タレントのほしのあきが自身のブログで、詐欺の疑いのあるペニーオークションサイトで家電製品を格安で落札したと虚偽の内容を書いていた問題が、「とくダネ!」でも大々的に取り上げられた。オークション運営側から人づてに依頼され、記事を書くかわりに落札していない商品と数十万円の謝礼を受け取ったという。新聞では他にも有名人数人が同様の行為をしていたことが伝えられ、田中大貴アナの口ぶりではまだまだ他にいそうな勢いである。
ペニーオークションというのは、入札の度に運営者側に手数料を支払う仕組みのオークションで、問題のオークションサイトでは入札者のサクラや自動入札システムを導入していたという。そのため、一般ユーザーはほとんど商品を落札できず、手数料だけを取られる仕組みになっていたとされる。
そんなサイト側からおカネをもらって虚偽の紹介記事を書くことは、結果的に詐欺のお先棒を担いだのに等しいだろう。司会の小倉智昭は「(タレントに)そんなことやられちゃ困る」と芸能事務所経営者風にシブい顔であった。
ただ、そうでなくても(明らかな虚偽記事でなくても)、この1年ほど、ネットでは「ステマ」ことステルスマーケティング問題がくすぶっている。ステマの解釈もさまざまあるが、一般に問題視されるのは、カネや商品の提供を受けながら、それを言わずに宣伝行動を取ることだ。カネを出す方は、明らかに宣伝でございというミエミエの広告よりは、芸能人らの自発的な口コミや編集記事の体裁になっていたほうが宣伝効果が期待できてメリットがある。ブロガーやメディアは広告料を受け取る。消費者からすれば、口コミや記事に隠された広告は紛らわしく、判断を損ねる恐れがあり、一方丸損である。
記事広告やタイアップといったことはマスコミ時代からある古い問題だが、昨今はネットの特性からして、それらはより根深くステルスに広がっているようではある。
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