2012.12.16 05:05

独占激白!大谷、藤浪と「対戦したい」(2/2ページ)

花束を手に笑顔をみせる大谷

花束を手に笑顔をみせる大谷【拡大】

 1メートル65だった少年が、1メートル93とビッグになって帰ってきた。中学1年以来の水沢リトル室内練習場。大谷が懐かしそうに、当時を振り返った。

 「もう少し広く感じたけど、小さいなと思いました」

 9日の日本ハム入団表明会見から6日。「気持ち的に楽になって、すっきりしました」と表情は晴れやかだ。入団交渉中の硬い表情から一変し、終始笑顔を絶やさなかった。

 室内練習場では、約3年ぶりに父・徹さんのノックを受け、後輩たちを相手に打撃投手を務めるなど、約15分間汗を流した。子供たちから「ぼくたちも翔平さんに続くように頑張ります」という熱いメッセージを送られると、「(コーチの)話を聞いてやっていればうまくなる。頑張ってください」と激励した。

 もう迷いはない。吹っ切れた。これまで“音信不通”だった同期たちと、連絡を取ったことも明かした。前日14日には、甲子園でも対戦した藤浪とメールを交換し、「(入団)おめでとう」と祝福された。

 さらに、9月の18U(18歳以下)世界選手権(韓国)の代表メンバーだったロッテD3位・田村、阪神D2位・北條ら、自分の進路を気遣いメールを送ってくれた仲間にも順次メールを返信し、「対戦したい」と臨戦態勢を整えた。

 自分を奮い立たせる意味でも、同期と切磋琢磨(せっさたくま)する。最強とされる「松坂世代」にも負けない「大谷世代」の結成構想も披露した。1994年度生まれの「94年会」について、「北條ともそういうメールをしました。一緒に頑張りたいし、また集まりたいと思う」と目を輝かせた。

 栗山監督が提唱する投手&野手の“二刀流”育成プランについても積極姿勢だ。指揮官がハワイ優勝旅行中にブチ上げた“遊撃手構想”に「期待に応えられたらうれしい。監督、札幌のファンのためにも頑張りたい」と気合十分。父・徹さんも「いろんなポジションをやって探していけばいい。1、2年は外野手、内野手、投手をやって見極めるのもありだと思う」と息子を後押しだ。

 入団発表はクリスマスの25日。「北海道に行くのは楽しみ。札幌ドームに早く行きたい」と胸を躍らせる一方、「自分の実力では抑えたり、打ったりするのは難しいと分かっている。(来年1月の)新人合同自主トレにあわせて体をしっかり作りたい」と力を込めた。

 野球人生スタートの地・水沢に戻り、気分一新の大谷が、しっかりと前を見据えた。 (中田愛沙美)

★及川会長「ダル超えてほしい」

 今回の入団凱旋(がいせん)訪問は、水沢リトルリーグの及川正勝会長(63)らが「子供たちのために」と企画した。大谷の在籍時は総監督を務めた及川会長。わが子のようにかわいがっている大谷に「ダルビッシュを超えてほしい」と期待を込めた。

(紙面から)