[シネマトゥデイ映画ニュース] 今月10日に前立腺がんのため83歳で逝去した俳優の小沢昭一さんの通夜が14日、新宿区の千日谷会堂でしめやかに営まれ、およそ850名の参列客が小沢さんとの最期のお別れに訪れた。
この日の祭壇の遺影は、2009年の雑誌対談の際に使用されたスナップで、喪主の英子夫人が気に入った写真だという。そして、その周りには白い菊の花が飾られた。
通夜には小沢さんと50年来の親交があった女優の黒柳徹子も弔問に訪れ、テレビ番組「徹子の部屋」で恒例だった扮装(ふんそう)シリーズで撮ったセーラー服の写真を持参。囲み取材では、棺の中で眠る小沢さんに「これ大好きだったわね」と言いながら見せたことを明かす。
「まだ整理がつかない。本当に温かくて、面白い、いい友だちでした」と呼び掛ける黒柳は、「100歳まで生きると言ったら、小沢さんに『長生きをすると周りに誰もいなくなるよ』と言われて、ワンワン泣いたことがあるんです。でも今日、それはつくづくそうだなと思いました。もう小沢さんもいないんだなと。一日一日を大事に生きていくしかないわね」と絞り出すようにコメント。
さらに涙を浮かべた黒柳は「笑わせてくれてありがとう。向こう(天国)の方が人数が多くなっちゃって。わたしが行ったらまた笑わせてほしいと思います。本当にいい友達でした」と別れのあいさつを寄せた。
この日の通夜にはそのほか、生島ヒロシ、毒蝮三太夫、矢野誠一、神津友好、中村メイコ、神津善行、吉行和子、山口崇、穂積隆信、松本源之助、桂米団治、林家正蔵、加藤武、篠田正浩監督、乙武洋匡などが参列。関係者によると、小沢さんが亡くなった12月10日は、小沢さんの母親の誕生日だったのだとか。小沢さんは一人っ子だったということもあり、家族からは「お母さんが天国に連れていったのかな」という声もあったという。(取材・文:壬生智裕)