小売り各社が独自に企画するプライベートブランド(PB)商品に力を入れている。経費を省き価格を抑えるだけでなく、大手メーカーの参加で質も向上してきた。この流れを廃棄食品の減量や内需企業の再編に生かしたい。
PB商品は原則的に企画、発注した小売りがメーカーからすべて買い取り、売り切る。消費者に近い流通側が主導権を持つため、客の需要に沿った商品を無駄なく生産、販売しやすくなる。固定客づくりにも役立つ。
日本には小売店や卸会社が加工食品や衣料品の売れ残りを返品できる慣行が一部にある。メーカーは新製品を次々に投入する。廃棄や返品の経費は価格に上乗せされる。PBの仕組みがうまく機能すれば、この状況は改善される。
小売り大手のセブン&アイ・ホールディングスはグループ内の百貨店、スーパー、コンビニエンスストアで共通販売する高級路線のPBを、今後3年で2倍に増やす。グループ全体のPB比率も4割強まで引き上げる構想だ。
小売業売上高に占めるPB比率は欧州が3割から5割、米国が2割、日本が1割前後とされる。英国では小売業が低価格、高級、健康志向など複数のPBを持ち、分野を越えて商品を集める。客は自分の価値観に合うものを見つけやすく、消費が活気づく。
日本のPBも進化の余地は大きい。西友のPBだった無印良品は独特の感性を訴え、海外市場でも成功した。そんな第2、第3の無印良品を生み出したい。
質の高いPB開発にはノウハウと販売力がいる。消費者のPB志向が進めば小売業界は大型化を迫られる。流通の発言力が増せばメーカーの再編も加速する。PBは内需型産業が世界に打って出るための再編の呼び水になる。
欧米のPB市場も一貫して成長したわけではない。定番品の多いPBから消費者の心が離れれば、メーカーの独自商品が勢いを取り戻す。メーカーは独自色の強い商品の開発を怠るべきではない。
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