北朝鮮覚醒剤密輸:元暴力団組長らに無罪判決…東京高裁

毎日新聞 2012年12月14日 19時58分

 北朝鮮から覚醒剤計約230キロを密輸したなどとして、覚せい剤取締法違反(営利目的輸入)などに問われた元指定暴力団極東会系組長、宮田克彦(65)と韓国籍の無職、禹時允(う・ときみつ)(65)の両被告の控訴審判決で、東京高裁(八木正一裁判長)は14日、共に求刑通り無期懲役とした1審・東京地裁判決(08年5月)を破棄し、両被告に無罪を言い渡した。

 最大の争点は、共謀したとされる暴力団幹部(1審無期懲役、08年3月に病死)が「宮田被告が資金提供役、禹被告が北朝鮮側との連絡役だった」などと述べた供述の信用性だった。1審は「虚偽供述の動機はない」などと認め、両被告に罰金各1000万円と計約9億6175万円の追徴金も命じた。

 しかし高裁は「事実と反する供述について幹部に問いたださないなどの捜査主任検事の対応が『捜査側と取引できるのでは』という期待を助長させた」と指摘。「接見や勾留執行停止などについて便宜を受けるため、捜査側の意に沿うよう供述をした可能性がある」と信用性を否定した。

 両被告は02年6月と10月、北朝鮮の貨物船から島根県沖の日本海に投下された覚醒剤計約230キロを回収し、同11月にも約236キロを密輸しようとしたとして起訴された。検察側は1審公判で、01年12月に鹿児島県沖で海上保安庁の巡視船の追跡を受けて自爆、沈没した北朝鮮の貨物船についても「宮田被告らに覚醒剤を運んできた」と指摘していた。

 東京高検の青沼隆之次席検事は「主張が認められず遺憾。判決を十分検討し適切に対応する」とコメントした。【和田武士】

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