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【赤ペン記者つれづれ】桜井翔さんと澤穂希選手の意外な関係
産経新聞は、サッカー女子の日本代表MFでINAC神戸(なでしこリーグ)に所属する沢穂希(ほまれ)選手の名字の表記を「澤」に変えました。本人から「澤」の使用について強い要望があったこと、日本サッカー協会やINAC神戸の公式サイトでも「澤」を用いていることなどが理由です。
「沢」と「澤」は新字体と旧字体、常用漢字と表外漢字の関係にあります。「さわ」は、もともとは「澤」が正字でしたが、昭和21(1946)年の当用漢字表(常用漢字表の前身)で、簡略化された「沢」になりました。以後、「沢」が正字となっています。
産経新聞などでは読みやすい新聞づくりを基本に、使用する漢字は常用漢字や人名用漢字だけと取り決めています。人名、地名など固有名詞には表外字を用いていますが、旧字体や異字体は原則使いません。いくら固有名詞だからといって無原則な漢字使用を認めていくと、読者の混乱を招くことになるからです。たとえば「辺」の旧字の「邊」の異字体は50以上あるといいます。字体差も小さくて区別がつきにくく間違いのもとです。
新聞社側のルール
ただし、これは新聞社側のルールであり、「先祖伝来から使っている字を勝手に変えないで」と、本人や家族などから強い要望がある場合は、それを尊重しなければなりません。産経ハンドブックでも、「無原則に対象を広げない」としつつも、「特別の字体を使ってもよい」としています。
産経新聞で、すでに「澤」表記を使っている著名人は指揮者の小澤征爾さん、映画監督の故黒澤明さんらがいます。一方、女優の長沢まさみさん、巨人の沢村拓一投手は本名は「澤」ですが「沢」表記です。今後、澤選手のように「澤」への強い要望が出て、変更が議論されることもありそうです。
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