自公で320議席獲得、市場は株高・円安予想

2012年 12月 17日 01:54 JST
 
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[東京 17日 ロイター] 16日に投開票が行われた第46回衆議院選挙で、自民党が連立相手の公明党と合わせて320議席以上を獲得、圧倒的勝利で政権を奪還することとなった。民主党は選挙前の4分の1近くの議席に落ち込む大敗。自民党は直ちに公明党と連立協議に入り、特別国会での首相指名選挙を経て、自公政権が誕生する。野田佳彦首相は惨敗の責任を取り、党代表を辞任する。

<自公で圧倒的多数、「ねじれ」が事実上解消>

NHKや民放各局によると、自公は全議席の3分の2となる320議席を獲得した。320議席以上を獲得すれば、憲法改正の発議や参議院で否決された法案の衆議院での再可決に必要な「圧倒的多数」を有することになる。圧倒的多数の議席があれば、民主党が第一党である参議院が否決した法案を再可決できるため、法律、予算などの審議で、衆参のねじれ現象は事実上解消する。ただ、国会同意人事は衆参それぞれの可決が必要で、衆議院の優越権は認められない。

自民党の安倍晋三総裁は、選挙結果について「円高を是正して経済を再生するという主張に一定の評価が得られた」とした上で、政権を担うことになったらまず景気回復、デフレ脱却へ責任を果たしていきたいとの考えを示した。野田首相は会見で「(3年前の)政権交代の熱い思いにこたえることができなかった。厳しい評価が下された」と語った。

民主党は選挙前の230議席の4分の1近くまで議席数を減らす見通し。日本維新の会は50議席以上を確保、自民、民主に次ぐ第3党となる見通し。

新しい政権は自民、公明の連立政権になる。自民党の安倍総裁は「自民・公明で連立政権を作っていく」と明言。他の政党とは「政策ごとに、理念・政策が一致する党に協力をお願いしていきたい」と述べ、政策ごとの連携を図る考えを強調している。

<株高・円安継続か、財政問題には懸念>

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