MSIマザーにおけるBIOSの偽装方法

by 管理者
6月 02日 2012 年

偶数番台のWindowsの評判の悪さは良く知られたところなので、現在使用中のパソコンの次のOSをWindows8にするのか悩ましいところですが、それ以前に現在ド安定なWindwosXP環境をアップグレードするのも面倒臭いし、なんて思っている内にいつの間にかWindows8がリリースされてしまいそうです。

 

 

昨日、床屋の帰りに近くのパソコンショップに寄ったときにWindwos7のメディアを見ていると、そのガラスケースの下の方にDELL製パソコンに添付されるWindows7のメディアが3,980円で置いてあり、それについて店員と話をすると、DELL製のパソコンならアクティベーションしないでセットアップできますよとの話。

そんなことは当たり前の話ですが、「・・・そういった話をしてくれるお客さんも少なくなって・・・」って寂しそうな感じで話していたのが印象的でした。

今では5万円も出せば高性能なパソコンが手に入る時代になってしまったので、自作するよりメーカー製のパソコンを買う人が増えているのでしょうか?

3日前に秋葉原でクレバリーという有名なパソコンショップが営業を止めてしまいましたが、この世界もどんどんと廃れていくのかもしれないですね。

 

 

Windows7がリリースされてから2年も経過しているので今となっては旬(しゅん)じゃないですが、ここからは判る人にしか判らないディープなネタです。

先ほどお話したDELLのWindows7のメディアを自作パソコンにセットアップすると、当然DELL製のパソコンではないのでアクティベーションが必要になります。

しかし、自作パソコンがDELL製だとしゃべるとアクティベーションを回避できるのではないか?

Windows7のLoaderで回避する方法もありますが、それでは面白くないので、癖のあるMSI製マザーボードのBIOSを書き換える方法を検証します。

と言っても、私はWindows7もWindows8も持っていないので、BIOSの書き換えまでの検証になります。

ご了承ください。

※ ここで検証しているのは約1年前に購入した普通のBIOSの乗ったマザーボードです。最新テクノロジーのBIOSはUEFIらしいのですが、そんなBIOSがあることすら知りませんでした。完全に旬を外した感があるな・・・

 

 

 

準備するもの

マザーボードのBIOSをMSIのホームページから落とします。

基本的に使用中のBIOSと同じバージョンを落とします。

もし、最新のBIOSを使用するのであれば、パソコンのBIOSを最新にしてから作業します。

 

ツール類(amitool162)はここから落とします。

http://www.datafilehost.com/get.php?file=a696a315

 

 

BIOSの書き換え方法

MSIのマザーボードにDELL製だとしゃべらせるためには、少しコツがいります。

なぜなら、BIOSの書き換えツールAMITool.exeを起動してBIOSファイルを選択すると、以下のようなメッセージが出て書き換えが失敗するからです。

※ ASUSやGIGABYTEのマザーボードだとこのようなメッセージは出ないみたいです。

※ 880GMA-E45マザーボードでの検証したときの画面ハードコピーです。

※ 880GSM-E41(FX)は上記メッセージが出ても、以下の340バイトの空白置換をやらないでください。置換するとアクチで失敗します。

  今まで3種類のマザーではこの方法で成功したのに何故かこれだけダメ!・・・すごい悩んだ!

  880GSM-E41(FX)はMMTOOLを使わないでいきなりAMIToolでOKです。

 

そこで、バイナリエディタを起動して340バイトの空のファイルを作ります。

ファイル名:340byte00h.txt

 

 

BIOSファイルの拡張子をROMに変更します。(例:A7623AMS.HA0→A7623AMS.ROM)

MMTOOL.exeを起動して上記BIOSファイルを読み込み、BIOSの中のF0モジュール(図左にあるIDがFOのもの)を先ほど作成した340バイトの空のファイル(340byte00h.txt)でReplaceします。

つまり警告メッセージの原因となっているFOモジュールの中身を消去する訳です。

 

 

今度は、AMITool.exeを起動してBIOSファイルを選択しても警告メッセージが出なくなしました。

さらに、amitool162の中からSLIFile、SLPFileを選択します。

「Go」を押してBIOSファイルを書き換えます。

 

 

MMTOOL.exeで作成したBIOSファイルの名称を変更(例:A7623AMS_SLIC.HA9→A7623AMS.HA9)します。

※ 拡張子より前の文字列でマザーボードとBIOS名称を対応づけているらしく、違っているとM-FLASHが認識しない。

 

 

書き換えたBIOSファイルをUSBメモリにコピーしてからパソコンを再起動します。

BIOSを立ち上げ、M-FLashで「BOOT」、書き換えたBIOSファイルを選択します。

※ 決して「BIOS UPDATE」を選択しない。

 

 

上記設定内容を更新すると、ビープ音が4回鳴ってからパソコンが起動します。

次に普通にWindowsが起動することを確認します。

今回はMSIの以下の2枚のマザー(890GXM-G65と880GMA-E45)で確認しましたが、両方ともWindowsXPの起動中に止まってしまってしまうため、ログオン画面が表示されませんでした。

しかし、Windowsの起動までプロセスが進めば最悪BIOSを元に戻すことができるので、これでも良しとします。

 

 

パソコンを再起動し、 M-FLashで「BIOS UPDATE」します。

 

BIOSアップデートが始ります。

 

 

「EVEREST Ultimate Edition」から自作パソコンがDELL製になっていることを確認します。

※ ACPIの中のSLICにDELLを確認

 

 

上記確認ができたのでので、BIOSを元に戻します。

ACPIの中にSLICという項目が無くなっていることを確認できます。

 

BIOSのフラッシュはパソコンの起動不良を伴うリスクのある作業でしたが、MSIのマザーボードにはM-FLASHという機能を実装しており、BIOSをUSBメモリから読み込んで動作を確認してからBIOSをフラッシュすることができるので、BIOSフラッシュにおけるリスクが少なくなりました。

この機能がなかったら、自分で書き換えたBIOSのフラッシュなんて怖くてできません。

 

※ BIOSの更新に失敗すると最悪PCが起動できなくなる可能性があるため、自己責任でお願いします。

 

*** 2012/07/11 追加 ***

MSIのIntelのCPUに対応したマザーボードだと、Biosの大きさが大きすぎてMMTOOL.exeが動かないことが分りました。

例えばH55-GD65の場合、BIOSの大きさは8MBもあります。

 

この場合、BIOSの後ろの2MBがAMIBIOS本体になるので、バイナリエディタで前部の6MBと後部の2MBに分割し、後部の2MBのBIOSをMMTOOL.exeで開き、FOモジュールを340バイトの空のファイルでReplaceして保存します。

再度バイナリエディタで前部の6MBのファイルと後部2MBのBIOSを開き、前部の6MBのファイルの後ろに後部の2MBのファイルを貼り付けて保存します。

そして、AMITool.exeを動かします。

※ 上の画面はバイナリエディタ(BZエディタ)でBIOSを開き(左側)、前部の6MB(中央 0×000000 – 0x5FFFFF)と後部の2M(右側 0×600000 – 0x7FFFFF)に分割しているところ。

 

*** 2012/07/10 追加 ***

マザーボードのBIOSの改変が出来ない場合は、Intel Lanボードを使って同様のことが出来ます。

つまり、Lanボードのフラッシュメモリの中にslic2.1ファイルを埋め込んで、パソコンを再起動するときにLanからブートさせる方法です。

詳しくは、以下のURLに記載しました。

http://www.trend-ai.com/wordpress/?p=5683

 

 

*** 2012/07/12 追加 ***

さらにUSBメモリにslic2.1ファイルを埋め込んでUSBメモリからブートさせる方法もあります。

こちらは、マザーボードのBIOS改変やIntel Lanボードを使った方法より簡単です。

パソコンの設定を一切いじらないので、誤ってパソコンを壊しちゃったなんてことがありません。

詳しくは、以下のURLに記載しました。

http://www.trend-ai.com/wordpress/?p=5740

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