【清宮涼】広島市は14日、弁当製造業「ダイヤス食品広島支社」(同市安佐北区)の弁当を食べた1052人が食中毒のような症状を訴え、うち11人と同支社の従業員1人からノロウイルスを検出した、と発表した。同支社は1日約5千食を県内に出荷しており、さらに患者数が増えると市はみている。
症状を訴えているのは同支社が弁当を配達している同市周辺の事業所など285カ所の従業員ら。11〜12日ごろ下痢や吐き気などを訴え、1人が入院した。ほとんどの人は快方に向かっているという。
12日、配達先の事業所から市に連絡があり、発覚。市は13日、再発防止策が確認できるまで当面の営業禁止を同支社に命じ、10〜11日の弁当が原因とみて調べている。弁当の中身はご飯や漬けもののほか、10日はから揚げ南蛮やキャベツ、11日はハンバーグやエビフライだった。
同支社の幾野彰支社長は「大変申し訳ない。原因究明に努めている。従業員の衛生教育を徹底したい」と話した。
厚生労働省によると1998年以降、患者が1千人を超す集団食中毒は、雪印乳業食中毒事件(2000年、1万3420人)や奈良県で起きた仕出し弁当による食中毒(06年、1734人)などがある。