PC遠隔操作:「認識不足が要因」誤認逮捕で検証結果公表

毎日新聞 2012年12月14日 21時57分(最終更新 12月15日 01時33分)

PC遠隔操作の構図
PC遠隔操作の構図

 パソコン(PC)の遠隔操作などで犯罪予告が書き込まれた事件で4人が誤認逮捕された問題で、警視庁、大阪府警、神奈川・三重の両県警は14日、検証結果を公表した。神奈川県警は「無実の少年をことさらに困惑させた可能性がある」と不適切な取り調べを認めた。警察庁は一連の誤認逮捕に共通の要因として、遠隔操作の可能性についての認識不足があったと指摘。捜査員の知識の底上げなどを全国の警察本部に指示した。

 神奈川県警は検証結果で、誤認逮捕された男性(19)が再聴取に対し、「否認をしたら検察官送致されて、『院(少年院)』に入ることになる」などと取り調べで言われたと話したことを明らかにした。そのうえで、「取調官の言動は、不安を助長させ、自供を強いられているように受け止められた可能性がある」と問題点を認めた。

 警視庁は、男性(28)の供述に「秘密の暴露」に当たる自白がなかったことや、供述内容の変遷があったことに言及。「自白の真偽を慎重に検討すべきだった」とした。大阪府警は「男性(43)の供述に対する掘り下げが十分とは言えなかった」とし、三重県警も「男性(28)を犯人でないとする方向性の検討を十分に行わなかった」と認めた。

 また4都府県警はいずれも、遠隔操作による犯罪予告事件の前例が国内でなかったことから、その手口を想定せず、第三者の犯行であることを見破れなかったことを認めた。

 検証結果を受け、警察庁は(1)IPアドレス(ネット上の住所)を過大に評価し、他の証拠による裏付け捜査が徹底されなかった(2)捜査部門と情報通信部門の連携が不足していた(3)不自然な供述の信用性に十分な検討がなかった−−などの反省点を指摘。捜査員のサイバー犯罪に関する知識の向上や、部門間の情報交換、犯行の可能性を吟味する捜査などを指示した。また神奈川県警に誤認逮捕された男性が少年であることを踏まえ、「容疑者が少年の場合、精神的に未熟であるため、不安や困惑に陥りやすいことにも注意する」とした。【村上尊一】

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