15日の中京11Rで行われた第50回愛知杯(GIII、芝2000メートル、18頭立て、牝馬限定、1着賞金=3500万円)は、川須栄彦騎手騎乗の7番人気エーシンメンフィス(栗東・野中賢二、牝4歳)が超スローの逃げを打ってまんまと押し切り、重賞初勝利。タイムは2分3秒6(稍重)。
51キロのエーシンメンフィスが外からハナに立つと、2番手にサンシャイン、3番手にサンテミリオンが追走。後続は道中も折り合って運び、超がつくスローペースの展開。勝負どころを迎えても後続は動かず、4コーナーでもエーシンメンフィスの手応えは十分に残っていた。川須騎手が後ろの様子を確認するほどの余裕で、500万下、1000万下に続く3連勝で格上挑戦ながら堂々の重賞初V。1馬身1/2差の2着にも10番人気のサンシャインが入り、いわゆる“行った行った”の決着となった。1馬身1/4差の3着には直線で伸びたオールザットジャズが入っている。
エーシンメンフィスは、父Medaglia d’Oro、母テネシーガール、母の父Pine Bluffという血統。北海道浦河町・三嶋牧場の生産馬で、(株)栄進堂の所有馬。通算成績は13戦5勝。重賞初勝利。野中賢二調教師、川須栄彦騎手ともに愛知杯は初優勝。
川須騎手は「けいこの動きがすごくよかったので、チャンスはあると思っていました。ハナにはこだわっていなかったんですが、先生からは馬のリズムを大事に乗って欲しいと言われていましたし、きょうは楽なペースで行かせてもらいましたからね。斤量が軽かったので3コーナー辺りからスパートするつもりだったんですが、手応えも十分でしたし、作戦通りうまくいきました」と会心の逃げ切り勝ちにしてやったりの口ぶり。野中調教師も「もともと素質は高かった馬。ようやく体質がしっかりしてきました」と本格化をアピールした。次走は未定ながら、飛躍のきっかけをつかんだ4歳牝馬の今後が注目される。