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地方
【衆院選2012 愛媛】師走県都決選(上)1区
■維新擁立、構図様変わり
愛媛1区は、前回の選挙で辛くも議席を守った自民前職の塩崎恭久と、比例で復活した民主前職の永江孝子を中心とする争いと見られていたが、維新から「松山維新の会」会長の池本俊英が出馬したことで、様相は一変した。
父の代から40年以上続く強固な地盤を持ち、安倍内閣では官房長官の要職を務めた塩崎。企業や団体を周り、街頭演説では「原子力規制委員会設置法」など、自身が手がけた法案や実績を訴え、着実に票固めを進める。一方で、11月22日に急遽開かれた後援会代表者会議では「全国では自民党が有利といわれているが、ここ愛媛1区はそうではない」と危機感をにじませた。
塩崎陣営の視線の先にあるのは、池本陣営の動きだ。自民に厳しい逆風が吹き荒れた前回選挙で、塩崎の選対副本部長を務めたのが池本だった。
その池本は出馬表明こそ遅れたものの、中村時広知事の応援を受けて塩崎らの牙城の切り崩しにかかる。中村知事は池本の事務所開きに出席し「いかなる火の粉が降りかかろうとも全力を尽くすことを誓います」と述べるなど、蜜月関係をアピール。また、池本が長く秘書を務めた関谷勝嗣元衆院議員の後援会からも支援を得て「この国を変える最後のチャンス」と演説に力が入る。
もう一人の前職、永江の陣営は「子育て」「介護」重視の政策を全面的に押し出し、懸命に支持を訴える。前回衆院選に出馬以降、街頭演説約2千回、地域集会約150回をこなし、地道に県民の声を聞いてきた。強固な支持基盤はないものの、陣営はこれまでの草の根活動で政策、実績が浸透しているとみており、選挙区での当選に勝負をかける。
共産新人の田中克彦は、「原発ゼロ」「TPP反対」「消費税増税反対」を訴える。今回の選挙を「現政権に対する審判」と位置づけており、新しい政治を切り開く決意で臨む。政党や政策が乱立する中、「有権者に主張を理解してもらえれば他党の票が流れてくる」とみており、街頭演説や集会に力を入れる。
無所属新人の郡昭浩は、前回の衆、参に続いて3回目の国政選挙挑戦。自転車で松山市内を周り、「海中原発」「収入に応じた消費税率」など、独自の政策を訴える。(敬称略)
◇
【立候補予定者】
◇愛媛1区
永江 孝子 52 民 前
塩崎 恭久 62 自 前
田中 克彦 45 共 新
池本 俊英 54 維 新
郡 昭弘 51 無 新
(氏名、年齢、所属、新旧の順)
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