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【大リーグ】

レンジャーズ 人材流出止まらない 主砲ハミルトンがエンゼルスへ

2012年12月15日 紙面から

 【アーリントン(米テキサス州)大城和美】ダルビッシュ有投手(26)を擁するレンジャーズが大幅に戦力ダウンして来季に臨む可能性が大きくなった。13日(日本時間14日)、同球団からFAとなった選手では主砲ジョシュ・ハミルトン外野手(31)がエンゼルスと5年総額1億2500万ドル(約100億円)で、カブスからシーズン途中に移籍した先発右腕ライアン・デンプスター(35)もレッドソックスと2年総額2650万ドル(約21億2000万円)でそれぞれ契約に合意。救援で活躍した上原浩治投手(37)もレッドソックス移籍が既に伝えられており、球団首脳陣も人材の大量流出に頭を抱えた。

 レンジャーズのダニエルズGMの顔が一瞬にして凍り付いた。地元メディアを招いての昼食会で自身の携帯電話が急に鳴った。電話は主砲ハミルトンの代理人モイエ氏から。エンゼルスとの契約に合意したとの連絡を受け思わず席を外した。

 大リーグ公式サイトなどによると、契約は5年総額1億2500万ドル。レンジャーズ側は4年1億800万ドルを提示したといわれる。獲得に動いていたマリナーズ、フィリーズが3年契約でオファーしていると踏んでおり、少し油断があった。その後取材に応じた同GMは「ずっと彼らとは連絡を取り合っていた。他球団と契約する前にわれわれと交渉すると約束していたんだ」と落胆の色を隠せなかった。

 ハミルトンは今季43本塁打を放ったが、麻薬やアルコール依存症に苦しんだ過去があり、球団側はシーズン中の再契約をためらっていた。今月初めのウインターミーティングで面会した際にハミルトンから「そろそろ前に進むべき時期」と直接告げられたとされ、新天地へ移るサインをまんまと見逃したという。

 昼食会後には先発右腕デンプスターがレッドソックス入りするとのニュースも入った。今月に入ってからは数日前にはFAとなった正捕手ナポリ、救援右腕上原がともに同球団と先んじて契約に合意。8日には生え抜きで球団の顔だったヤングをフィリーズにトレード放出するなど投手陣の要、中軸を担う強打者をそろって失った。

 他球団からの補強にも次々と失敗した。大物FA投手の先発右腕グリンキー(前エンゼルス)をドジャースに奪われたほか、レイズに所属した先発右腕シールズのトレード交渉が不調に終わり、ロイヤルズ入りされてしまった。これで大幅な戦力ダウンは避けられない見通しとなった。

 昨年オフにはダルビッシュをポスティングシステム(入札制度)で獲得に成功するなど日の出の勢いだったが、今季はア・リーグ西地区優勝を逆転で逃し、ポストシーズン初戦のワイルドカードゲームでもあっさりと敗退。運気が悪くなっているのは確かだ。

 ダルビッシュにとって来季は2年目。このまま打線や投手陣のてこ入れがなければ、孤軍奮闘を強いられることになる。

 

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