須坂市動物園内に置かれている「どんぐりポスト」 |
須坂市動物園の園内に、「どんぐりポスト」と呼ばれる木箱があり、関心を呼んでいる。来園者に園内に落ちているクヌギやカシのドングリを拾って入れてもらう目的だ。毎年秋に設置し、動物たちに自然の「旬の味」を楽しんでもらっている。同園は「ドングリを見つけたら拾ってポストに入れてほしい」と呼び掛けている。
動物園は臥竜(がりゅう)山(471メートル)の麓にあり、山のあちこちに育つ木々からドングリが園内に落ちてくる。例年、これらのドングリを集め、ホンドリス、ニホンジカ、タヌキ、ツキノワグマなどに与えている。ドングリを餌の中心としているわけではないが、動物たちに喜んでもらおうとの思いで続けている。
ポストは2005年ごろから設置するようになった。飼育員の手作りで、高さは約30センチ。8月に仲間入りしたカピバラの飼育舎のそばと、本園と南園にあるそれぞれ入り口近くの3カ所に設置している。飼育員が定期的に回り、ドングリを回収している。
同園によると、例年、訪れた子どもたちが楽しみながら熱心にドングリを拾ってくれるといい、ことしも順調に集まっているという。収量は毎年5キロほどになる。ポストは、ドングリがなくなるまで設置している。
一方、同園は「山の中に落ちているドングリは、熊など山に生息している動物の食べ物。山から拾ってくるのではなく、動物園の中に落ちているドングリを拾って入れてほしい」と注意を呼び掛けている。