前川(左)の右ストレートが洋太の顔面を襲う=東京都新宿区の協栄ジムで
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大みそかのWBC世界スーパーフライ級タイトルマッチで2度目の防衛戦に臨む王者・佐藤洋太(28)が14日、所属する東京都新宿区の協栄ジムで、同門の16歳、前川龍斗と3ラウンドのスパーリングを公開。右のカウンターをまともに食らい、あわやのシーンがあった。その前の記者会見では、挑戦者の豪腕・赤穂亮を猛口撃していたが、本当に大丈夫?
一瞬、目を疑った。1回の中盤、前川の右カウンターを食らった佐藤の膝がガクンと落ちた。「効いちゃった」。そのままロープにもたれ、防戦一方だ。結局、このダメージを引きずり、3回の自己採点は「ドロー。いや、負けかも」と苦笑した。
日本ではプロ資格取得が17歳以上のため、前川はタイやフィリピンでプロ活動。4勝4KOの戦績で、将来が期待されている。だが、いくらなんでも現段階では佐藤との差は大きいはずなのに、一体佐藤の身に何が?
「ボクの変則スタイルは最初は通じるけど、慣れてくると見破られる。龍斗とはいつもスパーをやってるし。大丈夫、赤穂にあのカウンターは打てないから」と強がった佐藤だが…。
スパー前の会見では「赤穂君、いや、赤穂の野郎、俺の試合がつまらないって言ってたけど、ナメた口ききやがって、ぶっ倒してやります。おまえのケンカパンチは当たらない。冬だし、おまえがブンブン、パンチ振り回したら、(大型扇風機になって)お客さんも寒くて風邪ひくから、試合早く終わらせます」と言いたい放題だった。その直後にこの不覚。大丈夫か? (竹下陽二)
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