師走決戦えひめ:衆院選2012 最前線ルポ/上 戦いの構図・維新 /愛媛

毎日新聞 2012年12月01日 地方版

 ◇上げ潮、一転危機感

 「自分に火の粉がかかろうが、私も維新の志士になる」。11月27日、衆院選愛媛1区に日本維新の会から立候補する松山維新の会会長、池本俊英氏(54)の事務所(松山市)開きで、中村時広知事は熱く宣言した。

 その3日前、盟友の橋下徹・同党代表代行を迎えた伊予鉄道松山市駅前での演説会。マイクを握った中村知事は「『話し合いをしよう』と当時の池本市議会議長らメンバー一人一人に声をかけた」と明かし、自身が2年半前の同会設立の事実上のプロデューサーであることを公式の場で初めて認めた。「池本さんを応援しないと僕は人でなくなる」と、県議会多数派の自民党との衝突も辞さずに池本氏支援を鮮明にした。

 維新の衆院選県内候補擁立が具体化したのは9月12日。大阪市のホテルであった日本維新の会設立パーティーの後、大阪、松山、愛媛各維新の会の幹部が一室に集まった。終了後、池本氏と愛媛維新の会の横田弘之代表は、全4選挙区の候補擁立を初めて表明。横田氏は「全てで勝ちたい」とぶち上げた。

 だが、その高揚感は急な衆院の解散風で吹き飛ぶ。松山維新の会は年明け以降の解散を予想し、議員13人中8人が11月4〜12日、ニュージーランドを視察中だった。メンバーの一人は「帰ってきたら、世の中が変わっていた」とうめいた。

 野田佳彦首相は同14日、2日後の解散を表明。その日、大阪市内での党本部との協議から帰県した池本氏は、松山空港で報道陣の取材に「1区に落下傘候補はない」と硬い表情で言明。「自分の選挙のようにやる」。同僚議員たちの覚悟を聞き、自身の出馬を決断したのは5日後だった。

 同2〜4区を担当する愛媛維新の会は同4区で、みんなの党を離党して日本維新の会に参加した桜内文城氏(47)を擁立。選挙区内には同会所属県議2人に加え、西予市議8人でつくる西予維新の会があり、表面的には体制は整っている。しかし、同会には他候補を支援する動きもあり、足並みはまだそろわない。同会幹部は「個人的には維新一本でいきたいが、会が世の中の動きについていけてない」と内情を明かす。

最新写真特集

毎日新聞社のご案内

TAP-i

TAP-i
ニュースを、さわろう。

毎日新聞Androidアプリ

毎日新聞Androidアプリ

ふくしまの希望ふくらむプロジェクト

ふくしまの
希望ふくらむプロジェクト

まいまいクラブ

まいまいクラブ

毎日RT

毎日RT

毎日ウィークリー

毎日ウィークリー

Tポイントサービス

Tポイントサービス

毎日jp×Firefox

毎日jp×Firefox

毎日新聞のソーシャルアカウント

毎日新聞の
ソーシャルアカウント

毎日新聞を海外で読む

毎日新聞を海外で読む

毎日新聞社の本と雑誌

毎日新聞社の本と雑誌

サンデー毎日

サンデー毎日

毎日新聞のCM

毎日新聞のCM

MOTTAINAI

MOTTAINAIキャンペーン