こんにちは、Business Media 誠編集部のホリウチです。12月22日に発行終了するこのブロマガですが、今回を含めてあと2回。次回が最終回となりますが、よろしくお願いいたします!
それでは、今回のラインアップはこちらです。
1.投票したことをネットに書いていいのか総務省選挙課に聞いてみた(突撃取材! ホリウチの「あなたの知りたいこと、代わりに聞いてきます」)
2.日本の選挙活動の現実(有料メルマガ読者だけ! 「ココだけの記事」)
3.誠 Weekly Pick up News
4.読者プレゼント
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●1.投票したことをネットに書いていいのか総務省選挙課に聞いてみた(突撃取材! ホリウチの「あなたの知りたいこと、代わりに聞いてきます」)
あと2日に迫ってきた衆議院総選挙。テレビや新聞、街頭などは選挙一色ですが、ネットでは公職選挙法の制約で行える選挙活動については制限があります。Business Media 誠では津田大介さんのメールマガジン「メディアの現場」の記事「ネットでできる選挙の話、ネットでできない選挙活動( http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1212/14/news019.html )」を転載させていただいているので、ぜひご覧いただければと思います。
ただ、その記事に抜けていたのが、選挙当日のこと。投票したことについて、どこまでネットで書いていいのでしょうか。例えば、投票箱の前でピースした画像を添付して、「投票なう」とTwitterでつぶやくのはアリかナシか。公職選挙法の規定と実際の運用の間にはかなりの差もあるのですが、原則としてはどのようになっているのか、総務省選挙課に尋ねてみました。
――「今日の選挙で投票した」とネットで書きこむことに問題はありますか。
投票に行ったという事実を伝えることについては、ただちに公選法に抵触してくるわけではないと思います。ネットに書きこむことについては、その内容が“選挙運動”に当たると認められてしまうと、公選法に抵触してくる恐れが出てきます。書き込みの内容を全体として評価して、“選挙運動”用の文書図画かどうか認定を行うということですね。
――“選挙運動”の定義を教えていただけますか。
“選挙運動”というのは公職選挙法で具体的に書かれているわけではないのですが、判例などでは「特定の選挙において、特定の候補者の当選を得るために必要かつ有利な行為」と言われてはいます。ただ、総務省選挙課はそこに該当するかしないかを判断できる立場にはなく、最終的には司法が判断することになります。
――ネットに書き込むかどうかは別として、誰に投票したかについてウソをつくことに問題はありますか。
公職選挙法235条に虚偽事項の公表罪の規定があるのですが、当選を得させる目的を持って候補者の身分や職業、経歴に対して虚偽事項を公表された人には罰則があります。ただ、(誰に投票したかウソをつくことが)法に当たるかどうかについては司法の判断なので、公職選挙法に抵触する恐れがありますよ、ということですね。
――投票所で、自分が投票するシーンを携帯電話のカメラで撮ることは大丈夫ですか?
公職選挙法52条などで、投票の秘密の保持や投票所の秩序の保持といったことが規定されています。写真を撮ることによって、そういったものが乱されてしまうのは、好ましくないということですね。
最終的に判断するのは司法ということで担当者の歯切れも悪かったのですが、候補者名を出さずに投票したと言って、他の人の投票をうながすことについてはどうやら問題はなさそうです。
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突撃取材! ホリウチの「あなたの知りたいこと、代わりに聞いてきます」コーナーでは、「こんなことをこんなところに聞いてほしい!」という依頼を募集しています。もし、面白そうなネタがありましたら、Twitterでハッシュタグ「#makotomail」を付けて、ご要望ください。
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●2.日本の選挙活動の現実(有料メルマガ読者だけ! 「ココだけの記事」)
12月16日の衆院選総選挙が明後日に迫ってきました。私は東京都民なので、都知事選も合わせてダブル選挙です。……ということで、選挙にまつわるお話を。
想田和弘監督作の『選挙』( http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/B000WSQIEM/itmedia-makoto-22/ref=nosim/ )は、選挙をテーマにしたドキュメンタリー映画。非常にリアルな“選挙の真実”が描かれています。
映画の舞台は、小泉人気が絶頂期のころの川崎市議補欠選挙。自民党公認の落下傘候補として担ぎ出された新人が、初めての選挙活動を駆け抜ける様子を淡々と描く佳作です。映画の後日談として、『自民党で選挙と議員をやりました』( http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4827550174/itmedia-makoto-22/ref=nosim/ )という本も出ています。
自民党から出馬した候補者・山内和彦さんは、東京で切手・コイン商を営む40歳。考え方も行動も政治家ではなくて“普通の人”な上に、選挙区の川崎市にはまったく地縁がないという状態。
経験豊かな自民党選対スタッフが、山内さんに「ドブ板選挙のHowTo」を丁寧に指導していくのですが、ここで描かれる選挙活動のディテールがいちいち興味深い。中でも印象深かったのが「(政治家だったら)『妻』ではなく必ず『家内』と呼ぶ」というエピソード。これは「丁寧に『お』を付けると『おっかない』というギャグになって笑いがとれるから」と理由が説明され、映画の中でも実際にそのギャグが使われるシーンが出てきます。
「家内」と呼ばれた山内さんの妻は、夫に輪をかけて“普通の人”なので、途中夫婦間で選挙活動を巡る言い争いが起こります。妻は仕事を休職して夫の選挙活動に付き合うのですが、選対スタッフに「政治家の嫁なら仕事なんか辞めて当然」と言われて立腹します。
「『当選したらほかの(自民党)候補の選挙の時は手伝うのが当たり前』と説教された。大金持ちならともかく、仕事を辞めろなんて言われたって困る。言っちゃナンだけど市議くらいで嫁は仕事するななんて、何を勘違いしてるの? 『夫が総理大臣なら、喜んで仕事をやめさせていただきます』って言い返してやろうかと思った」と夫にぶちまけるシーンには深く共感してしまいました。
かつて女優の水野真紀さんがある国会議員と結婚した時、私は「政治家と結婚したって女優業を辞める必要はないだろうに」と思ったのですが、こうやって“政治家の嫁”という職業ができていくのですね……。
この映画、ポイントはたくさんあるのですが、最大のポイントは「選挙というシステムのばかばかしさを痛感させられる」ということではないでしょうか。映画の中で、山中候補はひたすら、自分の名前と“小泉自民党”を連呼し続けます。山内さんが政策について語るシーンはほとんどありませんが(しどろもどろになるシーンはある)、握手の仕方は格段に上手になっていくのが面白い。映画の最初と最後では、握手の仕方がまるで別人です。
日本の選挙というのは、結局「名前を覚えてもらうこと」に尽きるのだな、と思い知らされます。市議会選挙レベルでこれなのですから、国会議員の選挙ともなれば、さらに経験豊かなスタッフの手によって、きめ細やかで徹底的なドブ板選挙が繰り広げられるのでしょう。名前を覚えてもらった人が当選して、その結果政党の多数決で決まった政策で国の行く末が決まる……選挙というシステムで支えられる民主主義が、日本において正しく機能する日は来るのだろうか? 見終わった後、そんなことを考えてしまいました。
それにしても日本の選挙のドブ板ぶりは変わりませんね。今も窓の外で、ある候補者が自分の名前と、なぜか「エイエイオー」と叫んでいます(何のため?)。日本の選挙が相変わらずこんななのは、選挙に関わる人たちの平均年齢が高いせいなのだろうか。なんとかする方法はないのだろうか……と、この記事( http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1212/11/news037.html )を読んで日米の差をしみじみと感じたのでした。
●3.誠 Weekly Pick up News
誠 Weekly Pick up Newsは、「いま、これはチェックしておきたい!」というニュースを、Business Media 誠編集部が10本ピックアップするコーナーです。今週の気になるニュースはこちら。
【民主党政権の3年は何だったか( http://seiji.yahoo.co.jp/close_up/1183/ )】
今週末の12月16日は、衆院選総選挙の投票日。先週に続き、民主党政権の3年について検証したYahoo!みんなの政治の特集をご紹介します。詳しく情報がまとまっているので、ぜひ改めて振り返ってみてはいかがでしょうか。
【沖縄上空は10時1分 予測区域内に落下 迎撃は見送り( http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121212/plc12121210580010-n1.htm )】
12月12日に北朝鮮が行った、事実上の長距離弾道ミサイル発射。発射されたミサイルは北朝鮮が通告していた予測区域内に落下。今回は日本の領域内に落下の恐れがなかったため、海上自衛隊イージス艦の海上配備型迎撃ミサイルと航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオットによる迎撃は見送られました。
【Twitterの2012年( http://2012.twitter.com/ )】
12月に入り、この1年を振り返る特集を目にすることも増えています。Twitter社が発表したのはこの1年で注目を集めたツイート。2012年最もリツイートされたツイートは、オバマ大統領が再選についてコメントしたツイートで、81万回以上リツイートされたということです。
【Amazon.co.jp: 2012年 年間ランキング発表!( http://www.amazon.co.jp/gp/feature.html/?docId=3077683346 )】
2012年の振り返りということでは、こちらのAmazon.co.jpで売れた商品ランキングも興味深いのではないでしょうか。和書からホビー、コスメまで27カテゴリのランキングが発表されているのですが、自分の知らないブームにも気付けるかもしれません。
【「おうち発電プロジェクト」を開始( http://www.sbenergy.co.jp/ja/business/pdf/press_20121212_02j.pdf )】
自然エネルギーの普及・拡大を目指して設立されたSBエナジー。住宅の屋根をソフトバンクモバイルが借り受けて太陽光発電システムを設置した後、SBエナジーがまとめて管理し、発電した電気をすべて電力会社に売電することで、太陽光発電の普及・拡大を図る「おうち発電プロジェクト」をこのほど発表しました。
【コンクリ-トが生んだ「作りっぱなし」の罪( http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20121210/240811/?rt=nocnt )】
中央自動車道の笹子トンネルで起こった天井板の崩落は、9人の死者を出す惨事となりました。コンクリートの寿命や健康管理を研究している法政大学の溝渕利明教授は、「インフラを作るまでは熱中し、あとはほったらかし」という風潮が事故を招いたと指摘します。
【大谷選手との入団交渉時に提示した球団資料について( http://www.fighters.co.jp/news/detail/3251.html )】
大リーグ挑戦の意向を変えて、日本ハムへの入団を発表した大谷翔平選手。説得に当たり、日本ハムが使用した資料が公開されました。資料では過去の海外挑戦の例をまとめ、早期に渡米することが決して長くトップレベルで野球を続けられることと比例しないと示しています。ビジネスパーソンにとっても資料を作る上で参考になるのではないでしょうか。
【中国のジニ係数がとんでもない異常値な件( http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20121211/1355194508 )】
社会の所得格差、不平等さを測る指標・インデックスであるジニ係数。ジニ係数は0から1の範囲の値を取り、0に近いほど平等で1に近いほど不平等=所得格差が顕著であることを意味します。OECD諸国では日本が0.329、ドイツが0.295、米国が0.378。そんな中、経済成長著しい中国では2010年で0.61と高く、社会不安につながる危険ラインとされる0.6を超えているようです。
【「自殺者が減っている」はウソ? 変死体が増えている( http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1212/11/news018.html )】
警察庁の発表によると、年間の自殺者が1997年以来15年ぶりに3万人を下回る可能性が強まったということです。しかし、警察では別に「変死体」の数も発表しており、2011年には2万701体もあります。自殺者数の統計データだけ見ていると、実態を見誤るかもしれません。
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●4.読者プレゼント
記者が特別に入手したグッズを有料メルマガの読者にプレゼントするコーナー。今回プレゼントするのは、キングジムのiスキャミルミニ( http://www.kingjim.co.jp/sp/iscamil_mini/ )1台です。
iスキャミルミニはiPhoneと直結してスキャンデータを取り込めるというもの。写真やハガキをスキャンして、TwitterやFacebookなどに手軽に投稿できますね。価格は1万5540円。
Twitterでハッシュタグ「#makotomail」を付けて、「iスキャミルミニが欲しいです!」とつぶやいてください。締め切りは12月20日(木)23時59分です。プレゼントはこのメルマガの購読者に限らせていただきます(後ほど、TwitterのDMを通じて当選者の方からメールアドレスをうかがい確認いたします)。
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