メキシコ国営の石油会社、 ペトロレオス・メキシカーノ(ペメックス)は13日、韓国のSK建設とドイツのシーメンスが1997年、メキシコ・カデレイタ地区にあるペメックス石油精製工場の設備改善事業の入札で同社関係者に賄賂を贈り、実際には受注資格がないにもかかわらず事業権を獲得したとして、3億ドル(約250億円)の損害賠償を求める訴えを米国ニューヨーク・マンハッタン連邦地裁に起こした。
ペメックスは、シーメンスが2008年にイラク、アルゼンチンなどで賄賂攻勢により工事を受注したとして、米証券取引委員会(SEC)の調査を受けたことが訴訟のきっかけになったと指摘。調査の結果、シーメンスがメキシコの石油精製施設でも260万ドル(約2億1000万円)の賄賂を支払っていた事実が判明したと主張している。ペメックスは問題のカデレイタ工場の受注も賄賂の対象だったとしている。SK建設はシーメンスと同時に工事を受注したとして訴訟対象に含まれた。
今回の提訴について、SK建設は「訴訟はシーメンスに関連したもので、SK建設とは全く関係がない」と主張している。
ロイター通信などは、米国の組織犯罪処罰法(RICO法)が企業の誤った行為により与えた損害には被害額の3倍を賠償するよう規定している点を挙げ、ペメックスの賠償請求額が9億ドル(約752億円)まで膨らむ可能性があると報じた。
今回の訴訟はペメックス、SK建設、シーメンスによる工事代金支払をめぐるトラブルとも関係している。SK建設とシーメンスはカデレイタ工場が2001年に完成したにもかかわらず、工事代金4億ドル(約334億円)を受け取れなかった。両社は昨年末、パリの国際仲裁裁判所(ICC)でペメックスが工事代金を支払うべきだとする判決を得ている。ペメックスはシーメンスなどが賄賂を贈ったため、工事費が膨らんだと主張している。
SK建設関係者は「ペメックスがICCで不利な判決を受けたため、報復の意味合いでSK建設とシーメンスを提訴したのではないか」と述べた。