維新に“協議離婚”が浮上 “再婚”相手は自民とみんな?

2012.12.12


石原氏(左)と橋下氏の合流は失敗だったのか【拡大】

 日本維新の会(維新)の、ギクシャクぶりが目立ってきた。16日の衆院投開票日に選挙結果を見守る開票センターについて、東京と大阪で別々に設置するというのだ。東京には石原慎太郎代表、大阪には橋下徹代表代行(大阪市長)と松井一郎幹事長(大阪府知事)が詰める。「石原氏ら、旧太陽の党と決別しろ」と求める、みんなの党との連携強化を進める動きもあり、選挙後に“協議離婚”する可能性が出てきた。

 「僕らも次の日から仕事がある」

 松井氏は11日、府庁内で記者団にこう語った。橋下氏ら「大阪組」は公務優先のため、投開票日に上京できないという。石原氏ら「東京組」は都内で開票結果を待つことになる。

 1つの政党が開票センターを2カ所設けるのは超異例。石原、橋下両氏が個別に記者会見をすれば、「既設の原発は2030年代までにフェードアウト(消失)する」とした衆院選公約など、これまで問題視されていた発言内容の食い違いが再び表面化する懸念もある。

 そもそも、維新では、石原、橋下両氏の遊説日程を、東京本部と大阪の党本部が別々に発表するなど、石原氏ら旧太陽の党(東京組)と、橋下氏ら大阪維新の会(大阪組)との関係はギクシャクしている。

 こうしたなか、気になる動きが浮上した。

 「大阪組」の松井氏は11日、遊説先の福島県会津若松市で記者団に、衆院選前の合流が実現しなかったことについて、「僕も橋下氏も言い過ぎた。(みんなの)渡辺喜美代表と、もう少し丁寧に話すべきだった」と発言。同時に、みんなとの亀裂は「修復しつつある」と強調し、衆院選後の対応として、みんなの党との連携強化に前向きな考えを示唆したのだ。

 みんなの江田憲司幹事長も同日、都内での街頭演説で、「旧太陽の党と離婚すればいい。そうしたら再婚できるかもしれない。維新の政策を元に戻させる。投開票日(16日)に橋下氏と話したい」と語った。

 政治評論家の浅川博忠氏は「衆院選後、石原氏側と橋下氏側が協議離婚する可能性は高い」といい、こう解説する。

 「石原氏は、自分が首相になるために太陽の党を作り、維新と合流した。報道各社の情勢調査のように維新が50議席以下なら、代表を続ける意欲を失いかねない。石原氏を支える平沼赳夫氏らは、自民党の安倍晋三総裁と近く、安倍政権ができれば自民党復帰も選択肢に入る。一方、橋下氏らは、石原氏らのタカ派路線を快く思っておらず、『みんなの党と組んだ方がいい』という声もある。再婚相手が決まったうえで、選挙後に離婚するのではないか」

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