中国に盗まれる日本の地名 和歌山知事が激怒「とんでもない国」 (7/7ページ)

2012.12.1 08:25

紀州へら竿を手に取る田中和仁・紀州製竿組合長。中国企業の「紀州」商標出願を懸念している=和歌山県橋本市

紀州へら竿を手に取る田中和仁・紀州製竿組合長。中国企業の「紀州」商標出願を懸念している=和歌山県橋本市【拡大】

  • 中国系企業による「紀州」商標出願に和歌山県が異議申し立て。紀州へら竿のパンフレット(右)と、中国で出願された「紀州」の文字(左)。酷似している
  • 真剣な表情で紀州へら竿を見つめる田中和仁・紀州製竿組合長=和歌山県橋本市
  • しなやかさと頑丈さを兼ね備えた紀州へら竿。組み立てると長いものでは約3メートルになる=和歌山県橋本市

 今後も中国で勝手に商標出願されるケースが続く恐れがある。さらに、異議申し立ては、1件あたり約50万円と決して安くはない金額が必要なため、コスト面での課題も残る。

 この問題については、仁坂吉伸・和歌山県知事も怒りを隠さない。11月中旬の定例会見で報道陣に問題のロゴがプリントされた資料を見せながら「こんなことでもうけようとする人が跋扈(ばっこ)しているなんて、とんでもない国。われわれはずっと見張っているので見つけたら片っ端から異議申し立てをしていく。コストはかかりますけどね。非常に不愉快だ」と語った。

 田中組合長も、ただ審査の結果が出るのを待っているわけではない。先手を打って中国商標局に「紀州へら竿」を商標登録することを考えている。具体的にどう進めていくかは検討中だが、田中組合長は「待っているだけではだめだ。何とかこちらから攻めていかなければ」と話す。

 結果が出るまで数年はかかる今回の問題。「紀州」のブランドを守るため、中国の「不届き者」を相手にした製竿組合と和歌山県の闘いは続いていく。

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