吸血女 洋子 最終章
最終章 仲間
事件の異常性から、当然のごとく、警察から事情聴取される洋子。
連日に及ぶそれは、任意と言えども過酷なもので、洋子は憔悴しきっていた。
マスターの助けを借り、厳しい取調官を洗脳しつつ、何とか乗り切った洋子は、もう一度マスターの元へ帰る事を決めた。
身辺を整理し、チューリッヒ行きの飛行機に乗る。
12時間ほどの長旅になるが、全てを捨て去って来た洋子は、ファーストクラスがあるチューリッヒ行きを、あえて選んだのだ。
洋子の隣は誰もいない。周りを見渡しても、僅か、数人の客しかいない機内。
昼を少しばかり超えた時間だったが、洋子は薬の助けを借り、眠りに就こうとした。
水をもらおうと、アテンダントを呼び出そうとした時、
(お水ですね。)
そう呼びかける声が、洋子の頭の中に入ってくる。近くに乗務員などはいない。
洋子は不思議に思いながら、乗務員室と思われる方を眺めていると、長い金髪をなびかせた美しい白人女性が、そこから姿を現し、水を持って近づいてきた。
(あなたは?)
頭の中で聞き返した時、また女性の声が響いてきた。
(わかるのよ。わたし。あなた、マスターの元へ行くのね。でも会えないわよ。あの人はわたしたちの心の中で生きているだけだから。)
(じゃぁ、どうすればいいの?)
(あの人の骨肉を喰らえば、あなたの友達のようにはならないわ。)
(うそ!)
(本当よ。それが、あなたが死ぬまで、まともに生きて行ける唯一の方法。)
(でも、その墓がどこにあるのかわからないのよ。)
(心配しなくていいわ。着いたら、そこまで連れてってあげるから。)
(本当に助けてくれるのね。)
(えぇ、このキャビンの子達はわたしの掌の中にあるわ。大丈夫よ。着くまで時間はたっぷりあるから、わたしと楽しみましょう、ね。)
女は、薬を握っていた洋子の手をそっと掴み、その薬を自分の服のポケットに仕舞い込んだ。
(あなたのようなきれいな東洋人の人としたかったの。最高だわ。)
(他のお客さんにばれちゃうわ。)
(大丈夫よ。他のお客は、あなたが使おうとした同じモノで眠らせているわ。先程の昼食に入れてね。)
不敵な笑みを、洋子に見せ、女はその顔を洋子の顔へ近づけていく。
「やめて。」
洋子は思わず大きな声を上げた。だが、その声に反応する者はいなかった。
(でしょう。みんな寝てるのよ。)
やがて、女の唇が洋子の唇を塞ぎ、女の厚い舌が洋子の唇を押し広げ、洋子の歯を前から順番に舐めていく。
爬虫類の舌のようなそれは、洋子の扁桃まで届きそうな長さだった。
たちまち、口の中は二人の唾液でいっぱいになり、息苦しくなった洋子はそれを飲んでしまう。
その瞬間、洋子の体は、マスターが降りてきた時と同じ、甘美な感覚に打ち震えた。
女は洋子の唇を奪ったまま、自分の制服を脱ぎ始めた。
洋子は女の与える快楽に身を任せている。
(咬みなさい。少しは元気になるわよ。)
女は洋子に首筋を見せ、自分の血を与える。
女の血が少しずつ洋子の体に染み渡っていく。洋子は身体全体で絶頂を感じ、顔の表情は白痴のごとく、すざましい形相になっている。
その快楽に耐えられなくなった洋子は、無理矢理、女の首筋から牙を離した。同時に洋子は大量の尿を漏らしていた。
「はぁ~。」
微かなため息と共に、青白かった顔に赤みが射していく。
(まだ、まだよ。他の乗務員もよ。みんなでね。)
女は、前と後の乗務員に手招きし、自分の下へ呼び寄せる。
女の魔力に中てられ、我慢できなかったのだろうか。他の3人の客室乗務員の女性たちは、いつの間にか、洋子の前後の座席に座っていたのだ。
彼女たちは洋子たちの饗宴を自らの股間を弄りながら見ていたのだ。
女たちの性臭が強烈に漂う中、その宴はチューリッヒに着く直前まで続いた。
その後の洋子の消息を知る者は誰もいなかった。
彼女はマスターの骨を口にできたのだろうか?
それすらも分からない。
半年後、「スイスで日本人女性の行方不明者が発生した。」と日本のニュースで伝えられていた。
終わり。
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