'12/12/15
米、領空侵犯に「懸念」 中国に異例の直接伝達
【ワシントン共同=上西川原淳】中国の国家海洋局所属の航空機が沖縄県・尖閣諸島上空の領空を侵犯したことについて、米政府は中国政府に対し直接、「懸念」を表明した上で、尖閣諸島が日米安全保障条約の適用対象であることを伝えた。米国務省のベントレル報道部長が14日の記者会見で明らかにした。
領有権問題では日中いずれの側の立場もとらず、立ち入らない姿勢を鮮明にしている米政府としては異例の対応。航空自衛隊の緊急発進に対し、中国紙が空軍投入を主張するなど、緊張の高まりに危機感を強め、中国側に自制を促す必要があると判断したとみられる。
ヌランド国務省報道官は13日の会見で、領空侵犯に対する「懸念」の表明を避けていた。これに日本側から不満の声が出ており、日本への配慮を示した形。同省当局者は懸念の表明が遅れたのは、事実関係の把握に時間がかかったためだと釈明した。
米側は中国側に「尖閣諸島に対する米国の政策や(防衛)義務は長期間にわたるものであり、変更もしていないことを明確にした」という。ベントレル氏は伝達方法などの詳細は明らかにしなかった。