練習中にジュロヴスキーヘッドコーチ(右)と話し合うストイコビッチ監督=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで
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名古屋グランパスのドラガン・ストイコビッチ監督(47)が14日、天皇杯獲りへ本気モードに入った。4回戦の熊本戦(15日・瑞穂陸)は相手がJ2で14位の格下だけに若手をテストする策も考えられたが、指揮官は最強布陣で戦うと明言。持てる力を惜しみなくつぎ込み、タイトルを狙う。
目の色が違う。昨年の天皇杯では「クリスマスは誰もが家族と過ごしたい。働きたくない」などと日程への不満もこぼしていたストイコビッチ監督だが、14日の前日会見では勝負の話題に終始した。「勝つことが重要。Jリーグは連敗で終わってしまったが、天皇杯ではしっかり結果を残す」と力強く語った。
勝利への執念はメンバー構成にも表れそうだ。ピクシーは「闘莉王はトップ(FW)で出てもらう。現時点でベストのチームを出す」と語った。DF闘莉王を前線で起用する緊急布陣を天皇杯でも続ける。若手を試すプランについても、「実験や新しいことをやる時間はない」と即座に否定。一分の隙も見せず、熊本をたたきつぶす。
「相手がどうこうより、われわれ自身がどれくらい力を出せるか。それが焦点だ」とチームを引き締めた。
前日練習では選手の動きに鋭い視線を注いだ。指揮官の醸し出すピリピリムードはチームにいい緊張感を与えている。GK楢崎は「監督の思いは伝わっている。天皇杯で優勝すればACL(アジアチャンピオンズ・リーグ)の出場権も手に入る。モチベーションは高い」と語った。
J1最終節の浦和戦(1日)から2週間。連戦の疲れも癒え、チームの士気は高い。「体を休め、いい準備ができた」とピクシーは言う。グランパスのプライドを示すため、全力で頂上を目指す。
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