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主体的に参加したい国民審査

2012/12/15付
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 衆院選が投開票される16日には、最高裁の裁判官に対する国民審査もあわせて実施される。「憲法の番人」としてふさわしいかどうかを、市民の目で直接チェックする唯一の機会である。衆院選と同様、主体的に参加したい。

 国民審査は最高裁裁判官に任命された後、最初の衆院選を迎える人が対象になる。今回は15人いる裁判官のうち10人が審査を受ける。有権者は辞めさせたい裁判官に「×」をつけ、それが有効投票の過半数になれば罷免される。

 1949年に始まり、計21回でのべ157人が審査を受けたが、罷免された例はない。そもそも裁判官の何をどういう基準で判断すればよいのか分からないという声が強く、形骸化も指摘される。

 だが主権者である国民の健全な常識を反映させ、司法に民主的なコントロールをきかせるための重要な制度である。私たち一人ひとりに、実効性を高める権利と義務があるはずだ。まずは各戸に配布される国民審査の公報や新聞報道、最高裁のホームページなどに目を通してみよう。

 たとえば10人全員がかかわった、2010年参院選での1票の格差をめぐる裁判で、最高裁は「違憲状態」との判決を出した。最大で5倍に達した格差について「著しく不平等だが、合理的期間内に是正されていないとまではいえない」とする判断である。うち2人はより踏み込んで、「違憲」であるとの反対意見を述べた。

 最高裁は政治に対して厳しい姿勢で格差の是正を迫ったのか。それとも現状を追認するような不十分な判決なのか。受け止めは有権者それぞれであろう。こうしたことを考えていけば、どのような一票を投じたらいいのか、見えてくるのではないだろうか。

 もちろん、国民審査の際にはこれまで以上に分かりやすい判断材料を提供するよう工夫していくことが必要だ。日常の裁判でも、常に一般の市民を意識して判決文を書くなど親しみの持てる、開かれた最高裁を目指してほしい。

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