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中学生、高校生のとき、特に男子なら一度くらい、とっくみあいのケンカをしたことはあるのではないだろうか。友達同士のケンカは一種のコミュニケーションとも言えるが、やりすぎると学校側から「処分」を言い渡されることもある。

アメリカの高校でケンカをした男子生徒2人に「クラスメイトの前で仲良くおててつないで1時間座る」という罰を科した。すると、男子生徒はケンカの勢いもどこへやら、うなだれて大反省。しかし同時にかなりの辱めを受けた形となったそうだ。学校のこの対応に物議がかもされている。

この「効果的な罰」が執行されたのは、アリゾナ州のメサにあるウエスト・ウッド高校だ。先日、体育の授業中に14才の男子生徒2人がとっくみあいのケンカを始めたそうだ。このような行為をした者は、校則に則り、罰を受けなければならない。学校側は熟慮の末、2人に「9日間の停学処分か、1時間クラスメイトの前で手をつないで仲良く座るかいずれかを選びなさい」と選択を迫った。

停学処分になったらケンカのことが両親にバレてしまう。また成績簿への影響も必至だ。ヤンチャな高校生もさすがにそれはマズいと思ったらしい。自ら手をつなぐという罰を選んだ。素直に、仲良くおててをつないで公衆の前に座った彼ら。しかし、ここからが彼らにとって地獄だった。

「男子同士が仲良く手をつなぐ」、こんな光景は思春期の高校生から見ると「ありえない光景」である。彼らの周りにはあっという間に野次馬が群がった。笑う者、からかう者、写真を撮る者まであらわれた。その写真はFACEBOOKなど複数のSNSにアップされ拡散したという。いつもヤンチャな彼らもプライドが傷ついてしまったらしい。写真では悔しく泣いているようにも見受けられる。

罰を受けた少年は「あいつらはずっと俺のことを笑うんだ。すごく言い返してやりたかったけど、(罰を受けている最中なので)それもできない。もう下を向くしかなかった」と振り返っている。もう一人の少年は、「罰」を受けた後、恥ずかしくて学校を休んでいる。「ケンカはもうこりごりだよ……」と反省の弁を述べている。

効果だけは抜群だったようだ。だが恥ずかしい思いをした少年たちを思うと少し気の毒な気もする。地元の公立高校委員会も「委員会としては学校の措置を容認することはできません。校則や規定について見直す必要があると考えます」と批判的だ。

しかし、一方で、当のウエスト・ウッド高校では、100名以上の生徒が手をつないで校庭に集まり、この「罰」に対する支持を表したという。

ネット上でも、この罰を「少年たちの繊細な心を傷つける行為」と見るか「嫌いな相手にも愛をもって接すること」を教えたと見るか、議論が交わされている。みなさんはこの罰をどう思うだろうか。

参照元:Gawker(英文)、ET Today

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