北朝鮮は事実上の長距離ミサイル(北朝鮮は衛星打ち上げ用ロケットと主張)「銀河3号」の打ち上げに成功したことで、自力で人工衛星を地球の軌道に運んだ「スペースクラブ」10番目の国となった。これまでに名を連ねた国はロシア、米国、フランス、日本、中国、英国、インド、イスラエル、イランの9カ国だった。銀河3号に積まれた「光明星3号」が、人工衛星と見なすにはあまりにも粗雑な「金属の固まり」だったとしても、大陸間弾道ミサイル(ICBM)級のロケットを打ち上げる北朝鮮の技術力については認めざるを得ない。
韓国は宇宙ロケット開発で北朝鮮に7年から10年後れを取っている。これは専門家の一致した見方だ。韓国の宇宙ロケット「羅老号」はこれまで2度打ち上げに失敗し、また10回にわたり発射が延期されるなど、いまだに進展が見られない。また来年、羅老号の打ち上げに成功したとしても、北朝鮮との技術格差は縮まらない。なぜなら羅老号で最も重要な鍵となる1段目ロケットはロシアから持ち込んだもので、関連技術も学べていないからだ。羅老号の部品は15万個あると言われているが、うちロシア製は12万個で、韓国製はわずか3万個だ。
2010年の時点で、南北の国内総生産(GDP)は39倍の格差がついている。1人当たり国民所得の差は19倍だ。スイスの国際経営開発研究所(IMD)が発行する「世界競争力ランキング」(2012)によると、韓国は科学経済力で5位、人口10万人当たりの特許出願件数は2位だ。全般的な科学技術力で、韓国と北朝鮮ははっきり言って勝負にならない。ところが長距離ロケット分野に限ると、韓国は北朝鮮に10年も後れている。これは完全に前政権と現政権の責任だ。
まず何よりも韓米ミサイル指針が問題だ。これは軍用ミサイル開発を厳格に制限するため、用途が別なの宇宙ロケット開発まで制限しており、また長距離ミサイルの開発に加え、その技術を利用する宇宙開発や探査のためのロケット開発も制限している。羅老号事業についても米国は「韓国で製造された2段目の固体燃料ロケットにミサイル技術が使われていないか確認する」と称し、何度も国防科学研究所を視察した。