日本の台湾統治を扱ったNHKの番組は「事実を捏造し、偏向した内容だ」として、出演者や視聴者ら計約1万300人が計約1億1000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁の小野洋一裁判長は14日、「恣意的な編集は認められない」と請求を棄却した。
番組は2009年4月5日放送のNHKスペシャル「シリーズ・JAPANデビュー」の第1回「アジアの“一等国”」。原告は取材に応じた台湾の先住民族のほか、インターネットなどを通じて集まった視聴者ら。
判決は、先住民族の1人への取材内容を全く放送しなかったことについて「表現の自由の保障の下、放送事業者の自律的判断に委ねられており、取材対象者の放送への期待や信頼は原則として法的保護の対象とはならない」とする最高裁判決を踏襲。別の1人の氏名を誤って表示した点も「故意ではない」と判断した。
NHK広報局は「妥当な判決と考えている」とのコメントを出した。
[2012/12/14-19:49 スポーツ報知]