名古屋−熊本 後半20分、チーム3点目を決める小川=瑞穂陸上競技場で(佐伯友章撮影)
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名古屋グランパスは、後半一気に勝負を決め、J2熊本を下し、準々決勝で横浜Mと対戦することになった。柏は日本フットボールリーグ(JFL)の横河武蔵野(東京)に辛勝。J2千葉は東北社会人リーグの福島ユナイテッド(福島)に大勝し、Jリーグ勢以外は全て敗退した。来季のJ2降格が決まったG大阪はJFLに降格するJ2町田を下し、J1同士の対戦は鹿島が磐田を、大宮が川崎を、横浜Mが浦和を、C大阪は清水を破った。
◆名古屋5−2熊本
点を取れば取られる。漂い始めた番狂わせの流れを変えたのは、2−2で迎えたハーフタイム、ホームの観衆からわき上がった異様なブーイングだった。小川は「ハーフタイムにブーイングをされて気持ちいい選手はいない」。
ロッカールームではチームリーダーの闘莉王が怒声を響かせた。「何を言ったか? みなさんの前ではとても言えない。2失点した守備はアマチュア以下。あれじゃあダメなんだ」。2失点目のシーンでは3、4人がかりでもドリブルを止められなかった。FWに入っていた闘莉王には、集中力を欠いたような守りが許せなかった。
チーム内外からの檄(げき)は、格下相手に生まれていたスキを一掃した。小川は「後半は相手FWに入るくさびのパスに厳しくプレッシャーをかけるようにした。守備面で修正ができた」と振り返る。
激しい守備は攻撃にも好循環をもたらす。後半20分に小川がこぼれ球を押し込むと、その後も2点を追加。終わってみれば闘莉王、金崎、小川、永井、玉田と役者そろい踏みの5得点だ。
玉田は「ボールも動くし、人も動く。攻撃はいい感じだった。オレも得意のヘディングで決めたしね」とニヤリ。熊本を圧倒した後半の内容に、手応えを感じていた。
準々決勝では昨年同じステージで敗れた横浜Mと、同じ瑞穂陸上競技場でぶつかる。楢崎は「どんな形でも勝ち上がることが大事。ホームの地の利を生かしたい」と必勝を誓う。ゴールラッシュで5年連続の8強を決め、リベンジの準備は整った。 (木村尚公)
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