青森・東通原発:地層変形 規制委「活断層と関連」 東北電見解に否定的

毎日新聞 2012年12月14日 東京朝刊

雪がうっすらと積もった原発敷地内で、s−14小断層付近の調査をする、原子力規制委員会調査団のメンバーら=青森県東通村の東北電力東通原発で2012年12月13日午後2時15分、手塚耕一郎撮影
雪がうっすらと積もった原発敷地内で、s−14小断層付近の調査をする、原子力規制委員会調査団のメンバーら=青森県東通村の東北電力東通原発で2012年12月13日午後2時15分、手塚耕一郎撮影

 原子力規制委員会は13日、東北電力東通原発(青森県)で断層(破砕帯)の状態について現地調査を始めた。規制委の島崎邦彦委員長代理は同夜の記者会見で、敷地内にある地層の変形について「活断層が関連したものと考えられる」と言及。調査団の他の4人も、活断層の可能性を否定する東北電の見解に否定的な見方を示した。しかし、精査が必要として、14日も現地調査を継続。20日に東京都内で開く評価会合で活断層かどうかを議論する。

 13日の調査では、比較的規模が大きい「F−3」「F−9」と、小規模な「s−14」「s−19」の4断層を視察。東北電はこれらについて、地下水が入り込んで地層が膨らむ「膨潤(ぼうじゅん)」などが原因とし、「考慮すべき活断層ではない」と主張している。

 これに対し、島崎氏は会見で「東西方向に力が加わっているようにみえる。膨潤との考え方に賛成できない。活断層に関連した活動だ」と明言した。粟田泰夫・産業技術総合研究所主任研究員は「活断層か、それに伴う地震の可能性がある」と述べ、金田平太郎・千葉大准教授も「(膨潤説では)つじつまが合わない地形だ」と話した。

 熊木洋太・専修大教授と佐藤比呂志・東京大教授も膨潤説について「根拠が分からない」などとしながらも、「今日だけでは判断できない」(熊木教授)として、さらに詳細な調査が必要とした。

 4断層は原子炉建屋など重要施設の真下を走っていないとみられるが、原子炉建屋の西側約200メートル付近を縦断する。活断層と判断されると、施設の耐震を見直す必要があり、運転停止期間が長期化する可能性がある。【中西拓司、岡田英、酒造唯】

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