◇豊田国際体操<第1日>
▽15日▽種目別▽男子=床運動、あん馬、つり輪、女子=跳馬、段違い平行棒▽参加8カ国・地域▽愛知県豊田市総合体育館(スカイホール豊田)▽中日新聞社など主催
女子は段違い平行棒で、田中3きょうだいの長女、理恵(25)=日体大研究員=が落下したものの、12・975点で初優勝、ロンドン五輪イヤーを照れ笑いで締めくくった。男子は愛知県春日井市生まれの加藤凌平(19)=順大=が床運動とあん馬で2冠を達成した。また、けがのため欠場したロンドン五輪男子個人総合金メダリストの内村航平(23)=コナミ=は来場し、ファンに五輪と結婚の報告をした。
表彰台の頂点で照れ笑いを浮かべた。3年連続の出場で、うれし恥ずかしの初優勝。今年最後の演技となる段違い平行棒。集大成の演技をみせるはずだった。それが低いバーで足を着いてしまうまさかのミス。それでも12・975点はトップだ。
「全然満足する演技ではなくて…。悔しい気持ちもあるし、(落下後の)やり直しから、しっかり最後まで演技ができて金メダルを取れたのはすごくうれしいです」
夢をかなえた1年だった。今年の元日。和歌山の実家で3きょうだいが揃い、神社へお参りした。「3きょうだいで五輪へ連れて行ってください」とお祈りした。夢が現実となり、3人でロンドンの舞台に立った。
「きょうだい3人で五輪に出場できた。結果は良かったのか、よく分からないけど、五輪は最高の笑顔で終えることができた。すごくいい年だったと思う」
今年を振り返ったとき、忘れられないシーンがある。NHK杯で優勝してカップをもらった瞬間だ。美女アスリートという話題だけでなく、実力で初の女王の座に就いた。
「自分でカップを取れたんで、それがすごくよかった。今年で一番うれしかったです」
当初は年内で一区切りのはずが、11月末に現役続行を表明した。来年の目標を問われると、ちょっぴり恥ずかしそうな笑顔を浮かべた。
「いろんなことに挑戦したい。テレビとかのメディアだったり、スポーツ選手としてCMとかにも出たいな。でも芸能人にはならないですよ」
体操という枠だけにはとどまらない。これからは演技で、人柄でファンを魅了し続ける。 (森合正範)
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