中日スポーツ、東京中日スポーツのニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 中日スポーツ > 芸能・社会 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【芸能・社会】

小沢昭一さん通夜に850人 達人の話芸 天国でも

2012年12月15日 紙面から

 前立腺がんのため10日に83歳で亡くなった俳優小沢昭一さんの通夜が14日午後6時から、東京・新宿区の千日谷会堂でしめやかに営まれ、放送タレントの永六輔(79)、女優黒柳徹子(79)、俳優加藤武(83)の各氏ら850人が60年にわたって個性的な脇役として演技やラジオなどでの話芸で魅了した名優の死を悼んだ。

 祭壇には白菊の花が一面に飾られた。たばこをくゆらすモノクロの遺影は、2009年に雑誌の対談の時に撮影されたもの。喪主の英子夫人(79)が気に入って選んだという。

 74年に小沢さんと作家の野坂昭如さん(82)とで「中年御三家」を名乗りコンサート活動を行うなど、長く親交があった永さんは、通夜が始まる2時間前に来場。遺影の前でひとり静かに手を合わせ、無言のうちに会場を立ち去った。

 棺の中の小沢さんは木目調の着物姿。棺には、家族の写真やたばこ、73年から続けたTBSラジオ「小沢昭一の小沢昭一的こころ」の台本、井上ひさしさん作のひとり芝居「唐来参和(とうらいさんな)」の台本、63年の出演映画「競輪上人行状記」のポスターなど故人ゆかりの品々が納められた。

 落語会で小沢さんと共演したことのある春風亭小朝さん(57)は「体調が悪いようでしたのである程度、覚悟はしていましたが…。もう達人の話芸が聞けないと思うと、頭が真っ白になりました。人間の観察のプロでそれが芝居にも生かされていたと思う。たくさん勉強させてもらいました」としんみりと話した。

 また、小沢さんと50年来の付き合いだった黒柳さんは「まだ心の整理がつきません。本当に優しく、温かく、おもしろい、良い友人でした。棺の中を見たら、若いときのような二枚目の顔でした。近いうちにあちらで、また会いたいです」と涙ぐんでいた。

 葬儀・告別式は15日午前11時から同所で。

 

この記事を印刷する

PR情報

おすすめサイト

ads by adingo




中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ