ローランド創業者にグラミー技術賞　電子楽器規格「ＭＩＤＩ」制定

　ローランド（浜松市）は１４日、米音楽界最高の栄誉とされるグラミー賞の今年の「技術賞」に、電子楽器の世界共通規格の制定を主導した同社創業者、梯（かけはし）郁太郎さん（８２）＝現特別顧問＝が選ばれたと発表した。来年２月に米ロサンゼルス市で授賞式が開かれる。

　技術賞は、優れた録音技術で音楽産業の発展に貢献した企業や個人を表彰するグラミー賞の特別賞の一つ。１９９４年に創設され、これまでに日本では企業としてソニーとヤマハが受賞しており、個人では初めて。

　梯さんは国内外の楽器メーカーに呼び掛けて、演奏情報のデジタル伝送規格の共通化を進め、８３年に「ＭＩＤＩ」（ミディ）規格を発表。異なるメーカーの電子楽器やコンピューター同士の接続を可能にし、音楽の新境地を切り開いた。携帯電話の着信メロディーや通信カラオケにも利用されている。

　梯さんは「規格を発表して３０年で、電子楽器が世界で広く使われるようになり感慨深い。各メーカーが協力し、電子楽器の発展という同じ目的で努力したことが賞に結び付いた」とコメントした。

（中日新聞）