたりと、これまた激しい反応を示すことでエロの過激性を更に押し上げています(←参照 犬との騎乗位という特殊性もあるシーン 長編第9話より)。このため、必然的に透過図・断面図を多用しており、単体で見れば粘膜描写の質があまり高くない一方、迫力ある画作りには大きく貢献しています。
焦点を失った瞳の表情や、切れ切れに叫び出されるエロ台詞なども加え、元々エロ演出では一種禍々しさを備える程の強烈さ・派手さを売りとするスタイルでしたが、長編作ではそのエロシチュエーションの特殊性もあってか更にその点が強調されている感があり、極端な例ではアヘ顔ダブルピース的な描写や、大量の白濁液注入で擬似腹ボテ化なども投入。
十分なページ数があることもあってエロシーンは概ね多回戦仕様となっており、犬ザーメンを大量に口内射精する前戯パートに加え、いわゆる“コブ(亀頭球)”の描写を交えつつの最奥膣内射精(頻繁に子宮内射精)を強烈な攻撃性を以て描くことでフィニッシュシーンとしています。
2P見開きを意識するフィニッシュシーンに加え、十分なページ数を生かして大ゴマを頻度高く用いることで視覚的なインパクトの強さを保っているのは美点です。その一方で、結合部描写も含め、性器関連の表現で押しまくる印象も強いため、読み手の嗜好によってはネガティブなクドさとして映る可能性はあるでしょう。
人と犬の交換という発想の勝利であると同時に、過激で変態的なエロのインパクトと、お気楽さとちょっとした甘さもあるラブコメ展開との組み合わせもまた非常にユニークであり、確かに読み手を選ぶニッチな趣向なのですが、両者のケミストリーの面白さは意外に訴求層が広いのではと感じるところ。
短編作の意外性にも感心しつつ、長く楽しませて頂いた長編作がやはり最愛でございます。
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