サウナに入ると血行が促進される。サウナが肩こりに効果的なのは、肩こりの主な原因である血流の不足が改善されるからだそう
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スパや銭湯に行くと必ずサウナに入るんですけど、全身から汗が噴き出して、気持ちいいですよね。そんなとき、ふと室内の温度計を見ると、摂氏100度なんてことが! もしもお湯であればふれた瞬間にヤケドをする温度だけど、なんでサウナだと平気なのでしょう。日本サウナ・スパ協会の若林幹夫さんに聞いてみました。
「同じ温度でも、気体と液体によって熱の伝わり方が全く違うからです。液体は熱が伝わりやすいので、100度のお湯であればすぐにヤケドをしますが、気体では熱が伝わりにくいんです。また、90~100度というサウナの室内は湿度が10~15%と低く、乾燥しているのですが、体からは1分間に20~40gにも及ぶ大量の汗が噴き出して水分の薄い膜をつくり、皮膚を乾燥から守っています。この汗が乾燥した空気のなかに蒸発するとき、1mlの汗につき約0.58kcalの熱を奪うため、皮膚が冷やされてヤケドを防いでいることも一因です」
水分の膜で守られている、ってワケですね。ではもうひとつギモン。あんなに暑い環境にいて、本当に体にいいんですか?
「長くサウナにいすぎなければ、健康にとってプラスの効果がありますよ。その要因の1つは、全身から流れ出る汗。体内の老廃物を分泌して、体や皮膚を清潔にする働きで、尿と同じように過剰な塩分や有害な重金属を体外に排出できます。同時に、呼吸や脈が速くなる、血圧が上がるなどの反応が起こり、新陳代謝が活発になるため、汗から老廃物が流れやすくなります」
体に良さそうな気はしていたけど、間違いなかったんですね。じゃあサウナを出た後、冷水を浴びる行為は健康にいいんですか?
「人が活動しているときや、ストレスを感じるときに働く交感神経を刺激して、自律神経系の働きを高める効果などがあります。サウナにいると次第に皮膚の下の血管が広がってきますが、この状態で冷水を浴びると、皮膚の下の血管は急激に縮みます。そして、血管が元の太さに戻ろうとするときに血行を促進させるため、体がぽかぽかと温まってくるのです。ただ、サウナ後の冷水浴は血管の収縮反応を強く引き起こすので、血圧が一時的に上昇します。動脈硬化症、高血圧症、心臓病の人などは避けた方が無難です」
ちなみにサウナに入る時間は、1回あたり8~12分程度がよいそうです。それ以上だと体に負担がかかりすぎるのがその理由。うまくサウナと付き合い、健康に役立ててみては。
(伊藤 裕/GRINGO&Co.)
※この記事は2011年06月に取材・掲載した記事です
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