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除染や健康管理で協力 福島県とIAEAが覚書締結

覚書に署名し、握手する佐藤知事(右)と天野事務局長=15日、郡山市のビッグパレットふくしま

 福島第1原発事故に関し、国際原子力機関(IAEA)と福島県は15日、放射線測定や除染、緊急時対応を研修する拠点の設置などで相互協力する覚書を結んだ。国際的な専門家の知識や技術を活用し、復興を促す。郡山市で開かれた原子力安全に関する福島閣僚会議に合わせ、IAEAの天野之弥事務局長と佐藤雄平知事が署名した。
 相互協力するのは(1)放射線測定、除染(2)健康(3)緊急時対応−の3分野。財源は、日本からIAEAへの拠出金で賄う。
 放射線測定、除染分野では、無人航空機を使って放射線量を正確に測る技術を開発する。除染廃棄物の管理方法などでは、IAEAの専門家から助言を受ける。
 健康分野では、原子力事故後の健康リスクや社会的損失に関する国際データベースをつくる。原子力事故の際、対応に当たる医療従事者向けの訓練方法も確立する。
 緊急時対応分野では、来年度にも福島市の自治会館内にIAEA緊急時対応能力研修センターを設置。職員1人が常駐し、地元や国内参加者向けに年2回、緊急時の放射線測定などに関する研修をする。
 天野事務局長は「IAEAの専門知識を福島の役に立つようにし、福島で得る経験を世界の役に立てたい」と抱負を述べた。佐藤知事は「世界の英知が結集して、福島復興のシンボルになることを願う」と期待した。
 政府とIAEA共催の国際閣僚会議には、125の国と機関の代表ら約700人が参加。原発を導入する新興国への安全支援を強化するなどの合意文書をまとめ共同議長声明として発表した。
 会場周辺では、脱原発を訴える市民団体らが抗議活動をした。会議は17日まで。


2012年12月16日日曜日


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