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最終更新:2012年12月14日(金) 21時49分

「国家辺海防委員会」領空侵犯など関与か

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 相次ぐ中国の領空や領海に侵入する行為。背後にある組織の存在が明らかになりました。その組織の名前は「国家辺海防委員会」。この委員会が、尖閣諸島周辺に出没する船や航空機をコントロールしている可能性があることがわかりました。

 沖縄県の尖閣諸島の国有化問題が表面化してから、絶え間なく日本の領海への侵入を繰り返す中国の海洋監視船。13日はついに国家海洋局に所属する航空機が、尖閣諸島の上空で初めて日本の領空を侵犯しました。中国側の目的は一体何なのでしょうか。

 実は中国には、「五龍」=ファイブ・ドラゴンという5つの海上執行機関があります。そのうち、主に尖閣諸島にやって来るのは国家海洋局に所属する海洋監視船と、漁業局に所属する漁業監視船です。

 「この2つは全く別の局に所属する船だが、もっと上の組織が調整して、計画的に動いている可能性がある」(日本政府関係者)

 尖閣諸島をめぐる動きを調整する組織として今、関心を集めているのが「国家辺海防委員会」です。元々は国境防衛などで複数の組織を調整する機関なのですが、日本の外務・防衛当局は、この組織が尖閣諸島をめぐる一連の動きに関与している可能性があるとみて、警戒を強めています。これに対し、中国側は・・・

 「今年の9月以来、日本は何度も船舶と飛行機を派遣し、釣魚島(尖閣諸島の中国名)の領海と領空に侵入した。中国は断固反対する」(中国外務省 洪磊報道官)

 一方、13日の領空侵犯でクローズアップされたのは自衛隊の防空能力です。中国機は地上レーダーでは捕捉できず、スクランブル発進をしたF15戦闘機が現場に到着した時には、すでに姿を確認できませんでした。3$l$K$D$$$F859R6u<+1RBb$N;JNa41!"1J4d=SF;$5$s$O$3$&@bL@$7$^$9!#

 「地球が丸いために、ある一定の高度以下は物理的に見えません。ですからその下をかいくぐって侵入したと」(元航空支援集団司令官 永岩俊道元空将)

 自衛隊は宮古島のレーダーで尖閣諸島をカバーしていますが、今回は小型プロペラ機で高度が低く、とらえることができなかったといいます。

 藤村官房長官は14日、防空監視態勢を強化する考えを示しました。

 「防衛省は早期警戒機E2C、 早期警戒管制機AWACSの、より実効的な活用を含めた検討を行っている。防空に万全を期していきたい」(藤村修官房長官)

 ただ、今の航空自衛隊の装備や人員では、常に高いレベルの警戒態勢をとるのはかなりの負担にもなります。

 「状況がずっと続けば、維持するのは非常に大変」(元航空支援集団司令官 永岩俊道元空将)

 尖閣諸島周辺の警戒で、海上保安庁に続いて自衛隊も消耗戦を強いられることになるのか。政府にとって厳しい情勢が続きます。(14日17:19)

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