北朝鮮から大量の覚醒剤を密輸したとして、覚醒剤取締法違反などの罪に問われた元暴力団組長宮田克彦被告(65)と韓国籍の禹(ウ)時允被告(65)の控訴審判決が14日、東京高裁であった。八木正一裁判長は、2人を無期懲役、追徴金約9億6100万円などとした一審・東京地裁判決を破棄し、逆転無罪とした。
八木裁判長は「2人の関与を認めた共犯者の供述は信用できない」と述べた。
2008年5月の一審判決は、2人が数人の共犯者と共謀して02年、北朝鮮から覚醒剤計約230キロを貨物船で運んで島根県沖の日本海に投下し、密輸したなどと認定。宮田被告を「大規模な組織的犯行の首謀者」、禹被告を「北朝鮮との連絡役」だと判断していた。