シリア:軍がパレスチナ難民キャンプ空爆、住民25人死亡

毎日新聞 2012年12月17日 10時27分(最終更新 12月17日 12時12分)

シリア首都ダマスカス郊外で、シリア政府軍の空爆により破壊されたモスク=2012年12月16日、ロイター
シリア首都ダマスカス郊外で、シリア政府軍の空爆により破壊されたモスク=2012年12月16日、ロイター

 【エルサレム花岡洋二】在英のシリア反体制派組織「シリア人権観測所」によると、シリア政府軍が16日、首都ダマスカス南部にあるパレスチナ難民のヤルムーク難民キャンプを空爆し、ロイター通信によると、少なくとも住民25人が死亡した。ヤルムークではパレスチナ難民が反体制派と連携する動きがあり、政府軍が標的としたとみられる。

 ヤルムーク空爆は初めて。戦闘機が発射したロケット弾がモスク(イスラム礼拝所)を直撃し、避難していた住民が殺された。パレスチナ解放機構(PLO)幹部のアベドラボ氏は「虐殺だ」と政権を強く批判した。

 シリア国内のパレスチナ難民(約50万人)は政権支持派と不支持派に分かれるが、最大のキャンプであるヤルムークでは今月上旬から、難民の志願者でつくる武装組織「嵐旅団」が反体制派と組み、親アサド政権の過激派組織「パレスチナ解放人民戦線総司令部派(PFLP・GC)」や政府軍との武力衝突を繰り返している。

 16日には、首都中心部に迫る反体制派と政府軍が衝突し、キャンプ内で激しい地上戦が展開された。ロイター通信によると、15日には過激派組織指導者のジブリル氏がキャンプから脱出し、反体制派側が優勢という。

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